退化論

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 日本人は、ここへ来て平均身長が伸びました。これは進化なのでしょうか?
 僕は、以前哺乳類は、大型のものから、小型のものへと変化しているのではないかと書きましたが、この点から考えると、進化というより退化です。
 日本の昔ながらの食文化は、非常にバランスがとれ、とても良いものだったそうです。しかし、現在は西洋的なものがどんどん導入され、バランスが崩れてしまいました。昔の日本人が、車に例えると非常に燃費が良く、きびきびと走る車であったのに対し、現在の日本(西洋人)は、非常に燃費が悪く、小回りのきかない車のように思われます。
 昔、須賀(平塚の港周辺の地区)のボテイと言われる人達は、漁で獲れた魚を天秤棒の両側にぶらさげて厚木方面に売りに出たそうですが、何と1時間で着いてしまったということです。須賀のボテイは鳥よりも速いだとか、自転車に対抗して走っていたとか、ものすごい話が残っています。現在の文明生活に慣れてしまった我々にはとても真似できそうにありません。これは、残念ながら退化と言わざるを得ません。
 便利な道具に頼りすぎてしまったと思います。西洋のフォークやナイフが箸に敵うでしょうか?今、私達日本人は、昔ながらの良いものを見直す時期に来ているのだと思います。今、日本型経営から、西洋型の経営へと変わりつつあると思われますが、これが本当に良いこと(進化)なのでしょうか?僕には退化にしか見えません。
 今、日本では、背の高い人がもてはやされています。どうして、このようなことになってしまったのでしょうか?残念でしかたありません。
 ただ、かくいう僕も、父親より背が高いです。そして、文明生活から抜け出せそうにありません。せめて、僕らの子供の世代は、そうならないで欲しいと願っています。西洋医学にしても、本人の治癒能力を高めて病気を治すのではなく、反対に免疫機能を抑えて、病気を治そうとしたりします。どこか、ものすごく歪んでいると思います。これからは、道具にあまり頼るのではなく、人間の持つ能力を高めていく方向に進んで行ってくれたらと願っています。
 とか言いながら、パソコンにべったりだったりして。あまり偏らないように平塚市博物館を大切にしていこうと思っています。

2000年01月18日 田部井保

 

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