天の橋立 智恩寺     文珠荘新館
篭神社 一里塚    文珠荘別館
傘松公園 清水神社  
成相寺    
雪の橋立
 

それは「今週末、どっか温泉に行こうよ。どこでもええから任せるわ。」の一言ではじまった。
関西に住みはじめた頃だったのでまだ温泉地ってのがピンとこない。

本屋さんでガイドブックを立ち読みしてみた。
その中の一冊に観光シーズンが載ってあったが2月がシーズンになってるのが”天の橋立”1個所だけだった。
温泉地ではないけど観光地には間違いない。シーズンだからきっといいことがあるだろ。と思って決定。

とりあえず宿!って思い、本の一番最初に載っていた文珠荘別館に電話予約をした。
値段は1万8千円。ちょっと高いかな〜?って思ったけど相場を知らなかったのでそのまま予約ok。
ちなみにこれはバブル前の話です。今ここは改装して倍以上のお値段になりました。バブルのせいかな?

朝、11時過ぎのJR福知山線豊岡行きの快速電車で福知山まで移動。
10分ぐらいの乗り換え時間で北近畿鉄道の福知山駅(同じ構内です)から終点宮津へ。

この福知山から宮津に向かう電車の中でびっくり(@_@)雪が積もってるぅ。
まだ関西の事をよく知らなかった私達は雪なんて思い浮かばなかった。
おまかせでついてきただけの妹はシャツにジャケットだけめっちゃ薄着。何これ〜〜。。。の連発。

宮津の駅から雪の降る中を観光。教会があるはず。。。
テクテク歩いて到着したがなんだか、観光できる感じじゃない。中でミサが行われているみたいだ。
おじけずいた私達は外で写真だけとるとこにした。

さて、ここからバスで天橋立までいけるはず。すぐそばのバス停で時間を見てみた。
30分以上ある。こんな寒いところで待ってられない!と言う訴えで駅まで戻ることにした。
駅の待合室なら少しは暖かいもんね。駅の発車時刻表を見ると30分後ぐらいにある。電車にしよう。

電車で宮津から天橋立は一駅だ。5分もかからなかった。
駅から電話をすれば宿のお迎えがあると聞いてたので電話をした。

しばらくすると黒塗りのいわゆるハイヤーが駅前に止まった。なんとそれがお迎えの車だった。
かなりびっくりしている私達に運転手さんは窓の外の風景をいろいろ説明してくれる。
宿の入り口をくぐると庭をゆっくりと滑るように通り抜けて玄関に到着。平屋造りの由緒正しき日本旅館だ。
とんでもない、場違いなところに来てしまったようだ。思いっきり庶民の私はぴぴりまくってしまう。

部屋に通された私達にお薄とお茶菓子がだされた。お茶じゃなくてお薄。
お菓子は知恵のもちと言うものだ。美味しかったらお土産にご用意しますよ。って仲居さん。
そう言えば、売店なかったもんな。どうやらサービスで買ってきてくれるみたいだ。
それじゃってお願いをした。部屋には金庫も鍵もないがそういうものらしい。
この別館は部屋が10ぐらいしかないし、全部庭付きになっているらしい。

仲居さんの勧めで智恩寺にお参りに行ったがあまりの寒さにすぐに部屋に戻ってしまった。
「あれ、もうお帰りですか?」と言う仲居さんに「寒む過ぎて。」と言いわけをしながらこたつに潜り込んだ。

1時間半程、部屋でごろごろしてると「お風呂に入ってきたらどうですか?」とまた仲居さんがやってきた。
夕食時間の30分位前だった。「その間に夕食のご用意してますから。」

タオルと浴衣を渡されてお風呂に案内される。大浴場ではないけど2人で入るのに十分な広さ。
う〜ん、冷えた身体にお湯がしみるぅ〜。。。お湯は肌がつるつるになる感じ。
部屋数が少ないってことは当然お客さんも少ない、お風呂で他の人と一緒にならないんだな。

部屋に戻るとど〜んと豪華夕食が・・・なかった。テーブルの上に黒塗りのお盆と箸と食前酒だけ。
あれ?まだかな。早すぎた?と思いながら席に座っていると仲居さんがやってきた。

「はじめますか?何か飲みますか?」と聞かれたがお子様の私達は「いりません」と一言。
だって、なんかめっちゃ高そうやん。と敬遠してしまったのだ。
「それじゃお茶もってきましょうね。あっそれ、食前酒です。どうぞ」と言うと出ていった。

すぐに先付けとお茶をもって戻ってきた。お茶はほうじ茶だ。お刺し身もめっちゃ美味しい。
この後も一品づつ次々と運ばれてくる。いったい、いつ終わるのだろう。
途中で、「まだあるぅ〜」と言ってしまい「もう少しですよ。」って笑われてしまった。

そう、ここは料理旅館だったのだ。日本料理のフルコース。正式に全部食べたのはこれっきり。
カニ、寒ぶり、かも鍋、確かにシーズンだった。んうまい!!
食事終了まで3時間半もかかってしまった。

デザートの果物をこたつで食べてる間にテーブルは片付けられて布団をひいてくれた。
羽毛布団だぁ。うぁ〜、ふわふわしてあったかい♪。
寝てる時に喉が渇くかもしれないからって氷水とグラスが枕元に用意された。ひょ〜ぇ、すごい。

ぐっすりとねむってしまってたらしく、朝も仲居さんに起こされた。
「おはようございます。もう、起きたらどうですか?」時間は8時半過ぎだ。
へぇ?びっくりして飛び起きた私達に「お風呂で目を覚ましてらっしゃい。」とタオルを手渡した。

寝ぼけてるままの私達はフラフラとお風呂に入る。
だんだん頭がはっきりしてくる。そうか、10時チェックアウトやから時間がないやん!

お風呂から帰ってくるとすっかりと朝食の準備ができてる。
朝からすっごいメニューだ。時間がかかりそうぅ。。。はよ食べよ。
イカ刺し、茶碗蒸、焼き魚、湯豆腐、あさりのお味噌汁、サラダ、煮物、ect.デザートにコーヒーゼリー迄

キレイに食べつくした頃に、仲居さんが昨日のお土産の知恵の餅を持ってきてくれた。
会計もお部屋だった。清算を済ませると仲居さんがかすみ草の花の種をくれた。

「これからどうなされますか?」と仲居さん。「天の橋立を散策されるのでしたら、お荷物はお預かりしますよ。」
そうそう、荷物重たいもんねぇ。「じゃお願いします。」
「傘もお貸ししましょうか?」「あっ、いえ、持ってます。昨日買ったもんなぁ。」
「じゃ、長靴は?雪で滑りますよ。」「いえ、いいです。」人の靴ってちょっと苦手。
しっかし、靴まで貸してくれるとは・・・。「じゃ、いってらっしゃいませ。」「いってきま〜す」

天の橋立の横を向こう岸まで遊覧船で移動。この辺の観光案内のテープが流れてたがほとんど聞いてない。
篭神社の参道を抜けてロープウェイで傘松公園へ。
ここで股覗き。みんなやってるので、一応やってみるがよくわからなかった(笑)

休憩場の横に誰かが雪だるまを作ってあった。
スキーすらしたことがなかった私達は、こんなに真っ白な雪だるまを見たのは、はじめてでそっちに気を取られてた。

薄着の妹は私の帽子とマフラーと手袋で防寒したがまだ寒いみたいだった。
じっとしてられないってことでバスを待つのを止めて歩いて成相寺まで登った。
お寺では雪かきをしていたおじいさんに「ご苦労様です」って言われた。
ものすごく信心深いか、物好きに見えたんだろう。

お寺の蝋燭で暖を取っていた(ばちあたり?)があんまり変わらないので、
またバスを待たずに歩いてロープウェイ乗り場まで行くことにした。
降りて行く途中までは雪で滑らないように気を使ってたが、次第に景色を見る余裕がでてきた。
雪の天の橋立はとっても幽玄で、きれいだった。

ロープウェイで参道まで降りるとお土産を買いながら桟橋まで歩いていった。
まだかなり時間があるのでそのまま天の橋立を歩いて向こう岸まで行くことにした。

松林の中は風除けになっていて思ったよりも寒くなかった。
いろんな石碑や言われのある松があって、一里塚を見るとちょっと歴史を感じた。
これって江戸時代の標識だよねぇ。

清水神社には日本の水100選に選ばれた井戸があった。
ちょっと怖いけど、桶を降ろして水をくみ上げてみた。冷た〜い。
そっか、海と海に挟まれてるのにこんな浅い井戸で真水ってのはすごいのかも。

岸のすぐ側に鴨の群れがいた。
そう言えば昨日の鴨鍋、、、まっさかねぇ〜。。。おいしかったけど(笑)

天の橋立を渡り終えて旅館まで、戻ってきた。ふぅ〜、、、歩きつかれたぁ。
預かってもらった荷物をもらうとまたハイヤーで駅まで送ってもらった。

さて、特急まではかなり時間がある。宮津発〜福知山の電車なら乗り換えて快速大阪行きに間に合う。
天の橋立から宮津までの電車がない。。。宮津発まで一時間足らず。駅だからバス停があるばすでは?
バス停に行くとおばちゃんバスを待ってる様子。
「ここから宮津駅に行けますか?」「うん、もうちょっとでバス来るよ。」
やったぁ。バッチリやん♪ すぐにバスがやってきた。

バスは10分程で商店街のあたりに来たのでここで降りる。
時間が余ってるし、駅までは昨日この辺りを歩いたのでわかってる。
本屋に入って雑誌を買い、スーパーでお惣菜とお茶を買う。

駅員さんに大阪までって言うと高い。何で、乗車券だけだよ?
「特急じゃないと行けないよ」って言う駅員さんに乗り継ぎを説明。
時刻表で確認して、「あ〜ぁ、行けるわ」と納得したみたい。
で、乗車券だけを購入。片道2500円。しかも後の特急より大阪着は早い。

お得な気分だったのとお腹が空いてたので福知山で駅弁を買う。
電車で駅弁と惣菜とお茶で晩ご飯。ちょっと恥ずかしい。
そっか、特急だと向かい合わせは仲間だけだから恥ずかしくないけど
普通の4人向かい合わせの電車だし、6時頃だから学生や通勤客で混んでるから注目の的。
空腹に負けて全部食べたけどね(笑)

8時前、無事帰宅。おつかれさま〜。。。。

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