「益子の空気」
益子を歩いていると、時々粘土をはだか積みしたトラックを見かける。
おお!やっぱり産地なんだなぁと感激したりする。
スーパーで買い物をしていると、ズボンに泥を付けた人をみかけることがある。
これも他ではめったにないことだろう。
益子参考館で見た犬は、益子焼きのどんぶりで、えさを食べていた。
まさか、人間国宝の浜田さんの作ではあるまいか。
仕事場の中に所狭しと並べられた、作りかけの品物。
益子の猫は、器用にそれをよけて歩いている。
益子には、益子の空気がある。
京都には、京都の空気があった。
有田にも、備前にも、その他の産地にも。
海の水が、その海の生き物たちを育てるように、
空気が、その地域のやきものを育てるのだろう。 2001.2.6