■落書きメモ(イギリス・エディンバラ雑感)その2

 

Buccleuch Place (左右に見えるのは大学の教室と研究室。正面奥は図書館です)


その21: Scotland人の法律感覚

 イギリスは、アメリカほど極端ではないにせよ訴訟社会であることには違いありません。イングランド(便宜上ウェールズも含む。以下この同様)では、「justiciable event」(訴訟に値する出来事)が起こると、最終的に20%が裁判に持ち込まれます。ところが、スコットランドではその割合は14%です。スコットランド人は、「justiciable event」が起こると、まず自分で何とかしようとする傾向が強いです(イングランド(68%)、スコットランド(77%))。
 そもそも、スコットランドは訴訟件数対人口比が小さいです。人口も少ないので、訴訟件数はイングランドと比較してかなり少ないことになります。すなわち
 ・「justiciable event」の発生率が少ない かつ
 ・訴訟に持ち込まれる率も小さい ということです。

 さて、「justiciable event」が少ないのは、人々が平和に暮らしているから争い事が少ないからなのでしょうか? うちのPolicy Studyの先生(Prof Mike Adler)の見方は異なります。それはつまり、スコットランドの人々はいさかいが起こっても、「訴訟に値するような」いさかい事だとはまさか思わないからだそうです。

出典:Genn, Hazel (2001) 「Paths to justice Scotland : what people in Scotland do and think about going to law」 154頁

14 Nov 2003


その22: 資金の凍結?

 Bank of Scotland (実質的にはHalifax銀行です) の口座を開設したらトラブル続きだったという話は以前しましたが、その後最大級のトラブルが訪れました。
 私は、普段はLloyds TSB 銀行の口座を使っているのですが、お金の管理の都合上、Bank of Scotland に£5,000の小切手を切って入金したら……、なんとお金が下ろせない!!銀行に問い合わせると、「テロリストの資金洗浄の疑いがあるので、一時的に資金を凍結(temporally frozen)しています」とのこと!(それならばカウンターで入金する際にあらかじめ教えてほしかったです……)。当座に必要なお金を下ろさせてほしい旨を依頼すると、「ですから、資金を凍結しているのでそれはできません」とのことでした。その上で、「We would like to stress that this security check is as much for your protection as that of the Halifax」だというのだからたまりません。(なお、「どの銀行でも同じようにしています」とは言うのですが、私は少なくとも Lloyds TSB でこんな目に遭ったことはありませんでした。)
 おかしな書面にもサインをさせられました。他の項目を空欄にしたまま「Request for Withdrawal」(出金依頼書)のサイン欄にサインをしてほしいとのこと。さすがにこれはおかしいのではないかと抵抗しましたが、係員は「自分もなぜだか分からないがここにサインが必要とのことです」と取り付く島もありません。いかようにも悪用されかねない書類を作らせるこの銀行の Internal Control はどうかしているのではありませんか?
 凍結の解除の申請をしなければならないので必要な記入事項を眺めてみると、内国歳入庁から私の個人情報を引き出してよい旨の承認までしなければならないようです。私の場合ちっとも困りませんが、プライバシーを重視する人ならば大いに抵抗感があることと思います。
 銀行口座を1つしか持っていないとまさかの際に困ると思って開設した2つめの口座が結局トラブル続き。本当に困ったものです。

23 Nov 2003


その23: スピード違反

 ついにやってしまいました。スピード違反です。Wester Coates Road (Haymarketの西のBUPAの病院の近く) の自動監視カメラに引っかかってしまいました。日本での10年以上の無事故無違反歴はどこへやら?妻の自動車教習の教官曰く「ああ、あそこはスピードが出るから、よく引っかかるそうだね」とのこと。あ〜あ。

 エディンバラ市内一帯は時速30マイル制限です。その他、家が建ち並んでいて(Built-up area といいます)、街灯が設置されている道路は標識がなくても30マイル制限です。私の個人的な経験では、給油をしたり、観光を済ませて再びドライブを始めた直後が、自分が時速制限区域内をドライブしていることを忘れやすい瞬間です。

 こんな(↓)いかめしい書面が送られてきます。
 

文面:
Notice of Intended Prosecution
In accordance with Section 1 of the Road Traffic Offenders Act 1988, I hereby give you notice that it is intended to take proceeding against of motor vehicle regisration mark (車両番号) a (車種) for the alleged offence of failing to comply with a statutory speed limit at XX:XX on XX-XXX-2003, at West Coates opposite Wester Coates Road. Speed 42 mph.
(中略)
This Allegation is Supported by Means of Photographic Evidence.
You have been named as the driver of the vehicle mensioned above. If this is so you are required to supply, on the form overleaf, your full name and address. If you were not the driver, give name and address of the person driving at the time and location specified above.
(後略)

「intended prosecution」という言葉の怖さに驚いて、こわごわ警察署に直接出向いてきました(郵送するだけでよいのですが……)。分かったこと:

・ 「intended prosecution」とは、「ものすごいスピード違反の場合や、この書面に同意しない場合はSheriff Court (下級裁判所)に起訴しますが、通常の場合は、同意の上、減点と罰金で済みます。」という意味だそうです。
・ 「オービスに写っている写真の証拠がある」という文面ですが、実際には、後部から撮影された車の全景の写真しかありません(長尺のフィルムに100台ぐらいの車が撮影されていました。)。車内は暗くて、後ろ姿さえよくわかりません。時間や場所、車両ナンバーをよくチェックした上で、承諾の書面を書いた方がよいでしょう。
・ 通常は14日以内に発送するそうですが、レンタカーの場合、突き止めるのに数ヶ月を費やしたりもするそうです。
・ 「この場所が30マイル制限とは知らなかった……。その後同じ場所でもう一回ぐらい引っかかっているかも……」と落ち込んだところ、担当者いわく、「カメラはいつも作動してわけじゃないよ。そんなにナーバスにならないで。それに42マイルなんてそんなひどい違反(offense)じゃないよ。もう一回ぐらい違反してもまだ大丈夫。」との軽いひと言……。
・ 30マイル制限の場所のスピード違反(60マイル未満)の場合の罰金は、3ポイント(12ポイントマイナスまでは運転可能です。)+£60です。なかなか手痛い出費です。

7 January 2004

 なお、10マイル超過程度の minor offense でも、繰り返してしまうとレンタカーが借りられなくなったりするようですので気をつけて下さいね。

補注: あとから分かったことなのですが、厳密には、スピード違反の事実にまだ同意していない人に対して、Speed Camera の写真を見せてはいけない(いけなかった)そうです。私のような例があるからといって、「写真をまずは見せてくれ」と言って、善良な警官を困らせないで下さいね。日本のスピード違反に対する行政罰と同じ感覚で差し支えないと思います。このような言葉に表せない類似性は、Socil-Legal の恰好の研究対象かも(笑)。(30 Jan 2004)


その24: 海外から書籍を取り寄せたら

 海外で出版された書籍(PriceWaterhouseCoopers のドイツ法人の出版物)が必要となり、インターネットで探したら、ありました。住所と必要数量を入力したら……、あれ、後払い?品物が届いてしまいました。
 信頼してもらったのはいいのですが、お金の支払いが大変でした。まず、請求書には、銀行名・支店名・Sort Code と口座番号しか記載されていません。国際振り込み(T/T)をするには、いろいろな情報が必要なのです。先方に電話をしてみても、「英語は苦手」と言われたり、全く理解不能(=ドイツ語)の留守番電話だったり……。FAX で問い合わせたら、「送金に必要な情報は請求書に網羅されています」とにべもない返事が。
 仕方なく、振込先の銀行に電話をして、送金に必要な情報を聞き出したのですが、アルファベットが聞き取りにくく(しかもドイツ人だからうっかりWとVを間違えていないかと詮索したりして)何度も聞き返したものですから、銀行の案内嬢を怒らせてしまいました。「Thank you very much.」「You are not welcome.」ですって……(笑)。
 そして、いよいよ送金です。銀行の窓口で送金依頼をすると、手数料が£30(!)も掛かるので、節約のために、テレフォンバンキング(手数料£14。Bank of Scotland の場合)にしました。とはいえ、電話で振込先の名称、住所、銀行の名称と住所を告げるのが大変でした。昔、みどりの窓口がない国鉄の小さな駅の駅員さんが大きな駅に電話をしてくれて「ボストンのB、イングランドのE」とか言って確認しながら指定券を発券してくれたのと同じような雰囲気です(参考)。ちなみに、この手数料(£14)の他に、ドイツの振込先の銀行からも手数料が請求されるそうです。よほどのことがない限り、前払いの書店を探すか、イギリス国内で代理輸入をしてくれる書店を探す方が賢明でしょう。

5 February 2004


その25: どうしてついついピトロッホリーに立ち寄ってしまうのかなぁ

 エディンバラ生活も2年目の中盤に入り、ハイランド旅行へも何回か出かけました。そこで、常々感じていた疑問が一つ。「どうして、用事もないのにピトロッホリーについつい立ち寄ってしまうのだろう??」

 今日、統計学の授業に出て、何となく、その疑問に応えるような面白い発見をしました。

 上図は、スコットランドの16都市間の相互距離を統計処理して、相対位置を2次元にプロットした図です(説明が下手ですみません。厳密な説明はこちら。)。いままで、パースがスコットランドの中心地点だと何となく思っていたのですが、この図上を見るとパースは実際の位置よりもかなり東にずれているではありませんか!(数学的には厳密性を欠いていますが、)簡単に考えると、図の原点(0,0)は、ある都市から別の都市へ向かう行程における平均的な中間位置に当たります。あれっ、ここってピトロッホリー?なるほど、何となく、この町で休息を取りたくなるわけです……。

 距離ではなく、時間距離をもとにスコットランドの各都市の相対位置関係をプロットしてみたいという気持ちがあるのはヤマヤマなのですが、ここのところ、徹夜をするぐらい忙しくて断念。この文章も何だかまとまりがなくてごめんなさい。ちょっとした休憩の話題でした。

27 Feb 2004


その26:散髪について

 エディンバラでは、男子学生の散髪は安いです(£5程度)。洗髪・顔そりはありません。私は2ヶ月に1度ぐらいの頻度で、理容店に行っています。と、ここで問題なのですが、私は、髪型に関する語彙を持ち合わせていないのです(日本語でも同様)。そこで、あちこちの理容店で、「just trim, please」と一年半の間、言い続けてみました。すると……

 もともとサラリーマン風の髪型だったのですが、ちょっとずつ髪型が変わり、今日は、ついに、スタートレックの「Mr Spock」のような髪型になってしまいました。妻は大喜び。しくしく。

 10 Mar 2004


その27:バグパイプの音階

 私はもともと音感が悪い方ではなかったのですが、最近、音程がわからなくなってきてしまいました。原因は、どうやら町のあちこちで聞こえてくるバグパイプの音のようです。

 まず、バグパイプとは。インターネットなどで "Highland Cathedral" の音色を検索して試しに聞いてみて下さい。
 http://southcarolina.bagpiper.com/page7.html (5.38MB) がお薦めですが、取り込みに時間がかかるのが難点です。

 次に、対応する楽譜を見て下さい(下図)。

 
Highland Cathedral (部分)

 「全然違うじゃないの?」とびっくりなさる方が少なからずおられると思います。実は、バグパイプは半音が鳴らせないので、楽譜には初めから半音記号が付いていないのです。この楽譜に♯を4つ(=音を一つずらして♭を3つ)付ければ、実際の音程になります。

 つまり、変ホ長調。この音程を町のあちこちで耳にした結果、ト長調の音色よりも耳が慣れてしまって、普通の音楽を聴いたら混乱してしまうようになったということのようです。

17 Apr 2004


その28: あなたのScottishnessチェック

暇ネタですみません。以下の事柄が全部当てはまるあなたは多分スコットランド人でしょう!

・ ウィスキーのGlenmorangieの正しい発音を知っている。
・ バグパイプの音階(ベース音のシ♭に合わせた変ホ長調の曲が多い気がする。)はト長調より自然だ。
・ 1月2日は祝日に決まっている。
・ イングランド対ポルトガル戦では、たぶんポルトガルを応援する。
・ お札は、いろいろな銀行が発行するほうが楽しくてよいと思う。
・ 日曜の午前中ぐらいはお酒が買えない方が健康にもよいと思う。
・ 英語には正書規則がなくて、発音が滅茶苦茶だ。Wednesday は「ウェドゥンズデイ」と発音してもいいと思う。
・ ピーターバラ(Peterborough)の綴りは、ロシアのペテルブルグと紛らわしいと思う。
・ 街でユニオンジャックが掲げられているのを見ると、「何事があったのか?」と驚く。
・ 100マイルはたいした距離とは思わない。
・ 出かける時晴れていたら、傘を持たずに出かける。
・ サーモンよりもキッパーの方がさっぱりしていると思う。
・ 屈強な男性にはキルト(タータン柄のスカートのような正装)が似合うと思う。
・ たとえ外気が氷点下でも、夜間にセントラルヒーティングの主電源をOFFにしてガス代を節約する。
・ Fiddle とはどんな楽器か知っている。
・ ケリー(Ceilidh)に行ったことがある。
・ 半袖の人と、コートを着こんだ人が並んで歩いているのはごく自然な光景だと思う。
・ Irn-Bruという飲み物を知っている。さらには、この炭酸飲料がイギリス全土で売られていると信じている。
・ 「行ったことのある外国は?」と聞かれたら、イングランドもその数に入れてしまう。
・ 頷くと、思わず「アイ」と言ってしまう。

26 Apr 2004

解説
・ Glenmorangie は「グレンモランジー」です。
・ イングランドでは1月2日は休日ではありません。
・ よく知られたことですが、イギリスでは、サッカーやラグビーのチームはイングランド・スコットランド……に分かれています。そのため、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランド・フランス・イタリアの「6カ国国際大会」などというものが存在し得ます。
・ スコットランドでは、お札は3つの銀行が発行しています。全く等価で、図柄が異なるだけです。イングランドでも通用しますが、日本に持ち帰っても両替できません。
・ スコットランドでは、日曜日の午前中はお酒の販売が禁止されています。
・ Wednesday のことを「ウェドゥンズディ」と発音する人はたまにいます(お年寄りに多い)。一般的に、スコットランドの英語発音は、標準英語よりも綴り字とよく対応しています。
・ スコットランドでは、「バラ」(古い英語で「都市」のこと。ストラスブルク、ペテルブルク、ヨハネスブルク……など外国にもよくありますよね。)は「burgh」と書きます。
・ ユニオンジャックは、女王陛下が滞在中のホリルード宮殿などには掲げられていますが、あまり目にすることはありません。イングランド国旗は、ラグビーのスコットランド対イングランド戦などが開催されるような特殊ケースを除いて、町中で見ることは皆無です。
・ 「駐停車禁止この先200マイル」のような交通標識を目にすることも珍しくありません。
・ キッパーとは、薫製ニシンのことです。
・ 真冬に泊まったB&Bで夜に集中暖房が切られて寒く感じることがよくあります。湯たんぽを持っていった方がいいでしょう。
・ fiddle とは、violin のことです。演奏技法が異なります。
・ ケリーとは、スコットランド・アイルランドのダンスです。
・ 「aye」とは、スコットランドで「yes」のことです。古語英語で、今でも議会の票決には用いられている語彙ですね。


その29: リスニング能力などについて

 私は、こちらで外国語を少々勉強しているのですが、なかなかいろいろと面白い経験をしています。

 ヨーロッパを見渡した場合、英語という言語はかなり変わった言語であると思います。英語には正書規則がないので、外国語の発音をメモするのに困るようです。クラスメイトのメモを覗き込ませてもらったら、「moor の oo の発音」だとか、いろいろと苦心しながら発音を覚えているようです。それでもカタカナしかない日本人からすれば十分外国語を習得する上で恵まれているなぁと思います。

 ところで、クラスメイトのイギリス人達は(オーストラリア人、カナダ人なども含む)、意味が分からなくてもテープから流れてきた声をとりあえずリピートできるのです!どうやってセンテンスを全部覚えているのか不思議でなりません。このあたりは、同じ母音・子音を共有している強みかなぁとしみじみ感じます。あと、彼らに対して感じた意外なハンデは、私は「人名をよく知らない」ということでした。ともかく、意味が分からない文章の中から、彼らは、人名を聞き分けることができるようです。また、彼らはその人名が女性か男性かを区別できるので、リスニングについては私はかなり不利に感じました。

 ところで……。発音に関しては、我々は一般的にはそれほどコンプレックスを持たなくてもよさそうです。例えば、イングランド人は、ドイツ語の「ch」の発音ができません(スコットランド人はできます)。ウムラルトの発音も苦手です。フランス人は「h」の発音が苦手で、しばしば、「kh」に近い発音で代用します。イギリス人は、英語に近い外国語のスペルに出会った時、しばしば大混乱をしています。などなど。(ただし、私の発音の悪さといったら、日本人の平均レベル以下ですので個人的には苦戦していますが……)

 また、一般的に言って、イギリス人は文法が苦手です。動詞の完了体・不完了体の別や、名詞の性・数・格の概念があやふやなので、困っているようです。

 と、少々希望が持てるような話題から、次は悲観的な話題へ。私は、実は、ラテン語も受講しているのですが、なかなかつらいです(発音は簡単なのですが)。ネイティブの圧倒的な英語の語彙力にしばしば圧倒されます。
例:
・ 「aedifico」=build. 「edifice から類推できるよね。」
・ 「hortus」=garden. 「horticulture だから何となくわかるかな?」
 このくらいなら後知恵で分かって悔しがれるのですが、もっと強烈な英単語がいっぱい出てきて、結局、単語の意味が授業中に分からずじまい……というのがしばしば(「castigo」=castigating とか……)。混成言語である英語の底力を見せつけられたような感じです。

5 May 2004


その30: 王室御用達?

 イギリス製品にはよく、「女王陛下御用達」みたいなマークが付いています。これがなかなか身近な日用品に多いので笑いを誘うことがあります。例えば、ケロッグのコーンフレークにも王室御用達のマークが入っています。「うーん。ケロッグのコーンフレークをお召し上がりになることもあるんだろうなぁ」とずっと思っていました。

 ところが、P&Gの「Fairy」という洗剤に同様のマークを見つけた時には驚きました。

http://www.pgprof.com/uk/html/uk_ki_fairyliq.shtml
By Appointment to Her Majesty the Queen
Manufactures of Soap and Detergents
Procter and Gamble UK, Newcastle upon Tyne

 女王陛下が手ずから食器をお洗いになるようなことはありますまい。さすがに、これって一体どういうこと???

7 May 2004


その31: プライベートブランド商品

 イギリスの大手スーパーは日本と同様プライベートブランド(PB)商品が数多く売られています。これがなかなか驚きの連続です。

 今までに一番驚いたのが、綿棒。「WARNING: Do not insert into the ear canal.」 ……! 何のために使うの? おそらく怪我について責任を持たないための注意書きだろうと思って普通に使うと、綿が耳の中でいとも簡単に心棒から外れてしまいました。
 歯磨き粉・整髪剤の類も要注意です。通常のブランド商品よりも簡単にできていますので、旅行カバンの中でチューブ・缶が簡単につぶれます。気をつけて下さいね。

 さて、プライベートブランドの廉価商品には驚くべきものがあります。例えば、マメの缶詰が9ペンスとか。缶の値段よりも安そうです。いろいろ試してみたのですが、普通の商品と遜色のないものから「これはちょっと……」と思えるものまでいろいろです。例えば、前述の歯磨き粉などは、普段使いのためには全く問題ありません(たぶん)。ルーズリーフなどの文具類も特に問題はありません。ところが、コーンフレークやインド米など、食料になると、「ちょっと味が劣るなぁ」と感じるケースが増えます。そして、「TE○CO VALUE Cheese Cake」なんかの嗜好品になると、さすがに手を出す気がありません。一度試してみましたが、「チーズケーキを食べたことがない人だったら食べられるかなぁ」という感じの味でした。
 おそらく、自分にとってなじみの深い商品、違いがわかる商品であればあるほど、このような廉価商品に対する認容度が低くなるのではないでしょうか。お菓子類や一部の缶詰以外はだいたいOKな私って、「違いのわからない」人間かも?

24 June 2004 


その32: 当たり付きの商品

 うちの近所のスーパーで、ある加工食品(種類を書くと商品が特定できてしまうのであえて伏せます)を買いました。すると、当たり。もう一個もらえることになりました。そして引き替えに行って、その商品の封を開けると……、また当たり。まさかと思って、今日、また引き替えに行ったら、また当たり。運を使い果たしそうです。今度引き替えに行ってまた当たっていたらどうしよう……とつまらないことに悩む毎日です。
 さすがに、気の毒になってメーカーに事例を届け出ておきました。ひょっとして、当たりくじとハズレくじの数を間違えていたらメーカーには大打撃ですからね。

 ところで、この当たりくじを引き替えると珍現象が起きるのです。

レシートの例

他購入商品 £0.70
当該の商品 £2.96
£3.66
クーポン券 £3.62
現金 £0.04

  つまり、単純に言うと、当たり券を品物と引き替えると、£0.64のお釣りがもらえることになります。レジの人もさすがに驚いていました。

 このように、クーポン券の価額と、商品の販売価格が食い違うケースは珍しくありません。新聞の無料クーポン券も同じ原理なのですが、新聞はほぼ定価販売ですし、小売店で買う場合は現物同士を引き替えになるので気が付きにくいだけです。このシステムの長所は、クーポン券(当たり券)はどこの店でも引き取ってもらえる点にあります。券を回収した小売店は、卸業者に、手数料を上乗せした額でこの券を引き取ってもらえるようです。新聞の無料クーポン券ってあちこちでもらえるのですが、小売店の人が自分で使ったりする悪用はないのかなぁ? 

2 July 2004


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