全体の押し上げではなくディフェンスラインの上げ下げという時、まず思い出されるのはオフサイドトラップですが、オフサイドトラップをかけることを目的としてラインを上げるのには危険がともないます。オフサイドトラップは当然の事ながら成功すれば即座に味方のボールにかわるため非常に有効な方法と言えます。しかし一方で成功しなかった場合失点する確率が非常に高くなります。ではラインの上げ下げはどのようなビジョンで行えばよいのでしょうか。
下図は赤がディフェンス、青が左から右に向かって攻めているところです。図1はラインを一度上げておいて敵がパスを出した時にセンターバックの選手が下がってそのボールを処理するという流れを示したものです。図2では図1でのセンターバックの選手の動きをフラット3のディフェンダー3人がそろって行っています。どちらの場合にしても相手のフォワードはラインが上がることでそのままだとオフサイドポジションになってしまうので裏へ出ることが難しくなり、逆にディフェンスは裏に出たボールを楽に処理する事が可能になります。図1と図2のどちらのやり方が優れているかはさておき、このような上がり下がりの動きを巧みに使うことにより裏のスペースを使われないようにする工夫が行われています。