第5章
「野獣狩るとき」

「うっはははははは!あんたのさっきのファイトみたぜ!!」
竜彦のうしろからやせ細った男が声をかけた。
「なんだきさまは!!おれをサツにつきだすきか!!」
「そんなことはしませんよ!!じつは・・・」
おとこはもじもじとしながらこうつづけた。
「あんたにたおしてもらいたいやつがいるんだ」
「つええのか?そいつは?」
「とても。」
「いくらだしてくれるんだ?」
「じゅっ、15万ドルだそう!!」
竜彦はだまってうなづいた。
そしてふたりは黙々とあるいていった。
何日歩いただろうか、二人は目的地であるカナダへついた。
「ずいぶんあるいたな。」
「つかれましたか?竜彦はん。」
「いや、で、てきはどこにいるんだ?」
「このやまのおくに・・・」
「ってことは・・・・にんげんじゃねぇな。」
「へっへへへ、おさっしのとうりで。」
うすらわらいをうかべながら男は話をつづけた。
「あんた、くまはころせるかい?」

第6章に続く