【第3次バス釣り大戦】2/2


 次に紹介されたポイントは、ダム湖の周辺を走る道路脇に車を停め、ガード レールの内側からキャストするという、なんとも変わった場所であった。 しかし、流れ込みや、木の生え方等の好条件が揃っているので、ポイントと しては、「良さげ」であった。

 お松は、ガードレール下の岸沿いに沿って探り、私は流れ込み周辺のゴミ溜り を探ることにした。ゴミ溜りの中でスライディングするプラグを使うと、ゴミを 不用意に拾ってしまうので、ゴミのポケットの中で「オジギアクション」を させることを狙い、「レッドペッパーJr」を選択した。何度かトライしていたが、 「ここは少し浅いかな…?」と思うような ポイントで2〜3回オジギさせ、ポーズを取っていたら、不意に 「スポ」とプラグがゴミの中へ吸い込まれた。 軽くアワセると、結構良い引きが伝わって来た!

 上がってきたのは30cm程のバスで、サイズの割には楽しませてくれた。 お松は…と見ると、 「いつも釣れるはずのポイントにバスが付いてへん…」 とボヤキながらペンシルをスライドさせている。しかし、お松のペンシル操作は 驚くほど上達している。まるでヘビが泳いでいるような引き波を立ててペンシルが 進んでいる。

 その直後、オーバーハングした木のシェード付近にポーズさせていた私のプラグに バスが寄って来るのが見えた。プラグのすぐ下でじっと見ている。 「来い!」と私、 「来るな〜」とお松。

「パシャッ」と音が…バスがアタックした! しかし、無情にもプラグは水中に消えることなくプカプカと漂っていた。 もう一回と、同じポイント…というか、もう少し際どいポイントを狙ってキャスト したが、力んでしまい、枝に直撃!枝と引っ張り合いとなってしまった。

 何度か引っ張っているうちに「バサッ」という音と共に外れたのはよかった のだが、伸びたナイロンラインの反動で、スゴイ勢いで足元のコンクリートへ 直撃!哀れにも真っ二つに折れてしまった…。 「さらばレッドペッパーJr…」(合掌)

 泣く泣く移動。ここで、車を道路脇に止め、仮眠をとることにした。なんせ 夜通し遊んでからの釣行なので、さすがに30を過ぎた体には少々キツいものが あった。2時間ほど爆睡…。

 昼前に起きたのだが…相変わらず風は強く吹き続いている。雨は上がっていた ので釣りはできるのだが…風の影響を受けにくいポイントを探さねばならない…。 お松の指示に従い、ダムから溜池をラン&ガンしてまわった。一体何箇所まわった のか分からないが、淡路島にはホント、たくさんの池がある。ただし、バサーの マナーが悪いことから、水を抜かれている池も少なくないので、こういった場所は、 やはり現地にいるお松に聞かないと分からない。

しかし最近多くなったね、水抜きされた池…。

 結局、夕方までに追加できたのはお松の子バス一匹のみで、労力の割には 釣れなかった。もうヘトヘトである。天候は…と見ると、昼過ぎあたりから晴れて くる始末であった。これでは棄権したケンちゃんも明石で悔しがっていること だろう…。時間と共に他のアングラーも見かけるようになってきた。

 最後に選んだポイントは、お松によると、淡路島でも結構人気のあるポイントで、 通常なら4〜5名は人が入っているとのこと。しかし、こういった天候だったので、 この日だと「貸し切り」となるはずだと、連れて行ってくれた場所は、とても雰囲気の 良いダム湖のバックウオーターであった。流れ込み、シェード、シャロー、全ての要素が 備わっており、「どこからでもどうぞ!」的なポイント であった。我先にとキャストを開始する。

 夕日を背にピョコピョコと「サミー85」がウオーキングして来る…しかし、絶妙の ポイントを通しているのに、水中に没することはなかった。悔しいので同じポイントを 何回かトライしてみる。

 「がさっ!」という、イヤ〜な音と共に、この冬に 買っておいた「サミー85」はブッシュの奥に突っ込んで行った。少し無理し過ぎた ようだ、とても助かりそうに無い…。泣く泣くラインを残さないよう、処理した。 減水時にお松に回収してもらおう… 「さらばサミー85…」(合掌)

 感傷に浸っている間は無い。夕マヅメ時はラストチャンスだ。手元にあるプラグ で効果的なものを胸の小物入れから探す。そうだ、スピナーベイトだ!トップで 出ない時はこれで探るに限る!「TDスピナベ」をラインに結び、キャスト!と、 2投目でヒット!やはりバスは居たんだ!ルアー選択が当たってヒットしたのは 嬉しいし、お松に並ぶ貴重な3匹目だ!(焦るお松)

 しかし、その後が続かない。次第に日が暮れてきた。もう「納竿」かな…と、 最後に未使用プラグのスイムチェックをしようと、「ビッグラッシュオリジナル (ウオーカー)」を取り出した。これを沖へ投げて動きをチェックする。と、 お松が横に「スケーター」の方をキャストしてきた。お松の操るスケーターは、 まるで生き物のようにウネウネとスケートしている。 「よくぞここまで極めたり」と感心させられたが、 バスの方は感心してくれなかったのか、無反応であった。

 場所を移動し、幅3m程の小川の流れ込みに立った。何気ないキャスト練習の つもりで、対岸の岩の横にキャストしてみたら、予想に反し、「ビッグラッシュ」は 着水と同時に「ゴボ」という音と共に水中に 引き込まれていった。 (鮮やかなオレンジコーチのカラーが水面下でバスに咥えられている光景は、 今でも鮮明に覚えている)

 「うわ、来たぞ」とすっとんきょうな声を上げる。 お松は信じていない。本当にそれくらい小さな川だったのだ。しかし、ロッドのしなり を見て「うわ、ホンマや」と慌てて寄ってくる。ここで、 私がキャッチしたら、「逆転満塁サヨナラホームラン」であろう。

 と、「プツッ」と小さな手応えと共に 「ビッグラッシュ」が水中から飛び出して来た!あれれ、バレちゃったようだ…勝利の 女神は微笑んでくれなかったようだ。水中ではたった今バラシたバスと、それに寄り 添うように岩陰から出てきたバスが戯れるように泳いでいる。 「良かったな〜外れて」とでも言っているのだろうか? まもなく2匹は消えていった。お松の懸命のフォローキャストを無視して…

 この日は、これでストップ・フィッシングとなった。本数こそ、3本ずつと少な かったが、大荒れの天候の中で、それなりに楽しめたので、まあ良しとしよう。 なんと言っても負けなくてヨカッタ…。お松と別れて車を四国へと向かわせる。 行きとは打って変わって美しい夕焼け模様が印象的であった。

【最終結果】

メンバー名 ポイント 順位 備考
お松 1位(同時) バス3匹
タク 1位(同時) バス3匹

●バス=2 ●ブルーギル=1 ●ナマズ=−20000 ●その他:審議