【第11次バス釣り対戦(2/4)】


●【第2ラウンド:漆黒の闇の中】

 コンビニで休憩を取った後、地形的に風裏のありそうな「竹原ダム」 へ移動することにした。’95年と’99年の夏の大戦に使用したことがあるので、ある程度地形は把握していたが、 釣果はボロボロ(’95年に1匹、’99年に2匹)であったので、不安ではあった。

 「竹原ダム」は例年に比べると水量が多く、釣り易そうに思えた。午前2時過ぎに第2ラウンドの開始となった。

 開始早々、上流域へ向かった。確か上流に深くえぐれたワンドがあったはずだ。あそこなら風裏になっているかもしれない。 岸際のポイントへ「ニップ・アイ・ディディー(スイッシャー)」をキャストしながら せっせと進んで行った。

 途中、’95年の釣行でどんちゃんが40UPを釣ったポイントを通った。あの時は外灯があったので、暗い内でも 釣り易かったはずだ…しかし、今回当てにしていた外灯は、故障か寿命か消えたままで周囲は真っ暗であった… (補充もしてくれないのか、この辺は!)

 気を取り直して更に上流にあるワンドを目指して進んだ…ら、キャストしようとしていたシャローエリアの岸から

4つの赤い目がこっちを見ていた!(ガビーン!)

 目の主は私の存在に気づいたのか、私の動きをロックオンするように追っかけてくる。目の位置から、 親子連れの動物であることが判断できた。

 30秒ほど見合ったであろうか…。睨み合いに耐えられなくなった私はシャローエリアへ「ニップ・アイ・ディディー」を キャストした…途端、凄い勢いで4つの目は視界から消え、目の主達は「ガサガサガサッ!」 と草木を掻き分け、山の奥へ消えていった。

「キョ〜ン!」と馴染みの声が逃げた先から聞こえてきた。どうやら鹿であったようだ。 しかし、この「キョ〜ン!」という声が呼応するようにあちこちから聞こえてくるではないか! ここへ来て心臓がバクバクし、冷や汗が噴き出してきた。

 5分程かけて気を静めた後、ようやくワンドの入り口へ辿り着いた。ここは両岸から木々が生い茂っているので、 ワンドの外からプラグを送り込めそうにない。接近してサイドキャストかな…と、進んでいったら…

ワンドの奥から2つの目がこちらを見ているではないか!(ガビーン!)

 どうやら至るところに鹿さん達が水を飲みに降りて来ているようだ。すっかり怖気づいてワンドから離れた。 しかし、沖は風道になっているのか、ごうごうと吹き荒んでいる。この時点でかなりモチベーションを下げていたので、 風に吹かれるままエントリーポイント付近まで流されて行った。

 「きゃー、来たー!」と行く先からさなの声が! 「来たんか〜?」と聞いてみると、「来た来た〜釣れたよお〜!」 と闇の向こうから嬉しそうな声が返ってきた。

 ようやく「ホームページの絵」が撮れそうであるので、さなに少し待ってもらい写真を撮らせてもらった。 ヒットルアーは「ジッターバグ(ノイジー)」で、彼女のお気に入りプラグだそうな。

さなの一匹目!
さな、一匹目をゲット!

 しかし、釣れたバスのサイズを見て「小っせえ〜(失礼!)」と感じた。 なるほど、これでは大型プラグには出ないはずだ。ここは小さ目のプラグに換えた方が賢明と判断し、 夜が明けた後にと用意していた小型プラグ専用ボックスを手に取った。

 問題は、大型プラグ用のタックル(ABU5000とザウルスフィリプソン) でこれらの小型プラグをキャストできるか…だ。小型プラグ用のタックル(メタニウム&TD601) も持って来てはいたのだが、不精して車に残してきたのだ。

 しばらく練習してみたが、やはり上手いことロッドにプラグの重みが乗せられない。水面を叩くような着水、毎回のバックラッシュ。 これでは釣れる魚も釣れなくなる…かといって今更車にも戻れない。この時間帯は釣果を求めず、即興のキャスト練習&キャスコンの調整に徹した。

 ようやく勘がつかめてきたころ、東の空がうっすらと明るくなってきた。ヤバイ、この時間までノーフィッシュ、ノーバイトだ。 下手したら今日はホゲリかもしれない。さなが1匹釣っているので現時点で「入れ替え」 られるのは免れない。今日だけはホゲられないのだ!

 本気モードで小さなワンドへ入った。もうすっかり周囲に視界が利くほど明るくなっている。まあ、キャストはし易くなった。 「バニー54(ライブリー)」を岸際へ送り込む。山なり気味に送り込めば飛距離は稼げる。

 「バシャッ!」と「バニー」の脇で水柱が上がった、しかし乗っていない。 焦らずアクションを続ける。ようやく反応があった。絶対ここで一本獲ってやる。ボルテージが次第に上がっていく。

 「ズン!」アクション開始直後、水中に入った「バニー」をひったくるようなアタリが! 大アワセをくれてやり、ジャンプさせないよう注意して寄せていたのだが、制御しきれず「バシャッ…」 とジャンプされたと同時に「バニー」とバスが分かれて鮮やかに宙を舞った。(一瞬、見とれてしまいました(笑))

 しかし、ここでメゲている場合ではない。どうやら子バス達のフィーディングタイムに入っているようだ。 経験上、この時間はそんなに長く続くものでは無いはずなので、ここで数を稼ぐべくキャストを繰り返した。

 「バシャ…」枝が沈んでいるシャローをただ引きしていたら、良い感じでアタリがあった。 今度こそ!と、有無を言わせず寄せて、一気にフローターのエプロンへ乗せた。

Bunny's Get!
やっと一匹目が釣れました!

 「や、やった…やったぞ。」小さく呟いた。サイズは30cm前後とあまり大きくなかったが、 貴重な一匹である。しかし、ここで気を抜くわけにいかない。今は大戦中なのだ。こうしている間にも皆ガンガン釣っているかもしれないのだ。 プラグをライブリーからポッパーへ換えようと「POP−X」を結んだ。

 「バシュッ!」移動中に岸際へキャストした時、着水直後に「POP−X」は水中に没したが、 残念ながらすっぽ抜けてしまった。そのまま枝にかかってしまったが、ポイントを潰したくないので、ラインを切り、枝に放置したまま 「S−8ポッパー」へ交換し、 攻めつづけた。ここは何としても2匹目が欲しい展開なので「POP−X」を置いて次のワンドへ急いだ。 (帰りに回収すれば良い)

 待望の2匹目は、次のワンドの奥の奥へキャストが決まった後のワンアクション時であった。 「よっしゃ…」喜びに小さなガッツポーズが出る。 サイズは小さかったが、それは問題ではない。狙って…欲しい時に釣れた、いや釣ったのだ。ボルテージは最高潮であった。

 3本目は「ファットサムJr.(ペンシル)」であった。一度ハンドメイドペンシルに換えたが、 まるで反応が無いので既成品に換えてみたらすぐに反応があった。(山岡さん、恐れ入りました) この1本は、アクションを小さく小〜さくと心がけ、誘ったら、思惑通りヒットしたので、 もう気分は最高であった。行く先にはまだまだワンドが見えている。勝負はこれからだ!

【続く】

メンバー/ラウンド 1st 2nd Total 備 考
ケンちゃん  
どんちゃん  
お松  
タク 暫定1位
さな 暫定2位
※ メンバーの順は前回大戦結果となっている。
※ ラウンドのポイントはバスを釣ったプラグの個数。