新だらだらエッセイ:統計のお仕事Part1
「お気楽日記」から抜粋、再び役所でのアルバイトをするめたるの日々を綴ったもの。
今回は2001年10月1日付で行われる「事業所統計」のアルバイトのお話。(アルバイト自体は11月6日〜15日)
調査票のあまりの枚数と不備の多さに半泣きになりそうだった日々。
「統計はやり出すとキリがない」とはマエストロ埴輪(仮名)さんの至言。
…ちなみに、何故Part1なのかは多分、秘密。(笑)

——当方は、政治思想的に偏っておりませんし、そのような団体に所属の事実もないことをここに明記します。


いらん意味で強くなれる今日この頃。(11月6日:火)
 事業所統計調査のアルバイトということで、久しぶりに例の役所の総務課(この地域の選挙管理委員会もこの係に含まれます)に行ったら、前回選挙で施設関連の不在者投票でお世話になった総務課の体育会系おじさまのパンチパーマが激しくなっていて思わず吹き出してしまったメタル三太郎ですこんばんは。危うく我を忘れて「どういう心境の変化ですか」と聞きそうになったのはご愛嬌ということで。だって、だって、あんまりにもチリチリだったんですもん!!(笑)

はい、これからまた短期間ですが役所のアルバイトが入ります。今度は選挙ではなく、事業所統計調査という、5年に一度行われるまあ店舗とか事務所とか土建屋さんとかお寺とかキリスト教とか医師会とかそういうモロモロの社会組織を対象に行われる統計調査のことです。

今回の戦力はアルバイトのおばさま2人と同じくアルバイトのオレに、今回の指揮者であるマエストロ埴輪(仮名)さんの計4人。ええ、彼が直接の上司ですが、何か?

ついでに下ネタバースト選挙の裏側Part2のおまけを参照)のおばさまも一緒ですが、何か?

今回の私の仕事は、調査員がそれぞれの事業所を訪ね書いて貰った調査票を元に、事業所の主な仕事をコード票を元に調べコードを書き込むという仕事なのですが。
はぁ、今日一日で調査票が完了したのは全体183袋の内のたった20袋ですか。
…でスイマセン。この袋の中には大体何枚の調査票が…はぁ、そうですか、大体30枚前後ですか。
……………。
ホントウニコンシュウジュウニオワルンデショウカコノジョウキョウ。
思わずおばさまたちと目が遠くなったのは言うまでもない。チキショウ、友人も巻き添えにすりゃよかった!(めたるさん人でなし)しかしまあ、なかなか色んな意味でアットホーム(?)な職場なので今の所は割とにこやか。…今の所はな!その内荒れ出すよ、フ、フフ…。(遠い目)

という訳でそのアットホームな雰囲気を少々。
・最初説明を長々と聞いていた時マエストロ埴輪(仮名)さんが「私は公務員の独身寮に住んでまして、ここは独立した玄関や台所やトイレがなく部屋のみの独身寮なのでこの場合の大家さんはコード番号○○に該当します」とあまりにも具体的すぎる説明をしてくれたため思わず吹き出したりとか
(そもそも独身寮と言ってもワンルームマンションが多いこの現代においてまさかそんな旧式な独身寮があるなんて初めて聞いたよめたるさん)
・個人的には喫茶店とカラオケ喫茶とスナック喫茶が全部同じ「喫茶店」に分類されるのが納得行きませんとか(そもそもスナック喫茶てなにさ)
・「たこやき専門店」「ぎょうざ専門店」の業務形態が「小売」の区分か「飲食店」の区分かわからずそんなしょーもない理由で店に電話をかけさせてすいませんマエストロ埴輪(仮名)さんとか
・しかもその奇抜な店名を恥ずかしそうに電話で言う貴方の後姿を見ながら思わずおばさまと笑ってしまいましたすいませんマエストロ埴輪(仮名)さんとか
・お願いですから「ねぇ、この場合風俗店はどこに入るの?」とそんな嬉しそうに聞くのはやめて下さいおばさまとか
・「じゃあラブホは?あれはホテルに入るの!?」とそんな目を輝かせて聞くのもやめて下さいおばさまとか
・手引きに載っていたカーテルヨッテルについておばさまと仕事そっちのけで議論したりとか
(どうやらホテルの一種らしいがこんな間抜けなホテル形態などオレは知らない。下ネタバーストなおばさまは新種のラブホだ!って騒いでましたが(笑))
・だからそれをマエストロ埴輪(仮名)さんに振るのはちょっと可哀想だと思いますおばさまとか
・それに対し元来の性格から生真面目に答えようとしたマエストロ埴輪(仮名)さんオレの存在に気付き慌ててましたとか
・「いや、知らないです」と慌てておっしゃってましたがひょっとして貴方知ってるでしょマエストロ埴輪(仮名)さん?と邪推してみたりとか
・ある意味この環境は羞恥プレイの一環だなと思ったりとか

…いや、なんというか強くなれます、この環境。(笑)

その後「Google」で調べた結果によると。
※カーテル…「カーホテル」を差すこともあれば「カラオケホテル」を差すこともある…らしい。めっちゃ嘘臭っ。大体「カラオケホテル」てどんなんだ一体。…つーかこれ知ったのがラ○ホの用語集なんて…痛すぎ。(涙)
※ヨッテル…マリンレジャーに使用する、ヨットを係留するための場所…かな?要するに「ヨットのためのホテル」だと思う。まあ確かに自分の港でも持ってない限り、使わない時は邪魔ですわな、ヨットなんて代物は。…ちなみに曖昧な表現しか言えないのは情報が少なすぎて判断できないため。

オレを殺す気ですか、神様。(いや自業自得なんだけどさ)(11月8日:木)
 レオパルドンを聞きながら卒論を書くのはとても危険だと気付いたメタル三太郎ですこんばんは。多分次にカラオケに行った暁には齢若干22にしてアマゾンライダーが歌えそうです!…ぎゃろろんぎゃろろん。

この時期、大学4回生は驚異の追い込みをかけられております。その名も卒論。&バイト&研修でめたるの身体&精神状態はかなりキッツキツです。母上曰く「いつ倒れるかわからん」そうです!エマージェンシーです!赤いランプがピコンピコン鳴ってます!

ちなみに現在の予定を一つ。
8日(木)…現在徹夜中〜昼過ぎから2時間かけて京都へ〜夕方4時半に卒業アルバムの写真撮影〜合間に教職の免許申請〜6時半から授業〜授業後教授と面談〜11時過ぎに帰宅
9日(金)…朝7時に起床〜8時45分から16時まで役所のアルバイト〜電車に飛び乗り一路大阪へ〜夜17時45分から20時45分まで研修〜1時間半かけて帰宅
10日(土)、11日(日)…一応休み。もっとも卒論でダメ出しされるのはもはや確定なので休みかどうかはヒッジョーに怪しいが。
12日(月)…朝7時に起床〜8時45分から16時まで役所のアルバイト〜電車に飛び乗り一路大阪へ〜夜17時45分から20時45分まで研修〜1時間半かけて帰宅
13日(火)…朝7時に起床〜8時45分から17時15分まで役所のアルバイト〜電車に飛び乗り一路京都の大学へ〜教職の免許申請〜おそらく22時頃に帰宅
14日(水)…朝7時に起床〜8時45分から17時15分まで役所のアルバイト〜18時過ぎに帰宅
15日(木)…朝7時に起床〜8時45分から17時15分まで役所のアルバイト〜18時過ぎに帰宅
…なんなんでしょう、この異様な過密スケジュールは。9時5時のアルバイトが休みに見えます、休みに。

しかもバイトが15日に終わっても、卒論に追われ片道2時間半を毎日通わねばならないという恐怖の状況が。学生なのに、体力は人一倍ないのに、大丈夫か、自分。

公務員は意外とワガママ。(11月9日:金)
 連日の睡眠不足と過労と風邪で頭はガンガン足元はフラフラのめたるですこんばんは。でもウィルスをバイトのおばさま方に撒き散らしたらちょっとスッキリしました。あの密閉された空間ではオレのウィルスは面白いように充満したと思います。…もし月曜日、皆さんがどーにかなったらそれはオレの責任です。(笑顔で)

さて、基本的に仕事に関してはどっちかっつーと自分から動く(?)めたるですが、そんなめたるにも苦手な仕事があります。

それはお茶を淹れることです。

それというのも

以前マエストロ埴輪(仮名)さんに

マイカップの件で怒られて以来

お茶をいれるのに自信が持てなくなってしまったのです。


(…つか入って2ヶ月目の短期バイト娘に職員さんのマイカップが見分けられると思うなコラ。)


そうです、マイカップですマイカップ。無論総務課には客人用に出す湯呑みもコーヒーカップも存在します。それなのに彼等はマイカップを使うのです。ええマイカップを。しかも家から持参です。他の人が使うのは許せないようです。しかもクジラとかあります。カワイイです。

また強烈な個性を放つ彼等は、お茶の好みにもちとうるさいのです。ひとたび満面の笑顔で「お茶淹れますけど、皆さんは何にされますか?」と聞こうものなら
・「ブラックのアメリカンで」だの
・「紅茶で砂糖半分」だの
・「コーヒー、ミルクのみ」だの
・「渋いお茶が飲みたい」だの
慣れない人間なら「大人しく茶ァ飲んどけやゴルァ☆」と叫びたくなること間違いナシです。仏心を出すと痛い目見ます。…つかオレです。

だからめたるさんはお茶に関しては冬眠中のリスのようにジッと耐えるのみなのです。…ええ、たとえ今自分が死ぬほど喉が渇いてて今無性にお茶を飲みたかったとしても。(笑)

親善スポーツも大変だ。(11月9日:金)
親父は「飲まなくなると体調が悪い」で、母親は「食べなくなると体調が悪い」というとっても分かりやすいバロメータを持っているため家庭は割と円満なメタル三太郎ですこんばんは。私は食べるのも飲むのにもあんまり興味がないクチなので、家族の中では唯一バロメータはわかりかねますが。自分の中では「視界が狭くなったら体調が悪い」って感じだと思い込んでおります。そもそもそこまで行ったらもはや危険状態ですが。あはん。

この日はサッカーがあるということで、総務課の人間は軒並み駆り出されておりました。サッカーですサッカー。どこぞのグラウンドまで貸し切っちゃって、か〜な〜り本格的です。体育会系のおじさまなんて出社時から半袖Tシャツにジャージと気合バリバリです。もはや入れ過ぎの域です。

「ほへぇ〜」なんて思いながら見ていると、最近ちょくちょく総務課で見かける凪(仮名)さんがマエストロ埴輪(仮名)さんの所にやって来ました。二人は年齢も近いせいか仲良しらしく、親しげに話しております。
凪(仮名):「今日、サッカーですよね!マエストロ埴輪(仮名)さんも出られるんですか?」
マエストロ:「あ、うん。そうだね」
凪(仮名):「早めにウォーミングアップしといた方がいいですよ!次の日筋肉痛になりますから!
マエストロ:「……い、いる?(汗)」
……微妙に納得。そして一通り喋り終わった後、ウォーミングアップのつもりか、腕を振り回しながら所定の位置に戻る凪(仮名)さん。いつも元気一杯です、この人。

それを見ていたおばさまがマエストロ埴輪(仮名)さんに話し掛ける。
おばさま:「めちゃくちゃ張り切ってるわね、凪(仮名)さん」
マエストロさん:「まあ、彼はスポーツ好きみたいですから」
おばさま:「あの人、昼休み2,3人でこちょこちょっとサッカーの練習してたわよね〜。窓から見てたわよ
見てたんかい、アンタ。相変わらずおばさま情報量は恐ろしいものがあります。
おばさま:「あの人、本当スポーツ好きよね。いつも走ってるし」
マエストロさん:「は?…いや、彼最近走ってないですよ」
おばさま:「え!? だって、前昼休みに倉庫の周り走ってたの見たわよ」
マエストロさん:「ああ、あれ。あれはソフトボールの時ですよ」
…そんなにあるんか、親善スポーツ。つーか公務員ってみんなこんな人ばっかりですか。


しかし何よりも驚いたのがマエストロ埴輪(仮名)さんも人数が足りないので駆り出されてしまったこと。オイオ〜イ、統計の方はどうなるんだよというのも無論ありましたが、それよりもマエストロ埴輪(仮名)さんはどちらかというとスポーツには縁の無さそうなお方、まあ身も蓋もなく言ってしまうとこの人、生粋の天然モヤシッ子☆なんですが。サッカーなんて激しいスポーツについて行けるんでしょうか、このか弱そうな身体で。

とにかく時間ということで仕事場に向かうオレとおばさまたち。勿論話題はマエストロ埴輪(仮名)さんのこと。
おばさまA:「大丈夫なのかしらね、マエストロ埴輪(仮名)さん」
おばさまB:「うん。あの人、どちらかというとスポーツには向いてなさそうだから…」
おばさまA:「どっちかというと文化系よね」
おばさまB:「新聞部とかかしら〜」
おばさまA:「あっ、わかるわかる〜」
めたる:「…そんな、新聞部なんて陰気な部に入れたらマエストロ埴輪(仮名)さんが可哀想ですよ!」
…人でなし扱いされた。

なんで!? だって新聞部ってオタクの巣窟じゃないの!?(偏見)

結局、忙しいのと総務課に誰もいなくなったら困るということで、マエストロ埴輪(仮名)さんはサッカーを免除されました。満面の笑顔を浮かべて会議室に入ってきた彼の姿をオレは一生忘れないと思います。それはもう、オレと話してる時にちょくちょく浮かべる時以上の会心の一撃級の満面の笑顔でしたから。(笑)

無理が祟ると。(11月10日:土)
最近朝7時起床の癖がすっかり身についてしまい以前なら午後1時まで惰眠を貪っていた休日がすっかり朝10時起床になってしまったメタル三太郎ですこんばんは。結局寝直すんですけど。でも休日でもきちんと3食摂るようになったので母上は喜んでおります。

現在統計調査のアルバイトをしているメタルですが、現在行っている統計調査は「事業所統計調査」という、総務省が5年に一度全ての事業所や店舗を対象にして行われる統計調査です。これを総務省の指示に従い(要するに手引き見ながら)区分けするのですが、暫定的に項目が増やされるので(まああんだけ項目がありゃ分類するのも大変でしょうが)時には「は?」と言いたくなる様な珍妙な分類が登場します。

えー…と、たとえばですね…これによると

健康機器はスポーツ用品に分類されます。


なんで!なんで!あんなアヤシゲな機械が剣道とかのスポーツ用品と同じ区分なのさ!確かにアレはスポーツになるかも知んないけど!いや色んな意味で間違ってるだろそれは。
そんな事を言っちゃうから胡散臭い健康通信販売が全部健全な雰囲気漂うスポーツ用品店になっちゃうんですね。キャ☆

後、みなさんは「とんかつ」にどんなイメージを抱かれますか?そうですそうです、よく和○などで出てくるキャベツを添えたあのフライです。じゃあ、日本料理でしょうか?でもたまに洋食屋さんでも出てきますよね。じゃあ西洋料理でしょうか?それとも中華料理?焼肉屋?それともお好み焼き屋?(この分類は本当に存在します(笑))

では、この時のお助けアイテム!「業種別索引」!このタウンページ並に振り下ろせば撲殺確定の破壊力のある重量級武器がオレの武器だ!ぱらぱらぱぱぱ…←ページをめくる音


日本料理。


「おめでとうとんかつ!君は総務省に日本料理と認定されたよ!」

やったね!これで大手を振って外を歩けるねとんかつ!とんかつ店は全部日本料理店なんだね!和○もK○Kも全部全部日本料理と聞いて外国人が考えるスシやサシミを出す店と同じ日本料理店に分類されるんだね!…ってなんか違わねぇか、オイ。

でもこれが焼き鳥店だと「酒場・ビヤホール」に認定されちゃうんですよね。ふしぎふしぎ。

妖精さんの仕業か、コレは。(11月12日:月)
宮部みゆきの「ドリームバスター」というファンタジー小説に「マエストロ」の単語が登場してビックリしている今日この頃です。や、ウチのマエストロ埴輪(仮名)さんはあんなスキンヘッドのツルツル親父じゃないですが!むしろどっちかっつーと天然モヤシッ子☆なんですが!
来たるべくして来た感のある宮部みゆきファンタジー小説デビューですが、少なくともオレには普通に読めそうにありません。どうも単語のイメージが強すぎて。(笑)

事業所統計調査のアルバイトといっても、事務所や店舗が記入した調査書を見、その事業形態に応じてコード番号を割り振っていくのがオレたちの仕事なんですが、なかなか相手側もよく分かっていない部分が多く、不備の調査書が結構あります。まあ、これは調査員の腕が悪いっつーのもありますが。

この場合、アルバイトであるオレたちには手に負えないことが多いので、直属の上司であるマエストロ埴輪(仮名)さんの指示を仰ぎ、場合によってはマエストロ埴輪(仮名)さん本人がその事務所に電話して確かめることもあります。

例えば、どんなのが調査の対象になるかというと…
★例1:靴の内職→ケミカルシューズの加工と革靴の加工では全くコード番号が違う上にオレの地域は靴産業が割と盛んなのでとにかく数が多い
★例2:建設業→土木工事と建築工事では全く別のコードが割り振られる上に建築工事だと鉄筋建築と木造建築ではまた違うし大工工事とか左官工事とかでシロウトのオレには分からん職業が多くて建設業は死ぬほどややこしい
★例3:不動産業→仲介と賃貸業では全く違う上に、賃貸業(自社ビルとか)だとしても店舗・事業所を貸すか、住宅(賃貸アパート)では全く違う。またこれも数が多い
★例4:金属加工業→だから何の金属を何の目的で加工してるかわからんっての。それは建築材料ですかそれとも産業機械ですか。後「精密機械」と書かれても同上。それが時計かPC部品かそれだけじゃわかんねーよ!

…とのように、「靴加工・建設・不動産・金属加工」は四大疫病神と言われ激しくオレ達に忌避されていたのである。コイツらが調査票の間から出て来る度にマエストロ埴輪(仮名)さんに泣きそうな目をしながら訴えたものである。

しかしこれが不思議なもので、横でマエストロ埴輪(仮名)さんが横で仕事をしている場合、この不具合がほとんど起こらないのである。そして彼が席を外した瞬間、まるでこの時を待ち構えていたかのように不具合がぽこぽこぽこぽこ沸いて出て「ま、マエストロさ〜ん…(ぐしっ)」となることもしばしば。

一度マエストロ埴輪(仮名)さんが出て行った瞬間「靴加工」が10個連続で現れた時は本気で眩暈を起こしかけたもんである。しかもこういう時に限ってマエストロ埴輪(仮名)さんがなかなか帰って来ない。どうやら向こうで捕まったか他の作業に手間取っているらしい。

やっと会議室に来たマエストロ埴輪(仮名)さんに切実な顔で訴えるめたる。
めたる:「あ、マエストロ埴輪(仮名)さん!やっと来てくれましたね〜。これ…靴ばっかりなんですけど!10枚以上ありますが…」
マエストロさん:「ふ〜ん…(書類に目を通しながら)」
めたる:「(びくびくびくびく)」
マエストロさん:「…ここの調査員、誰?(無表情)
めたる:「(滝汗)えっと…(がさがさ)あ、ありました。○○さんです」
マエストロさん:「ああ、あの人。やっぱり。だからこんな不具合が…(ぶつぶつ)」

この調査員の次回の運命が決まったその瞬間だった。
(つまり調査員失格の烙印を押され次回からは声がかからない)


ちなみにこのマエストロ埴輪(仮名)さん、普段は大人しくてイイ人なのだが、一度調査票をきちんと持って来ないいい加減な人がいた際さすがにキレたらしく、普通はやらないであろう調査員名簿から名前の抹消を行ったスゲェ人である。(こういうのは一度登録すると次回から声がかかる。ま、一種の派遣登録だと思って下され)
アレか、普段大人しい人ほど怒らせると怖いってことですか。ぶるぶる。

自分の保身のために男を作りたい今日この頃。(11月13日:火)
最近研修に行ってエクセルとかワードの講習を受けるのですが、必ず何らかのトラブルが起き必ず指示からワンテンポ遅れるメタル三太郎ですこんばんは。だからエクセルのグラフが全ッ然理解できてませんアハハハハハハ(空笑)。…入社後が心配です、色んな意味で。

この日も会議室にておばさまと統計の作業を行っておりました。

職員さんの目が届かないのをいいことに、他愛もないお喋りをしながら作業をするのですが「や〜オレ今年のクリスマスも寂しいものになりそうですよハハハ」な会話をおばさまと交わしていた時のことです。
おばさま:「ねぇ、めたるさんって女の子に興味あるの?
めたる:「………は?(汗)」
あまりのことに硬直するめたる。これまで数限りない疑いをかけられたことはあってもまさか職場でまでこんなことを言われるとは思いも寄らなかったのである。

や、まだね下ネタバースト選挙の裏側Part2のおまけを参照)のおばさまならまだわかるんですよ!だけどね、これをおっしゃったおばさまは下ネタバーストのおばさまと違って普段とっても大人しい、笑顔の素敵な奥様なんですよ!そんな事言うなんて全然考えもつかない人なんですよ!
めたる:「…や、私、普通に男好きなんですけど!(滝汗)」
どうやらめたるレズ疑惑は大学の友人の間だけでなく公然のモノになっているようです。

えっと……。(11月14日:水)
「私って大人しいですよね〜」とバイトのおばさまに言った所、その場にいた全員に「それはない」と全員に突っ込まれたメタル三太郎ですこんばんは。「だってめたるさん、合コンで男殴ったんでしょ?」…確かにそれは事実だしあれは相手が悪いんですが、お願いだから職員さんの前ではバラさないでおばさま〜!ここの職員さん、親父の知り合いがいるんで即刻ウチの父親にバレます〜ッ!(汗)

その日も仕事を終え、疲れためたるは一つ伸びをしました。秋も深まってきたせいか、夕方5時を過ぎると外は暗くなります。
めたる:「う〜ん、明日でバイトも終わりですね〜」
マエストロさん:「…泣かないように。
は?泣く?なんで?と思っためたる。そこにおばさまが首を突っ込んでくる。
おばさま:「めたるさんが寂しがるの?」
めたる:「………へ?…なんで泣くんですか?(目ぱちぱち)」
きょとんとするめたるをよそに、何かに気付いたのかニヤリと笑うおばさま。
おばさま:「ああ、そっか。マエストロ埴輪(仮名)さんが寂しがるのね。めたるさんに会えなくて」
とのおばさまの言葉に振り返ってみると

ものすごい狼狽たえている
マエストロ埴輪(仮名)さんの姿がありました。
…………
…………
…………
……えーっと、お兄さん?(汗)

微妙に突っ込めなかったのもまた事実だ。(11月15日:木)
 友達にデートを申し込まれたり大学に行って久々の逢瀬を楽しんだりと最近やけにモテモテvのメタル三太郎ですこんばんは。や、相手は全員女性なんですけどネ!や、これはあくまでネタなので実は云々とかいうことはサッパリありませんので!みんな普通に彼氏とかいますし!や、私普通に男の方が好きなんですけど!(爆)
 …というわけでクリスマス寂しいとかうんぬんよりも自分の無実を晴らすために男が欲しい今日この頃です。(笑)

この日はバイトの最終日。これで辛く苦しかった(オレ的に)9時5時の生活ともオサラバです。

しかし、ここに来て異常事態発生。始業時間が近いというのにマエストロ埴輪(仮名)さんが来ないのです。

いつもなら少なくとも5分前には出社し、パソコンに向かってタッチタイピング等をしているのがこの人の日課なのですが。何せ直接の上司である彼が来ないと仕事ができないので皆さん困り顔です。
「…今日で終わりやから寂しくて眠れなかったとか
というおばさまの戯言は軽くムシしてひたすらマエストロ埴輪(仮名)さんを待つオレたちアルバイト。しかしなかなか来ません。来なかったら今日の仕事は一体どうなるのでしょうか。しかも今日は本庁への書類提出日です。生真面目なあの人が来ない訳はないのですが…。

あっ、ようやく始業時間ギリギリになってマエストロ埴輪(仮名)さんが来ました。いつも早く出社する彼にしては珍しいことです。

今日のマエストロ埴輪(仮名)さんはいつもの如くきちんとアイロンを当てた紺のスーツの三つ揃えに肩から提げた黒の四角いショルダーバッグ。いかにも社会人といったいでたちです。
ただそのショルダーバッグの提げ方が

26歳、よーちえんがけ。

であることを除けば。

もはやオレを笑かすために存在してるとしか思えません。

おまけ:ごめんね、マエストロ埴輪(仮名)さん。

事業所統計調査のアルバイトと一口に言っても、オレたちの仕事は事務所や店舗が記入した調査書を見てその事業形態に応じてコード番号を割り振っていくのが主な仕事なんですが、なかなか相手側も記入の仕方がよく分かっていない部分が多く、不備の調査書が結構あります。…まあ、これは調査員の腕が悪いっつーのもありますが。(ぼそ)

この場合、アルバイトであるオレたちには手に負えないことが多いので、直属の上司であるマエストロ埴輪(仮名)さんの指示を仰ぎ、場合によってはマエストロ埴輪(仮名)さん本人がその事務所に電話して確かめることもあります。

またこの調査書、単独事務所とか本社(要するに前者と違い支店持ちね)とか支社とかによって表面で終わるか裏面に続くかと書く事が多少増減します。で、本社だと資本金とか書かなくちゃいけないので脱税でもしとんのか貴方達と思うほどに拒否する人が結構多いのです。だから上手く行く事も多いのですが、交渉に難航、時には失敗という事も多々有ります。

例えば、確認作業の際見つけたその一枚。どうやら不動産関係なんですが、裏面を記入していないのに拒否扱いになっていません。

困っためたるは、マエストロ埴輪(仮名)さんに調査票を渡し、彼が当事者に電話をかけてくれることになりました。

後で聞いたのですが、ここの人はどこそこの郷士の次男か三男とかで、遺産相続に負けて当時は金にもならない山を相続したそうですが、バブルの絶頂期に市がニュータウン開発のためにその土地を高額で買い取ったため、現在では働かなくてもいい程の金が唸りまくる土地成金だったのです。しかも某スジの情報によると金に汚い上にどうも上手い事言って脱税してるらしい(あまりにアレな情報なので伏字)とのこと。事前にこの情報を知っていたら、マエストロ埴輪(仮名)さんをみすみす窮地に追い込むことはなかったのですが…。

オレの渡した調査票を元に、電話をかけるマエストロ埴輪(仮名)さん。その直後交わされた会話は、どう贔屓目に見ても友好的とは思われない不穏な状況であった。そしてしばらくの押し問答の末、突然黙り込むマエストロ埴輪(仮名)さん。しばらくの沈黙の後、力一杯受話器を叩きつけるマエストロ埴輪(仮名)さん。

首を竦めて怯えるオレに、テクテクと歩いてきたマエストロ埴輪(仮名)さんはニッコリ笑ってこう言いました。
マエストロさん:「どうもここの人公務員を目の仇にしてる人らしくて、文句ばっかり言う割に全然話通じんから黙り込んだった。
         そしたら向こうが電話切ったからこっちも切ってやったよ。(笑顔)」
それ完全負けてますお兄さん。つーかソレ満面の笑顔で言うコトじゃないし!


しかもその後も気付かずにめたるさん、マエストロ埴輪(仮名)さんにこんな感じの電話とかヤバそうな事務所何回も電話をかけさせてしまったため、


「アンタ、あんな生真面目な人を怖い目に合わせ過ぎるなんて人でなしね」 とおばさまの間で大評判でした。

ごめんね、お兄さん。貴方を困らそうなんてそんな気はこれっぽっちもなかったのよ。てへっ←この辺が人でなし


【後書きにかえて】

今回はマエストロ埴輪(仮名)さんの指揮の元、参加した統計のアルバイトですが、付き合いが長くなるにつれて仲良くなったり不協和音が鳴ったりと改めて人間関係の奥深さを知ったメタル三太郎ですこんにちは。
 まあこんな風に色々書いてますが、ここに書かれている事柄は多少の誇張はあるにせよ99%の事実で書かれてます。そして当たり前ですがマエストロ埴輪(仮名)さんの許可は取ってません。っていうかバレたら即刻閉鎖&切腹したくなる衝動に駆られる事請け合いです。…それでなくともこういう記事を書く事自体がヤバイのに。や、マエストロ埴輪(仮名)さん自身は頭ナデナデしたくなる程カワイイからそういう意味では好きなんですが(アンタ年上に対してなんつーことを)。
 他に仕事としては領収書書いたり書類の枚数数えたりエクセルで書類を作るのにデータを作成するマエストロ埴輪(仮名)さんの横に座って打ち込むデータを自慢のせくすぃアナウンス声(?)で読み上げたりと事務処理が多かったんですが、その割に給料はおいしかったです。(しかしこの美声モード中係長が落ち着かなげにウロウロしてたのはどーゆーことじゃ。そんなエロ臭かったかオレの声は。…何考えとんねんこのオッサン。)
 後「とんかつ」の件でも取り上げたのですが、調査票のコード書きは、暫定的に項目を補充していくせいかコレ以外にも全く理解できない分類があります。例えば…
・CDショップ:楽器販売店
・ファーストフード:店内飲食かテイクアウトが多いかで小売店か飲食店に分類
どっちも早く専門の項目作れよとか思った今日この頃。

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