■部歌紹介

歌詞

一、
霞に明くる春の朝
光漂う花の陰
弓弦の音の高鳴りに
眠れる蝶や驚かん

二、
霧に暮れ行く秋の夕
山の紅葉の緋(ひ)ぞもゆる
若き血潮に張る弓の
望月なせる姿かな

三、
ここ吉備の野の一角は
芽ぐみ初めにし栴檀(せんだん)
双葉の薫りいや高く
培い来にし幾星霜(いくせいそう)

四、
三千年の武士道の
清華(せいが)の彩(いろ)にあこがるる
清き心の共鳴(ともなり)
永き我部の命なり

五、
見ずや念頭一邪無く
無言の的に向かうとき
気は丹田に納まりて
魂大空(こんおおぞら)を呑まんとす

六、
誓ひを神に捧げつつ
放つ自信の一矢にも
(く)しき運命の悟られて
刹那に醒(せい)なる吾心