3月8日


   7時半起床、やっぱり蚊の猛攻で起こされた。お腹が空いていたので昨日夕食に行ったレストランで朝食をとる事にした。チョウメンとファンタを(30ルピー)食べてホテルに帰ったが、暇だったので海に散歩に行くことにした。海に行く途中、4,5人のガキッチョたちが群れていた。知らん振りして素通りしようとしたら「ヘイ、ジャパニー」と声を掛けてきた。どうせろくでもないことを言ってくるんだろうとは思っていたが、暇だったのでガキッチョたちの方へ歩いていった。案の定だった。ガキッチョたちはいいカモが来たとばかりにボロ切れを取り出し、これを土産にどうだと言ってくる。基本的に相手が子供でも、払うに相当しないものには1銭もやらないのが僕の主義であるから、はっきりと「ノー」と言ってやった。すると奴らはファックと中指を突き立て叫んできやがった。金がないとここまで心を荒んだものにしてしまうのか?

   とりあえずその場を離れることにした。すると後ろからオヤジがすかさず付いて来てこんな事を言ってくる。「なぁ、ジャパニーよ。俺は金がなくてこんなにもみすぼらしい格好しか出来ないんだ。金をくれよ。」このオヤジに同情もしてしまうのだが、金は渡すことが出来ない。だってここには旅行できたのであって、慈善事業に来たわけではないからだ。同情に駆られてお金を渡してしまうと、たちまち僕の所持金はゼロになってしまう。この国はお人好しが通用するほど甘い国ではない。冷たいかもしれないが僕は目を合わせずに通り過ぎるしか出来ない。生きることの厳しさをまざまざと見せ付けてくれる。

   海辺をボーっと歩きながら僕はまた色々考えた。まさにこの瞬間に僕の就職に対する考えが形成されたと言える。この瞬間を獲得できただけでも、この旅は僕にとって非常に価値のあるものだったと言える。前向きに生きる姿勢、いろいろあったとしても絶対に逃げない姿勢、あきらめない事。本当に大きなものを手に入れることが出来た。僕の中の分岐点は貧しい生活を余儀なくされた人たちだった。チャンスが目の前に転がっている環境にいる自分が、ほんの少しの苦しさだけなのに、それから避けるために逃げてはいけないんだ、と強く思った。今この文を読んでいる人がいて、このつたない文を見て何かを感じてもらえたら、非常に嬉しい。

   少しばかり歩き疲れ、オリッサベーカリーに行きチキンピザを食べに行った。素朴だが力強い味がした。うまかった。水を買い、ホテルに戻り屋上に行き何も遮るものがない景色を眺めた。お腹が空いてきたので晩御飯に行くことにした。今日は少し張り込んでホリデーリゾートに行きディナーを食べに行くことにした。一人は寂しかったんだけど、女の子6人との夕食もきつかったので一人で行くことにした。しかしながらレストランに着いてみるとディナータイムは8時からで、僕の行った時間はまだ用意が出来ていないとの事。残念だったけどホテルに戻り、やはり女の子達と夕食に行くことにした。今日はミックスフライドライスとチャーイ、特にうまいわけでなかった。ホテルに戻ると女の子の一人が膨満感がひどいと言っていたので、薬をあげることにした。

   夜なかなか眠れなかったので、久しぶりにビールを飲むことにした。あまりおいしくなかったのだが、久しぶりに飲むビールはよかった。

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Last modified: Fri Apr 28 13:22:42 JST 2000