「金の丸?」
中国に「泥をもって玉となす」ということばがある。
泥から美しい焼き物が出来ると言うことらしい。
ところが日本人の感性は「泥をもって岩となす」と言った方がよいかもしれないと思うことがある。
しぜんな物、ゆがんだ物、破れた物でさえよしとするその感性は、世界的に見たら異質の方ではないだろうか。
たとえば盆栽。
手をかけているのに作意をみせない。
曲がりくねった枝振りに美しさを見いだす。
以前韓国に行ったとき、寺の色彩の鮮やかさに、目を見張ったことがある。
それが日本に来ると、ぐっと渋い色彩になり、これが日本人の美意識なんだと感じたものであった。
またある時、中国人のお客様がうちに来たことがある。
その時赤絵の色について尋ねられた。
「日本の赤絵の赤は、なぜ暗いのか?」と。
中国では暗い赤は好まれないと言う。
日本では、むしろ鮮やかな赤の方が好まれないという実感がある。
これもやはり日本人の美意識による物だと思う。
それにしても不思議なのは、日の丸の旗である。
シンプルで好きなデザインではあるが、真ん中の赤。
鮮やかすぎて、日本人的ではないような気がするのだが?
いったい誰のデザインなんだろう?
私だったら赤地に金の丸にしたかもしれない。 2001.2.8