▲そも&そも、『共犯新聞』のネーミ ングは、 私が高校時代に読んだ、斎藤次郎の著書 『共 犯の回路 ロック×劇画・可能性のコミュニケーション』(1973年) からきているのよね。 ▲もう無数に読み返したけれど、 私が線を引いているのはココだけ。 ▲あとがきでは、本文中で論じた 早川義夫や渋谷陽一たちの近況が書かれている。 その広がっていこうという姿勢が、またイイではないか。 ▲『共犯の回路』を読んで、私は 斉藤次郎がマンガの原作もしたことを知る。 それが、真崎守のキョーレツな絵で描かれた『共犯幻想』。 読むだけで心拍数が高くなるアドレナリン・マンガ、だ。 |
マリワナ 一直線上の 視界の 上に お前と お前の影が だぶる 紫色の 煙の 中に 部屋の部品が ゆがみだす 「マリワナやってるんだろう?」 「マリワナやってるんだろう?」 目玉は ギラギラ さえわたり ノドは カラカラ かわきまくる 意味もなく 笑い出し 笑いが 止まらなくなってしまった 「マリワナやってるんだろう?」 「マリワナやってるんだろう?」 マリワナ! マリワナ! マリワナ? マリワナ! マリワナなんて やって ないよう マリワナ! マリワナ! マリワナ? マリワナ! マリワナなんて やって ないよう 部屋の隅へ うずくまり 壁に 穴を あけて みると 手のひらの中に 10匹のアリが ひそんでいた 「マリワナやってるんだろう?」 「マリワナやってるんだろう?」 前かがみに 鏡を のぞくと 耳の奥から 明日が はみ出す 方眼グラフに 当てはめて みれば 裏口から おまわりが 逃げだした 「マリワナやってるんだろう?」 「マリワナやってるんだろう?」 マリワナ! マリワナ! マリワナ? マリワナ! マリワナなんて やって ないよう マリワナ! マリワナ! マリワナ? マリワナ! マリワナなんて やって ないよう
★とにかく、私にとっての斉藤次郎は、
ロックとマンガを軸に文明批評を語る 思想家として高校時代に登場した。 が、私が彼の著書『共犯の回路』を 初めて買って読んだのは1977年だったが、 この本は1973年出版の古書(?)だった。 つまり、私が通学していた高校のある街の 本屋に、幸運にも(?)売れ残っていて、 しかも本屋のオヤジの気まぐれなのか、 返品もされず4年間、書店で眠っていたのだ。 ★同様に私は本屋の奥の棚から背表紙が 日に焼けた『爆発するロック』(1972年)で、 頭脳警察のインタビューなどを読む。 それからなぜか、水野英子のロック・マンガ 『ファイヤー』などを買いあさり、 脳味噌が一気に1970年前後のヒッピーに なってしまった(がくっ)。 その状態で1977年のロンドン・パンクの衝撃に リアル・タイムで立ち会うのだから、 まったく困った高校生である(がくっ)。 ★まぁ、そんなコトよりも、今夜は斉藤次郎だ。 私が『共犯の回路』を読んだ1977年には もうすでに斉藤次郎は高名な「教育評論家」に なっていた。薄い髪の毛を伸ばした顔は けっこーマスコミの露出も多かった。 しかし、そこでの彼の発言は、 「子供の立場になって教育を考えよう。」 みたいな、なんだかヌル目の教育論ばかり。 結局、今の今まで、私はリアル・タイムで彼の ロック論や過激なマンガ論を読んでいない。 ★世間&マスコミは今回の逮捕を、 「教育評論家がこともあろーか 大麻なんて!教育を語る資格、無しっ!」 とゆー観点で処理しよーとしているケド、 かつての過激な思想家の姿を知る私には なぜか(笑)、別に驚かないニュースだった。 ★マリワナを吸っていたのだけが1973年から 変わっていないわけではないと思うけど、ね。 いっそのコト、この逮捕を機会に斉藤サン、 ヒールで過激な思想家にもどってはいかが? |
▲『共 犯幻想』は、1972年、『週刊漫画アクション』連載。 学園紛争を高校で時計台(解放区)の元に集い 最後まで残った4人の高校生の物語。 と、書いても、連載された1972年以降に 生れた方には意味不〜だろーね(笑)。 ▲まったく忘れていたケド、 こんなセリフもあったんですなぁー。なんだか、どきり。 ▲権力により、ギターが壊される。 こんな象徴が、実験的な画風で重層的に描かれてゆく。 正直、私は最初、なんだか恐くて読めなかった(笑)。 ▲いやー、久しぶりに読み返しまし た。 ネットでの古本価格、3〜4千円!元値は、600円(笑)。 なにしろマンガ『共犯幻想』ですら、もー入手困難だから、 『共犯の回路』はもう、まぼろし?文庫化されねーだろーなぁ。 |