「土間」
わが工房の床は土間である。
土間と言っても、本当の土の土間である。
土間は湿気が上がるので、作品が乾かず具合がよい。
そして万一落とした時、割れにくい。
初めて益子に来たとき、土間の臭いに郷愁のような物を憶えた。
子供の頃うちには土間があった。
北国だったのでそこには薪が沢山積まれていた。
母の実家では、土間の向こうに馬がいた。
人と馬と同じ屋根の下に暮らしていたのだった。
びーだま遊びをするときも、土間は具合が良かった。
釘のような物で、何カ所か穴をほり、ねらい通りにびーだまが入れば悦にいっていたものである。
なんのことはない、びーだまゴルフであった。ただ当時ゴルフと言う物は知らなかった。
ブリキのおもちゃの自動車があった。
ゴムタイヤがはずれて、トラクターの様に思えた。
それで土間を耕したものである。
土間には、「かまどうま」もいる。
虫の嫌いな人もいると思うが、子供の頃は全てが遊びであった。
そして、いまだに遊びが続いている。 2001.2.15