ヤシの木クラカタウ(Krakatau)



えっ?クラカタウって?

クラカタウはジャワ島の西の沖合いにある海底火山(?)です。
1883年の大規模な噴火の時は、40M以上の津波が起こり、数万人が犠牲になったそうです。

ウジュンクロン国立公園で、森の中にサンゴの残骸があるので不思議に思ってガイドの人に聞いたら、その噴火のときの津波で運ばれてきたそうです。

今見られるのは当時の火口の外輪なわけですが、それでも日本だったらぜったい立入禁止だぞ、ここ・・・という風景が見られます。今もときどき噴火していて昨年も外国人が飛んできた石で亡くなっているそうなので、個人の責任で行ってください(^o^;

ジャワ島チャリタビーチから行けるのでジャカルタからはがんばれば日帰り圏内です。


クラカタウへの行き方

クラカタウへは、チャリタビーチ(Carita)やアニェール(Anyer)から船で行くのが一般的です。私はチャリタから行きました。
ジャカルタからチャリタビーチへ行く場合、高速で西へ向かいSerang付近で降り、Pandegelang、Saketiを経由し、Labuhanからちょっと北上し、Caritaに出るのが渋滞にあわないようです。
ここまでおおよそ2時間から3時間です。

さて、この後が問題です。あなたがお金もたくさんあってチャリタの高級リゾートに泊まれるのなら、そこからツアーがあるはずです。高速クルーザーで数時間で着くでしょう(地元の漁師さんは2時間だと言っていましたが、要確認です)。人数が多くて船代だけを見るなら、漁船をチャーターするより安い可能性もあります。

漁船をチャーターするならば、チャリタから車で10分ほど南に下ったラブハン(Labuhan)でできます。ラブハンの町のあちこちに看板が出てます。(チャリタ周辺の私設観光案内所でも頼めます)。
私の場合、インドネシアの流暢な同行者が交渉して3人で総額30万ルピアぐらいでした(7、8人乗りの漁船で、3食スーパーミー付き(^o^;) 。
船はポンポン漁船みたいなので、乗組員(?)3人。

さてさてその漁船でいったいクラカタウまで何時間ぐらいかというと、直線距離で50キロほどなのですが、私の場合、行き4時間、帰り6時間・・・。
向こうにいたのは1時間ほどなのですが、朝9時ごろ出て帰りは夜の10時ぐらいだったと思います(^o^; くれぐれも出発は早い時間にしましょう。


リゾート気分をこわす誘い・・。

チャリタの宿でのんびりと極楽気分を味わっていると、同行のS氏が隣りの部屋に泊まっていたインドネシア人がクラカタウへ行きたいなら自分の知り合いが船宿をしてるからひとつどうだい・・と言ってるという話を持ってきたのは、2泊3日の旅行の初日の夕方でした。
船の苦手な私はだいぶ渋ったのですが、S氏の悪魔のような話術にのせられて翌日出発することに。

翌朝、そのおじちゃんの車にくっついて、ラブハンの船宿へ。ちょっと魔女風の風貌のおばちゃんは、片道3時間で着くよ、海はとっても穏やかだと言います。2時間で着く船もあるよと言うのですが、その船のあまりの小ささと40万ルピアという値段にびびり、30万ルピアの漁船にびびりながら渋々乗り込みました。
いざクラカタウへ! 行きは船もあまり揺れず天気もよく、船のおじちゃんが作ってくれたサンバルピリリッのスーパーミーを食べて、ほんとにのんびりと最高の気分でした。
1時間もすると周囲は水平線だけになり、またしばらくすると遠くになんやら異様にとんがって高い山が見えてきました。これは実はクラカタウの外輪の片割れだったのですが、それを越えてからも1時間ぐらい・・。結局4時間かかりました。そのときはまあ1時間ぐらいの誤差はあるかと思っていたのですが。

いよいよクラカタウに近づくにつれ、それは異様なこの世のものとは思えない風貌を現しはじめたのです。活火山といっても箱根ですげぇと思っていた私にとってまさにそこは禁断の地でした。
いちおう観光地なんだから、監視小屋とか船着き場とかあるんだろうと思っていた私はバカだった。そこはまさに活動中の火山そのまんまでした。
島の周囲は溶岩が冷えて固まった異様な形の黒い岩で囲まれ、所々にわずかに残っている砂浜に立つ木々は、爆風のせいなのか皆山側には枝が無く、海側に傾いています・・。
周りを海に囲まれ空気が澄んでいるせいか、山頂まできれいに見えるのですが、山肌のところどころからは色付きの煙が・・・。

私たちの乗った漁船はクラカタウを右に見ながら島の裏側に回り込み砂浜に停泊。なんだか我がSpirit of KRAKATAU号(そんな名前じゃなかったけど)がなんとも心細げに見えます。砂浜は当然のことですが、真っ黒。しかし海はとっても澄んでいました。後から本を読んで知ったのですが、この辺でダイビングしてもなかなか面白いようです(私は勧めてませんよ!)。


上陸!

上陸すると、すぐにお兄ちゃんがその辺を案内してくれるとのこと。砂浜に盛り上がった黒い溶岩石を越え、今にも消えて無くなりそうな林を抜けるとそこはもう頂上までなだらかな斜面がずっと続いています。何もさえぎるものがないので、すぐに頂上まで行けそうです。
でもお兄ちゃんによると、有毒ガスがあちこちから出ていて、これで死んだ人もいるとのこと(^o^; 同行のS嬢は完全にびびり、早く帰ろうばかり・・・。

山肌は噴煙が降り積もったものなのでしょうか、真っ黒で非常に細かい粒子のもので、何層にも重なり合っています。所々に草も生えているのですが、それも下の方は砂の中に埋まり、あちこちで一番上の砂の層の上に直径50センチぐらいのクレーターが・・・ん?待てよ・・・ってことは、ごく最近にも噴火があったってことじゃない? しかも自分たちが歩いているまさにここに噴石が飛んできて・・・。
もう後は、すぐにも噴火するのではないかと心配で、気もそぞろでした。実は。

結局1時間ばかりそこにいて、こわいこわいと言いながらも「せっかくだから・・」の日本人観光客根性で、泳いでしまいました(^o^; とにかく海の中の砂も真っ黒で、でも海は澄んでいるわけですから、一種異様な光景の中泳げます。

とにかく去年も人が死んだという話なので、さすがに1時間で帰路に。
火山から離れていく安堵感からなのか無性に腹が減り、具はサンバルのみのスーパーミーをありがたくいただきのんびりと海を見つめること1時間ほど。ふとクラカタウを振り返ると、火口から数百メートルの噴煙が・・・。あれって噴火かな・・?
私たちが帰るときに着いた白人はだいじょうぶだったのでしょうか? 次の日の新聞には何も載っていなかったようなのでたぶんだいじょうぶだったんでしょうけど・・。


帰れない・・。飯がない・・。

しかし本当に大変だったのはここからで、2時間ぐらいは乗ったかなというあたりからだんだん風と波が・・・。そのうちに日は暮れ、波はますます強く、ついに波が船にまで入ってくるようになり・・・。
とにかく誰も時計をしていなかったので、いったい今が何時で、もう何時間船に乗っているのかわからない。陸の明かりだ!と思うと漁り火で、いよいよ船の揺れも頂点に達し、さすがのS氏も無口に・・。
どうやらかなり風と波で流されたようで、帰ってきたラブハンの町はすっかりみんな寝静まり、魔女の船宿で時計を見たときにはもう夜の10時をまわって・・・。

さらに悪いことは続くものです。疲れはてた体とぎゅるぎゅる鳴るおなかを抱えながら、なんとかキジャン号を運転してレストランへ向かったのですが、これがなんとみんな閉まっている・・・。
昨晩は夜の12時ぐらいまで開いていたレストランも軒並み閉まっている・・。
あとでわかったことなのですが、チャリタ近辺というのはジャカルタからの週末のみの観光客が多いので、週末はどこも遅くまで営業しているものの、月曜日は逆に早く閉めてしまうとのこと。そしてその日は日本の休日ながらまさに月曜日・・・。

結局アニェール方面へ向かえば絶対にレストランはあるというS氏の魔の言葉に乗せられ、えんえん運転するはめに・・。しかし、ない・・・。ことごとくレストランが閉まっている・・・。
さらにさらに悪いことに週末のんびり極楽旅行のつもりで来た私たちはもう所持金が帰りの高速代とガソリン代プラス数万ルピアしかない・・・というのも、この旅行を計画したS氏が所持金は1人30万ルピアね、という言葉を信じたのが誤りだった。しかもその当人は、10万ルピアしか持ってこなかった・・。
クレジットカードが使えそうなところもなく、結局1時間半さまよい、スマトラ島からのトラック運転手が寄る街道沿いレストランへ。
しかし、所持金がとにかく乏しいので、すっごく腹が減って、しかも魚のおいしいところなのに3人ともナシゴレン・・・・。ビールは1杯を3人で分けて・・・。ああ、みじめ。

結局、ごまかした腹を抱えたままジャカルタへ夜のドライブ。
しかもジャカルタ市内に入ってあと少しでクレジットカードで豪遊だぁ!というところで曲がるところを一カ所間違え、チトラランド前のジャカルタ中でもっとも渋滞のひどい道に・・・・・ああっ・・・・。

その後、S氏のクレジットカードを使い、高級レストランで、腹一杯牡蛎を喰ったのは言うまでもありません。


97.10.30更新

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