京都府教員採用試験

2次試験概要(2000,8月)

1次試験の内容が、一般教養、専門教養など教員としての基礎的能力を判断するものであったのに対し、2次試験の内容は、面接、模擬授業、実技といった教員としての適性を見るものとなる。さまざまな質問に答えていくうちに受験者の人柄や教育に対する熱意、理解、適性などあらわになってくるものである(管理職談)。

以前は1次試験が通れば2次はほぼ安心といったころもあったが、「人物重視」の傾向が強まる中、1次試験合格者数を増やして、2次試験で人物評をする。つまり、2次試験でも多くの不合格者を出す、といった流れがある。最後まで気を引き締めて受験に臨む姿勢が大切。

詳細とコメント
個人面接 10分程度、面接官は3人

大学時代のクラブ・サークル活動、留年の理由といった個人的な内容jから、「大学受験を失敗した生徒にどう対応するか」といったケースワークのようなものまで様々な角度から質問される。とんちんかんな答えは置いておいて、これらの質問に100%の正解も100%の不正解もない。自分なりの考えを述べればいいわけであるが、「教師の立場で述べる」ということを常に念頭に置くべきである。教育実習を経験したといっても、大学生はやはり学生である。ともすると生徒の側からものを見る傾向がある。「学校の体制が悪い、教師が生徒を理解していない」つまり、学校、教員側に問題があると考えるのである。現実の教育現場はさておき、教員や学校を非難することは、あなた(受験者)自身を非難することとなる。なぜなら、あなたは教師であるからだ。消極的に問題点ばかりをあげつらうのではなく、積極的に解決方法を見いだす姿勢が大切である。最近、学級崩壊、日の丸・君が代の法制化などさまざまな教育現場での問題が取りざたされるが、教員として、当事者として考えていく習慣を身につけるとよい。

総合力

実践テスト

面接官3人

指導案作成(15分)、模擬授業(10分)、内容に関する面接(5分程度)

数十枚の封筒の中から好きなものを選び、その中にある用紙の指示に従って、模擬授業を展開する。

指示例
「高校の入学式の後、教室でクラス担任として新入生に自己紹介とあいさつをする」
「遠足の意義と留意点についてホームルームをする」
「一泊二日の宿泊研修に関して、1週間前に保護者への説明会をする」
「高校3年生に対して進路指導のホームルームをする」(2年生の人もいた)

以上の例は、受験者から聞いたもので、一字一句指示書通りというわけではないが、だいたいの内容がわかっていただけると思う。

作業は、別室でこれらの模擬授業に関する指導案を書くことから始まる。指導案といっても「模擬授業のメモ・・・・」と書いてあるくらいで、授業(スピーチ?)の流れを書いた程度のものでよいらしい。(模擬授業終了後、面接官に提出)

面接官のいる部屋で、上記に関する模擬授業を行う。ほとんど10分間一人演説の状態であるが、生徒がいるという前提で行う(模擬授業というのは当然そういうものである)。10分が長かったという受験者もいれば、時間が足りなくなったという受験者もいた。教科の模擬授業よりもこのような指導に関する模擬授業に抵抗感というか苦手意識をもつ受験者が多かったように思う。遠足や宿泊研修の留意点など、実際に指導にあたったことのない人には想像もできない内容でもあるらしい。

模擬授業終了後、内容に関する質問や、「高校中退者の増加」など教育全般に関する質問を面接官から受ける。この質問がけっこう深くて、多くの受験者が上の個人面接よりもやっかいだったと感想を述べていた。

実技 英会話(高校英語の場合)

ネイティブ1人、日本人面接官1人、受験者8人ほどの集団面接。ネイティブの試験官から英語で質問を受け、その質問に対して受験者全員がそれぞれ英語で意見を述べる。

質問内容:もちろん全部英語で尋ねられます。

○「行ってみたい外国はどこですか」(これはウォーミングアップですね)

○「日本の文化と西洋文化(western culture)について、あなたがここがちがうなーと考える点」

○「日本人の英会話力は低いと言われているが、その原因は何か」

○「英語教師として一番重要と考える能力(ability)は何か」

パソコン 実施時間:30分

今年度から導入されたパソコンの実技。一太郎10、ワード2000、エクセル2000が使用可能ソフトと事前に連絡を受けていたが、実際には表計算ソフトであるエクセルを使用しなければならない状況であった。具体的には

問題が用紙とフロッピーディスクで配布される。フロッピーの文書を開くと、罫線の引かれた表が出る。その表に問題用紙の指示に従って、データ入力する。

1,名簿番号と氏名、教科と得点を入力。
2,漢字1〜3(国語)の個人平均点を出す。(セルに関数を入力する)
 ※数字は小数第2位を四捨五入、第1位までが表示されるように設定する。
3,各教科の全体平均点を出す。
4,全教科の個人平均点(総合点)を出す。
5,4の総合平均点から順位付けをする。(rank関数を用いる)

普段の使用で上記のような内容をワープロソフトで行っている人がいったいどれくらいいるのだろう? しかも印刷した紙と保存したデータをフロッピーで提出するわけであるが、データの保存は、○○○○.xlsと受験番号にエクセルの拡張子をつけるようにとの指示があった。(せっかく一太郎をバージンアップしたのに〜)

1の項目は入力、2〜5は職場でよく用いられる関数であるから特に特殊な問題ではなかったが、普段パソコンに親しんでいない人、あるいはワープロとしてのみ使用している人には、少々手強いものであった。(受験者複数の意見)

 


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