昔々。。。
或る所に、ひとりの老人がいました。
この老人は、言葉を刻んだ石を積むひとりの少女に出会いました。
少女は「ソフィアを積むもの」という名前でした。
老人は、どうしたらいいかわからずに
自ら得た言葉のいくつかを口ずさみました。
少女は、じっと耳を傾け、老人の目を見つめていました。
そして、言葉は石に刻まれ、積み上げられていきました。
少女は、黙ったまま、石を積み上げていきました。
老人は、その少女が孤児とはるか過去に約束をしたことなど知らず、
「自ら得た言葉」であるものは、「ソフィアではない」のか?
と思いつつ、更に言葉を重ねました。
日はどんどん過ぎていき、老人は焦りだしました。
繰り返せど、繰り返せど、「自ら得た言葉」を、超えることが出来ないでいたからです。
ふと、背後から声がしました。
「それは、ソフィアではない、少女よ、なぜ約束を破るのだ」
少女は、悲しそうな目をして、二人の目を見つめて言いました。
「私が積むもの、それが、私にとってのソフィアです。
あなた方の言葉、それは、あなた方と私にとってのソフィアです」
老人は、静かに立ち上がり、過去にある少女と約束したことを思い出し、
その場を立ち去っていった。
「植村直己」の言葉をつぶやきながら。。。。。
私は何かを新しく発見したわけでもない。
何かを新しくわれわれの社会へ持ち帰るわけでもない。
私の行為は、私の身体に何らかの痕跡を残し、
私の心に辛かった、またときに、さわやかだった思い出をのこすだけだ。
私のやったことが、なにがしか意義のある行為と呼べるものであったとしても、
私は、相も変らぬわたしにすぎず、
勝手気ままな夢をいだき、
夢の実現にむかって前進するほか能のない人間なのだ。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/4597/
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