Classic−Music
Sviatoslav Richter スヴャトスラフ・リヒテル |
無器っちょな俺は まるでリュリ つんぼの俺は まるでベートーベン 真似乞食の俺は まるでセバスチャン・バッハ 強欲な俺は まるでアルビノーニ でもね 君にゃ音楽は無理だね |
■吉田秀和(評論家) 「朝日新聞」1997年8月21日
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ブリューノ・モンサンジョン:著 中地義和 鈴木圭介:訳 『リヒテル』 筑摩書房:7,500円+税
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■『リスト/超絶技巧練習曲集』 1988年(ライブ) PHILIPS ◎晩年のリヒテルの境地が味わえられる。 1曲目の『ポロネーズ第2番』で見せる、 右手の”タメ”は、ジョン・ボーナム並みの重たさ! リストというと甘美なバラードが有名だが、 リヒテルは、あえてリスト最晩年の実験的な曲も、 取り上げている。 たとえば『灰色の雲』(1881)なんかは、無調だ。 『メフィスト・ポルカ』(1883)の最後の音は、 テーマと無関係な単音だ。 このCDのメインである『超絶技巧練習曲集』の 8曲は、テクニックのおっぴろげで圧巻。 同時に『第8番<狩り>』などで見せる、 激しい情念は若々しくさえある。 そしてCDは名曲『ため息』を経過して終わる。 『ため息』は、フジ子・ヘミングの カムバック第一作CD『奇蹟のカンパネラ』の1曲目でもある。 フジ子ちゃんには悪いが、リヒテルの貫録勝ちだ。 リヒテルの殺気は、スゴイ。 |