連続バイオレンス小説「六本木ドラゴン・東京無法地帯」
第一話「野獣目ざむ刻」

男の心は渇いていた。
「退屈な仕事だ。」
昼下がりのデパートで男は愚痴っぽくそうつぶやいた男の名は坂本竜彦。彼はいま、このデパートで警備員をしている。だがその仕事は彼の本意ではなかった。なぜなら彼は用心棒(自称)だからである。彼は血生臭い日常をもとめて用心棒になったのである。しかし、そこには彼の求めている闘いの匂いはなかったのである。
「たまにはやじゅうになりてえ。」
彼は飢えた虎のような眼で職場である化粧品売り場をうろついた。そこに茶髪の女子高生が店内にはいってきた。そしてその女子高生は口紅をてにとり、それをポケットにいれたのである。それをみた竜彦箱庫ぞとばかりにその女子高生におそいかかった。
「どぉりゃああああああああああああああああ!!」
そうさけびながら、女子高生の顔面をけり、顔面を殴打し、そのまま軽々と店外にほうりなげたのである。そしてかれはこう叫んだ
「オレガマケルトオモッタヤツ、クタバレ!!」
一時間後、彼は重役室によびだされた。
「君、暴力沙汰はやめてくれないかね。」
あきらかに窓際族とおもわれるその重役は不機嫌な顔でそう言った。
「あの雌猫はおれの中の獣の目をさましたんだ。やつがわるいんだ。」<
竜彦は平然とそういった。
「君はくびだ。すぐにかえりたまえ。」
馬鹿とはつきあってられないといった表情で窓際はそそくさとへやをさっていった。
一人残された竜彦はそそくさと部屋を出ようとした。
そのとき・・・
だい2しょうにつづく