コードウェル城奇談をプレイするときの注意点

The Clearing of Castle Caldwell

この短編には何人かの NPC が登場しますが,彼らに関する説明がほとんど記されていないので,DM は名前や出身地,城に滞在している理由,滞在期限などを設定しておくべきでしょう。NPC の中に盗賊団がいますが,彼らはたくさん宝を持っているので,なるべくガラの悪い NPC を演じて,うまく戦闘に持ち込んでください。キャラクターが彼らから宝をだまし取れるほど賢ければ別ですが。

台所にある罠のかかった箱については,低レベルシーフが罠解除に成功する確率が低いことと罠解除に失敗すると罠が作動することを思い出させて,なるべくファイターかドワーフが開けるようにしましょう。箱も価値があるため,DM 側から「革細工」技能を持つ PC に働きかけるなどしてなるべく持ち出させるようにしましょう。

Dungeons of Terror

この短編をプレイする際もっとも大きな問題となるのが水,食料,それに明かりです。プレイヤーは,まさかダンジョン内に閉じ込められることになるとは考えていないはずなので,せいぜい 2,3 日ぶんの食料しか持っていかないでしょう。そこで,ダンジョン内の NPC の居室に何日分かの食料と明かりを配置する必要があります。そもそも彼らがそう頻繁に街に買い物に行っているわけはないので,本来ならそれなりの量の食料が貯えられているはずです。

もしも賢い PC が「落し戸につっかい棒をして閉まらないようにする」と言い出した場合は,こっそりデクスタリティチェックを行うふりをして,失敗したことにしてしまい「いきなり戸が閉まったよ。うまく固定できなかったみたいだね」と言ってやりましょう。

いきなり出現するドッペルゲンガーにはどの DM も頭を悩ませることと思います。「宝を山分け」ではローフル PC がほいほいついてくるはずがありません。デミヒューマンを誘い出すときには「人間は嫌いだ」,魔法使いを誘うときには「エルフには聞かせたくない」,それでもだめなら「実はあの中に俺の親父を殺したやつがいる」とでも言って 2 人きりになりましょう。とにかくここは難所です。DM の力量が試されます。あっさり正体がばれないように,そしてパーティが全滅しないように,うまくドッペルゲンガーを操ってください。

テレポーターについてですが,閉鎖空間のスイッチ・コフィンを開けたまま飾り棚の部屋に全員が戻ってしまうと,2 度と閉鎖空間に戻れなくなってしまいます。この場合「飾り棚の部屋の鍵をもう 1 度閉めると装置が初期化される」などの設定を付け加えてください。

The Abduction of Princess Sylvia

実はまだプレイしたことがありません。ごめんなさい。でも一見何の変哲もないシナリオに見えます。注意すべきは,マジック・ユーザーの強さ(というよりダイス目)の調整でしょうか。

The Great Escape

大事なのは,どの時間にどこに誰がいるかをしっかりと把握しておくことです。それができればこの短編をプレイするのはそれほど難しくはないでしょう。基地のまわりの地形については何も書いてありませんが,見通しを悪くしておいたほうが逃げるのは容易になるでしょう。さらに,厩舎に馬をつないでおくなどすれば脱出後の旅も楽になるでしょう。装備を取り戻せなかったときなどは,この馬を売って装備を買いなおすこともできます。

The Sanctuary of Elwyn the Ardent

とにかくモンスターが強力です。6 人のアコライト,リビング・スタチュー(ロック),ブラック・ドラゴン,2 体のガーゴイルとシャドー,そしてエルウィン。途中で手に入れるマジック・アイテムを駆使しないかぎりベーシック・レベルのパーティに勝ち目はないでしょう。この短編で「アイテムは使うためにある」ことをしっかり教え込んでください。


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