【第3次バス釣り大戦】1/2


【日程】  :1997年8月9日(土)
【天候】  :暴風雨→曇り→晴
【場所】  :淡路島のダム湖を数箇所(名称不明)
【同行者】 :お松

【レポート】

 今回の大戦は開催直前まで波瀾の連続であった。まず、開催1ヶ月前に どんちゃんが仕事中の負傷で「欠場」を表明。そして、開催前日には台風が 接近(というより上陸)し、四国方面は暴風域に 入ってしまった。そりゃもう、そこら辺のトタンはぶっ飛ぶわ、木々は根こそぎ 倒れるわ、雨は叩きつけるように振るわ…と好き放題の荒れっぷりであった。 そんな訳で、徳島の実家から開催地の淡路島まで車で移動する (鳴門大橋を渡る)のは正直無謀かと躊躇して いたのだが、

「翌日には台風は通過するでしょう」

という天気予報に期待し、一吹きで車が1〜2m横に流されるような 強風の中、淡路島のお松のマンションに向かって出発した。 (すげ〜怖かった…)

 約2時間後、お松のマンションになんとか到着。本州方面 (明石)から向かっているはずのケンちゃん を待つが、なかなか出発したという連絡が無い。やがて、

「この天気やと、命がなんぼあっても足らんわ〜。 今回は棄権させて〜!」

と電話で「泣き」 が入った。無理もない、台風はその時点では四国から本州方面に向かって いる最中だったのだ。当時はまだ「明石大橋」 が完成していなかった頃なので、本州から淡路島へ渡るには、「フェリー」しか 手段が無かったのだ。 (しかし 「根性無いのう…」はないだろ、お松!)

 この時点で、翌日の釣りは一旦諦めた。とりあえず、お松とその年に 作った「ハンドメイドルアー」の見せ合いをしたり、TVゲームとかを していたが、時間が経つにつれ、どうにも納まらなくなってきて、夜中の 2時過ぎに外の状況を見るのを兼ねて、お松の秘密ポイント…といっても、 この場合は「カブト虫の蜜場」まわりを 行った。雨自体は上がっていたのだが、風がものすごい。時折吹く突風は やはり台風ならではの強烈さがある。

 しかし、この荒れ狂う山々を目の前にしても納得が行かない。こちらは 半年以上準備していたのだ。4時前、お松の部屋で最終ミーティングを行った 際、徹夜時特有の「ハイ」な状態になっていた二人は既に正常な状況判断を 行うことはできなかった… 「一過性の台風に負けてなるものか」と、 どちらともなくロッドを手に取った。かくして朝4時に出撃!お松の案内で、 暗がりでも釣りが可能な照明塔があるダム湖へと直行した。 (アホや〜!)

 最初のダム湖では、なるべく風の当たらない山際のポイントを選び、 車を停めたのだが、それでも水面は風の影響でさざなみが立った状態なので、 好みのペンシルベイトは適していないと判断し、「テクノスイッシャー」を選択した。 重量もそこそこあるし、なにより、そのラトル音のハデさを買っての先発であったが、 実際にキャストしてみると、風と暗さの為に、的確にポイントへ落とすことが できない。まあ、一筋縄ではいかないと予想していたが、やはりこの状況ではキツい ものがあった。苦戦する内に夜が明けてきたので、気分を変えるべくポイントを 移動することに決定。

 2つ目のポイントは「猪鼻第2ダム」で、 昨年遭難しかかったポイントであった。 (「第2次バス釣り大戦」参照)ここは、足場も 良く、期待できそうなポイントであったが、ファーストバスは、なかなか出ない。 お松などは、強風で交換中のプラグを飛ばされ、紛失してしまったりと、条件は かなりキビシイ。

 バスが風を避けられるような際どいところ…オーバーハング下を果敢に攻めて みたが、技量以上の難易度であった為、枝にルアーを引っかけてしまった。 回収しようと枝の中でもがいていたら、お松が 「来たっ」と短く叫んだ後、大アワセ!

 最初は冗談かと思っていたが、ロッドがしなっている! 「ありゃりゃ、先に一本取られたよ」と、彼の やりとりを見ていると、35cm程のバスが上がってきた。ヒットルアーは なんと「ビッグバド」であった。やはり、 このような荒れ模様の場合、音が賑やかなタイプのルアーが良いのだろうか? しかし、「ビッグバド」で釣られたということに、なぜか妙な敗北感があった。 お松もいつも以上に喜んでいる。

 私も負けじと、キャストを繰り返したが、1度だけアタリがあったものの、 尻尾で弾かれ、ノラず仕舞いであった。30分程経過し、完全に夜が明けた 時点で、この場所を見切ることにした。今回は条件の良さそうなポイントを 片っ端からラン&ガンする予定である。この悪天候では他のアングラーも さすがにいないであろうから…。

 3つ目のポイントは上手い具合に風裏となっており、嘘のように静かな ワンドであった。しかし、これは、「増水」 の為、ワンドになっているだけで、普段は草野原とのことだ。しかし、 バスは岸際まで上がってきているのか、時折浅瀬で激しく小魚を追っている のが見えた。(期待大カモ…)

 予想通り、こういった天候故に先行者もいないので、ポイントも選び放題で あった。関東方面の混みっぷりから考えると夢のような気分である。ここで プラグを「サミー85」に交換した。湖面が静かになると、やはりペンシルを 使いたくなってくる…。2投目のキャスト時、対岸ギリギリに着水した 「サミー」に猛然とバスが襲いかかった!「バシャ…バシャッ!」と、1度 食い損なったものの、2度目のアタックと共に水中に没する「サミー」! 結構大げさにアワセてフッキング!ロッドに重みは…ある!乗った!

 半年以上もの間、この瞬間を夢見ていたので、 「至福の気持」でバスを寄せていたのだが、 油断していたのか、そろそろ姿が見えるかというところで、原因不明の バラシ!水中から「サミー」が飛んできて、プラグを交換中のお松の背中に ヒット!メチャクチャ悔しい!気分は天国から地獄へ…。

「オレは痛かったって!」(お松)

 その後はお松に一匹、私に1バイト(バラシ) あったが、次第に反応が無くなり、結局、ものの30分で、無反応状態となった。 せっかくのファーストバス(しかもトップでの) を逃した悔しさで、次のポイントへの移動の決心がつかない。迷いながら キャストしていると、精度も落ちてくる。交換したばかりの「DOG−X」は 狙っていた木のシェードから2m程離れたオープンスペースへ…。 「あかん、失敗や…」とリールを巻き始めたら、 なにやら少しだけ重い。足元まで寄せてみると、なんと、小バスが掛かっている! これはラッキーと、一気に抜きあげる。こうして、棚ボタ状態で1997年の トップでのファーストバスはゲットできた。ここでポイントを移動。