絵本編 ページ 1
◆図書館などで借りたものも入っていますので、記憶が頼り。
あやふやな記述があるかもしれませんが、そこはまあ
ご紹介ということで、お許しを。(揉み手、揉み手)
「あなたの好きな言葉を5つあげてください。そして、その理由も」 「〈あなた〉〈好きな〉〈言葉〉〈5つ〉〈そして〉 理由は、いま目の前にあるから」 ——谷川俊太郎 (高橋源一郎『ぼくがしまうま語をしゃべった頃』) |
バムとケロのにちようび 島田ゆか:作、絵 文溪堂 |
ちょっとセピアがかった、独特の絵柄がたのしい。バムとケロの、凸凹コンビも、子どもには大人気! 私は最初、とっつきが悪かったけど、娘はすんなり「おもしろ〜い!」と飛びついた。 子どもと大人の感性の差なのか、単なる娘と私の嗜好の違いなのか。でも、なんどもページを開くうちに、カワイイと思うようになったから不思議。 やっぱり、私の感性が、摩耗しかけているのかな。 (12/'99) |
びっくりいろあそび 作:チャック・マーフィー |
しかけ絵本です。 いろいろな“色”たちが、ページを開くたびに、びっくりさせてくれます。色のとびらを開けると——ほら! ネタバレになっちゃうので、これ以上書けないのが悔しい。でも、楽しいしかけがいっぱいですよ。 他愛ないといえば他愛ないですが、オトナも充分に遊べますよ〜。(って、私だけか? 喜んでんのは) (05/99) |
スーホの白い馬 (モンゴル民話) 再話:大塚勇三 絵:赤羽末吉 福音館書店 |
単純な私は、涙、涙、また涙。 モンゴルの楽器、馬頭琴の創成話として語られています。 お話は、世界中によくあるものだけれど、舞台と状況が変わると、また違った魅力がありますね。 草原で暮らすスーホという男の子が拾った白い子馬。ともに成長しておとなになったとき、狡い王様に白馬を取り上げられてしまいます。 これ以上書くと掟破りだから……といっても、すでに結末はバレてるかも? それにしても、固い友情のお話を読むと、泣けてくるのは何故? 現実で、めったにこんなことってないから? だからこそ、お話の題材になって、人は貪り読むの? 民話というのは、嘗てあったことを忘れないために、人々が語り継ぐ、というところもありますよね。このお話は、そういう意味で、馬頭琴を大切に、誇りに思う人々の精神をよく表していると思います。 今でも、馬頭琴の弾き手を養成するために、子どもが小さいころから熱心に修練させるのだとか。そこには、たしかに大人から子どもへの“強制”があるわけだけれども、それを一切否定してしまっては、文化、伝統は廃れてしまいます。 文字通り、血と涙を流しながら立派な弾き手になったとき、ではその子どもは、「これは押しつけだった」といって辞めるか? そうした子もいるかもしれない。けれど、一方で「やってきてよかった」と思う子もいることは事実。でなければ、これほど世界に様々な弾き手が出てゆくこともなかったでしょう。教えるおとなの側も、誇りと決意と信念とをちゃんと持っている、ということでもあるでしょうね。 そして、そうしたときに、この物語が語られ、そうした精神をも同時に伝えたのではないでしょうか。 (参考:“なっちゃんの日記1年生篇”) |
おもちゃ屋へいったトムテ 作:エルサ・ベスコフ 絵:ささめやゆき 訳:菱木晃子 福音館書店 |
ベスコフは、書評を読んで興味を持ちました。ちょうど限定復刊! で出た「おりこうなアニカ」を買って読み、淡々としているけれど、心に浸みる物語に惹かれました。 「ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん」「もりのこびとたち」など、身近に出てくる自然の描写が魅力。 これはそういったものとはちょっとニュアンスが違って、物語してますね。いたずらっ子のこびとの男の子が、お父さんのいうことを聞かずに、街へ行ってしまいます。そこがおもちゃ屋さんだったから、彼はトムテ人形に間違われて……。 (12/98) |
ハムスター・まも日記 作、絵:おまたたかこ 小学館 |
なっちゃんが小学校の図書室から借りてきた本。イラスト飼育日記、といったところ。ハムスターの絵がとってもリアルなんだけど、ハムスターそのものが、とっても可愛い。 どんな動物でも、一匹一匹に特徴やクセがあり、とても個性的。そんな当たり前のことを、さりげない描写と説明で、見せてくれる。 なっちゃんは今、ハムスターに夢中です。といっても、飼ってるわけじゃないけど。ペット・ショップでしか実物を見たことがないくせに、可愛い、可愛い、を連発してます。自分で面倒みられるようになったら、飼おうね、と言い聞かせました。 内容によると、ちょくちょくカゴから出して“お散歩”したりしてる。うーん、そこまでせにゃならんのか……。 (作者のHP→http://www.mamo.net/) (11/98) |
サニーのおねがい 地雷ではなく花をください 文:柳瀬房子 絵:葉 祥明 自由国民社 |
地雷撤去キャンペーン絵本。ボランティアで刊行され、収益はすべて対人地雷の除去のために活用される、と奥付にありました。 ユニセフ親善大使の、黒柳徹子さんの話が解説として載っていましたが、むごいですね。 旧ユーゴスラビアを訪問した際、MINEと書かれた黄色いテープが張られており、そこは地雷を埋められている危険がある、という目印なのだそうです。 ボスニア・ヘルツェゴビナには、推計300万個、旧ユーゴ全体では、1000万を越える地雷が埋められている、といいます。全部撤去するには、膨大な時間と費用がかかり、どこに埋められているのかもはっきりしないとか。農作物も作れない。子どもたちは遊び場を奪われて。 卵形のチョコレートの中に、小さなおもちゃの入っている<キンダー・エッグ>というお菓子があり、それにそっくりな地雷までまかれている、といいます。あとは、アイスクリームの形をした地雷、ヘリコプターなどのおもちゃの形をした地雷などもある、と。 くまのぬいぐるみに仕掛けられた爆弾で、5才の女の子が即死した、とも書かれていました。黒柳徹子さんがいわれるように、これらは最初から子どもたちをターゲットにしています。赦せない行為ですよね。こういう地雷を作ることを思いついた者は、人間ではない、と思います。 不況、といいつつ、そこそこ幸せな生活がおくれる私たち、日本人。何かできることを考えようと思います。 難民を助ける会: http://www2.meshnet.or.jp/~aarjapan (本誌、奥付より抜粋しました) (08/98) |