ぴん☆けとりおの旅日記

第四話 長崎卒業旅行-その後編-



帰宅した次の日、私達は「がっちゃん家」にいた。

三本のマイクと録音機材が迎えてくれた。

私とげんさんの目的はただひとつ、

「”声の手紙”の返信を”がっちゃん家”に届ける」ことだった。



「DJ風にやろや。」というがっちゃんの推薦曲の大半を却下し

「長崎旅日記」から始まり、オリジナルの「大阪弁英語講座」なども交え

私は「ねたふり」げんさんは「ボケ」で、力の限り頑張った。

がっちゃんには「アナウンサー」の様な役をふった。一番まともに聞こえる様に。

テープのインデックスも作成し「がっちゃんスタジオ」の住所も入れた。完璧だった。



肝心の「あの娘」からの返信は来なかった。

私達は近所の居酒屋で「残念会」を行った。

「やっぱり、ショックやったのぉ。」誰とも無く口に出た。

それから一年以上後げんさんがぽろっと私に呟いた。

「実は、俺ん家にテープの返信も年賀状も来ててん。」