「ルナサ」ライブレポート
'00.3.15 wed pm 7:00〜 @東京・青山CAY

現役最強の若手トラッドバンド、ルナサ待望の来日公演を青山CAYで観てきました。
とにかくメンバーが豪華なこのバンドの布陣はまさしく「スーパーバンド」の名に相応しいもの。 詳細はこちらを見ていただくとして、今回の来日メンバーはシーン・スミス(フィドル、ホイッスル)ケヴィン・クロフォード(フルート、ホイッスル、バウロン)、ドノ・ヘネシー(ギター)、トレヴァー・ハッチンソン(ベース)そしてゲストプレイヤーとしてキリアン・ヴァレリー(パイプ、ホイッスル)の5人。
開演10分前に着いてみたらば会場内は既に満杯。前売りはソールドアウトだというから驚きです。とても前方へ進めないので後ろの方で開演を待っていたら目の前にトレヴァーがのっそり現われて、数人の女性と談笑している。後でステージから紹介していたが彼の妹さんがいらっしゃったようです。
ほぼ定刻どおりにメンバーがステージに現われ、横一線の立ち位置に並ぶ。ステージ向かって左からトレヴァー、ケヴィン、一段高くなった台の椅子に腰掛けるキリアン、シーンそしてドノ。全員ほとんど普段着のようなイデタチ。
ステージでのシャベリは全てケヴィンの担当。曲はケヴィンによって実に詳しく説明されてから始まります。「次に演奏するのはリールとジグのチューンで誰々の曲で...」といった風に。きっとメンバーに確認の意味もあるのでしょうね。そして演奏されたのはアルバム収録以外からの曲も多くあり、スペインガリシアのトラッドやビル・ウィーランの「Time Dance」、シーンが参加したドーナル・ラニー・クールフィンの曲などなど。とにかくグルーヴが凄い。リードを執るケヴィンのフルート(もしくはホイッスル)、シーンのフィドルとキリアンのパイプスがユニゾンになったりケヴィンがカウンターメロディやスタッカートを使って様々な表情をつけたり。そしてなんといってもこのバンドの最大の特徴であるトレヴァーのベースとドノのギターが煽る煽る。トレヴァーのベースは細いボディのエレクトリックアップライト。指弾きで曲をドライヴさせ、ボウを使って彩りを添える。ドノのギターはナイロン弦のエレガット。切れのいいコードカッティングがパーカッシブな効果をもたらす。この5人の卓抜したプレイが重なった瞬間はもう音の化学反応というべきか。ルナサはヴォーカルを入れないインストだけのバンド(ケヴィンは「みんな歌がダメでさ」と言っていた)。しかし一瞬でも気を抜けない演奏が次々と畳みかけるように繰り広げられる。ステージ前半だけで約50分。完全に圧倒されてしまった。ロックで言うなら極上のギターソロをずーっと聴いてるようなもんだからね。

休憩に入ってすぐ後ろから肩をトントンと叩かれる。振り返れば、お久しぶりにお会いするSさん。ちょうど一年前に大崎のアイリッシュパブでのライブに誘って頂いて以来。Sさんはもともとハードロックがお好きで数年前からアイリッシュにハマッて今はイリアン・パイプスを修得中です。この秋にはパイプ留学されるとのこと。是非、頑張っていただきたい。「前に行きましょう」というSさんに促されて椅子席の近く、客席中央の右寄りちょうど楽屋口の辺りに陣取る。ステージ丸見え。
後半もドノ作曲の新曲などアルバム未収録の曲を織り交ぜながら進行。「いつもお世話になっている、そして今回の来日に尽力してくれたミュージックプラントの野崎洋子さんに捧げる」と言って2ndに入っている「Storen Apple」をなんとトリプル・ロー・ホイッスルで演奏。基本的にパーカッションを使わないルナサだが一曲だけケヴィンがバウロンを披露。終盤に向かうにつれジグやリールのノリのいい曲がどんどん繰り出され、椅子席も一番前の桟敷席というか地べたに座っていたお客さんも立ちあがってケヴィンとシーンの軽いアイリッシュステップも飛び出して、みんな跳ねる跳ねる。最後の曲が終わって会場の歓声はすぐにアンコールを求める手拍子に変わる。メンバーはステージの際に少し寄っただけですぐ中央へ。そのままアンコール。
アンコールは2回あったんですけどどっちが先だったかなあ?パイプのキリアンを一人でステージに上げ、ケヴィンが「今日のメインはこのキリアンです。みんなより一段高い所、それも中央に座ってるんだから」と紹介し、彼のパイプソロが始まってだんだん盛り上がってきたところでケヴィンとシーンが加わり、さらに盛り上がったところでトレヴァーとドノが加わっての演奏。とにかくもう凄い激しい盛り上がり。そしてもう一方のアンコールは「このメンバーではやった事ないんだけど...」とか言いながらジグ2曲、リール2曲のチューン。会場割れんばかりの喝采のなかメンバーがステージを降りて握手攻めに会いながら楽屋口へ。みんな私の目の前を通っていく。「いやあいい音楽をありがとう」ってなもんで拍手で見送ってたら最後に来たケヴィンと何故か握手してしまいました。
演奏の素晴らしさはもう言うまでもないんだけど、ステージングがこれまた素晴らしかったです。アルバム以外の曲もいっぱい演ってくれるし、ケヴィンは楽しいお喋りと仕草で盛り上げてくれるし。
バンドは引き続き世界中をツアーで回るようで、是非とも今ツアーのライブアルバムなんか出して欲しいですね。

MUSIC PLANTさんのツアーレポ

IR BBS
guestbook
MAIL


[戻る]


ジオシティーズの入り口へ
 このコミュニティの入り口
 へ ご近所を訪問する