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陶芸Essay9

「けずりかす」

ロクロで水引きをした後、頃合を見計らって削りと言う作業にはいる。

希にひきっぱなしという削り無しの物もあるけれど、たいがいは削ることになる。

このタイミングを逃すと硬くなって大変な苦労をしなければならない。

したがって、ちょくちょく様子を見てひっくり返したり窓を閉めたり管理をすることになる。

さて削ればけずりかすと言う物が出る。「かす」と言うのも抵抗があるけれど、他に言葉が見つからない。

粘土だから水で戻せばまた使える訳なのだが、ちょうど良い硬さでよく練れている状態にするのには時間と場所と技術がいる。

そんなわけでなかなかかたずけられずにいると、あっと言う間にけずりかすが溜まり、けずりかすの山の中でロクロを続けることになる。

このけずりかすの山をみてある日考えた。

袋に詰めて陶器市の時安く売ったらどうだろう?

趣味で陶芸をやる人なら、喜んで粘土作りからやるのではないだろうか?

でも、けずりかすだけ売れて肝心の作品が売れないと寂しすぎるような気がする・・・

いまだ実行には移していない。         2001.2.13

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