promise



 胸元を唇と手で愛撫しながら、ヒロは甘く囁く。
「好きだよ」
 どうしようもないぐらい。こんなにも鼓動が跳ね上がる。
『ヒ………ロ………』
 触れられる先から、どうにかなりそうだった。思わず、声があがる。————堪える事すら、出来なくなる。
 するりと指が内股に触れる。思わず、引ける腰に、ヒロはその指を絡める事で応える。
『————ん』
「タカ………」
 その声に導かれるように、瞳を開く。視線を合わせ、口づける。
 愛しい、と心から思う。大切にしたい、そうも思うのに。
「————ごめん」
 切なげにヒロは呟く。
「すっごい好きなのに………」
 こんなにも、傷つける事しか、出来ない。
 内股から、少しだけ潤った場所にするりと指を滑らせる。
『………っ』
 軽い痛みに腰がびくりと跳ね上がる。ヒロは一瞬、躊躇うが、そのまま、感じる先端を探し出し、そっと触れる。
『んっ!』
 更にびくりと腰が動いた。だけど、それは痛みのせいじゃなくって。
『ヒロぉ』
 なんだか、変だよぉ。
 首筋にタカはしがみつく。ヒロはその髪に指を差し入れ、口づける。
 愛しいという思いは、この胸にいつでもあるのに。
 ヒロは心で溜め息をつく。だけど、燃え上がったこの気持ちも、身体も………どうしようも、ない。
 細かく動かし、震わせる。その指が、タカを追いつめる。だんだん、そこが潤ってくるのが判った。くちゃりという音が、耳に届く。
『………んっ………くっ………』
 どうしよう————気持ち、いい。触れられた所から、背筋を這い上がる、その快感。それだけじゃ、もう、物足りない。もっと………もっと。
「————タカ?」
 辛い?
 頬に伝う涙に、そっと舌で触れる。こちらを不安げに覗き込んでくる瞳に、タカは懸命に首を横に振る。
『………がうの』
「ん?」
『………辛く、ないから、もっと………もっと』
 気持ち良く、して。
 その言葉に、ヒロはタカの唇を舌で舐める。そして、その身を深く沈めると、更に激しく指を動かした。
「————タカ………タカ!」
 熱に浮かされたように、その名を呼ぶ。それに呼応する指の蠢き。
『ヒロ………ヒロ………ヒロ!』
 好き………好き、大好き。
 首にしがみつくと、声にならない声でその想いを告げる。
 じわじわと腰から背筋を這い上ってゆく、感覚。もっと先延ばしにして欲しいのに、速くそこに到達したい、矛盾した想い。
『んんっ!』
 ふるりと身体が震えた。一瞬、身が浮かび、そして、シーツへと沈む。
「………愛してるよ」
 白濁した意識の中、甘い囁きが届く。それに、無意識に頷きながら、タカは静かに瞳を閉じた。


続き戻る