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「もっと遠いところに帰らなきゃならない人だっているんだからさ」

ドミンゴス温泉ツアー'99 in 浜名湖かんざんじ温泉


◎帰りのバスにて・その2



この旅で2度目の一休さん乗車に、みんな拍手を送る。まずはそれに大げさに答えることもなく、静かに腰かけた一休さん。
バスが動き出すと、一休さんはこちらにくるっと振り返った。みんな、「イェ〜イ」と手を振る。そして、一休さんが私達に問いかけた。
「さっきまでは、何をやってたの?」
「カラオケ大会〜!」
「えー、カラオケ!? そんで、盛り上がってたの?(←疑わしそう)」
「盛り上がったー!」
「ほんとにぃ?(←まだ疑ってる) じゃあ、これから何をしましょうかね。あ、ビデオがあるんですね。じゃあ、これを観ますか? 新宿に着くまでに終わりますかねぇ?(と、旅行会社の方に問いかけ) ・・・あ、そんなにはかかんないすか。どうする? ビデオ観ますか? それとも、また何か話しますか? ビデオ観たい人!」

と、一休さんが挙手を求めるけど、手を挙げたのは何人か。
「じゃあ、僕の話を聞きたい人!」
これにはけっこう手が上がる。
「うーん、それじゃあ、最初にちょっとだけビデオを観て、それから何か話しましょうか。それでいいですか〜?」
「は〜い!」

と、いうわけで、まずはドミンゴスデビュー1周年の記念ライブ(だったと思った)のビデオを観た。ちなみにここでも一休さんの衣装は帽子にフリル付きのシャツ。現在ステージに出るときに必ずスーツを着ることにしているのと同じく、この当時はこの衣装で出ることにしてたのだろうか。
その様子を見て、誰かが「かわいーっ!」とつぶやいた。それを聞いてか、
「こんときのオレ、かわい〜よなぁっ!」
と一休さんが言う。すると、
「かわい〜っ!!」
という声が返った(もちろん私もまざっている)。
自分を「かわいいよなぁっ」と言ってしまう一休さんもまたかわいいんだなこれが。
この頃のライブになると、前日観たノブさん正式加入前の頃のライブと違って、知ってる曲が多い。昨日以上に口ずさむ回数が増える。

しばらくすると、一休さんがこちらを振り返り、
「そろそろビデオ止めますか? それとも、まだ観る?」
と私達に聞くが、いまいち反応が薄い。と、いうか、話は聞きたいけど、まだビデオも観ていたいという心理のあらわれだろうか。
「ほら、どうする? ・・・あー、『マイペース マイライフ』始まっちゃったよ。どっち?」
うわ、「マイペース マイライフ」だっっ! 今夏のツアーでしかこの曲を聞いたことのなかった私は、つい大喜びで歌い出してしまう。一休さんの問いかけに応えたい気持ちは大いにあるのだが、曲も聞きたいもんで、歌いながらも一休さんの顔を見て「そろそろビデオ止めましょう!」のテレパシーを送(ったつもりにな)る。
結局、「マイペース マイライフ」が終わるか終わらないかのところでビデオは終了。一休さんの話をみんなで聞く。

一休さんはほんとにいろいろと話をしてくれるもので、どういう順番で話をしてもらったんだかよく憶えていない。ううっ、すんません。
ただ、後半はファンそれぞれにどこから来たか聞いていったんだな。
「じゃあ、後ろの席の人から順番にどこから来たか教えてもらえますか? マイク、ある?」
先ほどのカラオケ大会で使っていたマイクで、それぞれどこから来たか言っていく。

面白かったのは、みっきーの番になったとき。
「どこから来ましたか?」
「千葉県の、柏市です」
「柏市ねえ・・・」
「あの、サムエルの出身地なんですけど・・・」
「ああ、サムエルね!」
「あと、高木ブーとか・・・(笑)」
「え、高木ブー!?(笑) 高木ブーとかって、よく来たりすんの?」
「来てますよぉ」
「そんで、何すんの?」
「ウクレレ弾いてます(笑)」
「あはは! そんで、アロハ着て? ははは!」

かなりウケまくっていた。サムエルのホームタウンといえばかなりいいイメージだが、一休さんの頭の中にはおそらく高木ブーの方がだんぜん強く刻まれたに違いない。気の毒というか何というか・・・。しかし、つかみはOKだったと思うよ(フォローになってない!?)

それと、もえさんのもかなり印象に残ってる。
もえさんはどうやら眼鏡店勤務のようで、一休さんが以前「メガネを作りたい」と言っていたのもあり、一休さんに似合うフレームの種類などの相談に乗ってアドバイスしていた。そして、
「(メガネを)作るときはぜひうちのお店に来てくださーい」
と、しっかり宣伝。

そして、私の番。マイクを渡され、話し始めようと、一休さんにちょっとおじぎをすると、
「・・・あー、憶えてる、福島だよね!」
と、私が話し出す前に叫んだ。おお! 憶えてもらってる! 「そうですぅ」と、ニコニコ応える。
「福島のどこだっけ、えぇっとぉ・・・」
「本宮町です」
「そう本宮町! 郡山の近くの! うん、そんで、オレの母親が福島の喜多方市(の生まれ)なんだけど、ガキの頃親の里帰りによくついてったんだよ。そんとき、「また来てくらんしょ」とかいう言葉が書いてある看板をよく見て。あれがけっこう好きだったんだよ。やっぱり、そういう方言しゃべったりする?」
「しますよぉ」
「あれは、標準語だとどういうの?」
「『また来てください』ていう意味です。そんで、『来てくらんしょ』をもっと縮めた言い方で、『こらんしょ』っていうのもあるんですよ」
「へえ、『くらんしょ』と『こらんしょ』というのがあるんだあ。難しいなあ・・・。でも、ほんとに福島っていいとこだよな」
「うん、いいとこです。今度、福島にもライブしに来てくださいよお」
「そうだなぁ」
「郡山に『Hip Shot』っていうライブハウスがあるんで、ぜひ! 来てください!」
「やだ!(笑)」
「えぇ〜っ(←ぶーたれる)」
「『来てくらんしょ』って言ってくれたら、行くよ」
「・・・来てくらんしょっ!(←実はかなりはずかしい)」
「うんっ!(#^_^#)」

その、ニコニコしながらのかわいらしい「うんっ!」にかなりやられましたね。そう返事したからには、絶対来てもらうからねっ、一休さん!

結局、マイクは全員に回ることはなかったんだけど、途中で一休さんが「東京から来た人ー」と聞いて、過半数が手を上げたのを見て、自分が昔東京でやったバイトの話をしてくれた。
たしか、信じて、ずっと尊敬してたバイト先の社長さんが、実は詐欺師だったという話・・・。今となってはもう笑い話だ、と一休さんは言ったけど、でもその話をしている一休さんの表情は、ちょっと淋しそうだったのを憶えてる。

その話が終わる頃、とうとうバスは都心に入った。窓の外の景色がどんどん都会の景色に変わっていくのを見て、私は淋しくてたまらなくなった。これで、楽しみにしてた温泉ツアーもおしまい。仲良くなったみんなとも、ドミンゴスのメンバーとも、当分の間お別れ。そう思うと、涙が出そうだった。

そしてバスは首都高速を下りて、街なかに入った。ここで、一休さんが今回の旅行の感想を話す。どんなことを言ったか詳しくは憶えてないけど、「すごく楽しかった、また来年もやりたいので、そしたらまた来てください」みたいなことだったと思う。
事務所の赤坂社長からも、「今回は、メンバーもスタッフも一生懸命やらせてもらいました。なので、多少の不平不満は言いっこなしということで・・・」というような話があった。
そこでバスは新宿に到着。

バスが止まると、みんな立ち上がって、網棚から荷物を下ろして、次々と降り始めた。でも、私は降りたくなくて、いつまでもその場に立ってた。そして、後ろに座ってたMA-ちゃんに、
「帰りたくないよ」
とつぶやいた。すると、勝手に目に涙がにじんできた。
「泣くなよぉー」
と、MA-ちゃんもゆっきーもみっきーも言ってくれたけど、それが嬉しくてまた涙が出てきた。

そして、とうとうバスを降りる。一休さんはまだ降りずに席に座ってた。なので、降り際に一休さんに握手を求めて、話し掛けた。
「帰りたくないです・・・」
「まあまあ」
「だって、これから2時間も一人で新幹線に乗って帰らなきゃいけないんですよぉ」

「もっと遠いところに帰らなきゃならない人だっているんだからさ」
そうだった。青森や、高知から来てる人もいるんだもんなあ。その人は、私よりもっと辛いんだろうな・・・。そう思って、私は「そうですよね」と返事をした。そして、「ありがとうございました」と一言言うと、一休さんはニコッと笑ってくれた。

バスを降りてから、みんな一休さんに手を振っていた。けど、私はブルーでそういう元気が出ず、一休さんの顔を見て、ちょっとだけニコッとしただけでその場を離れてしまった。
私達が全員歩道に出た後、メンバーは帰るために別の車に乗り換えた。それを、たくさんの人が手を振って見送っていた。でも、やっぱり私は歩道から出ず、見送ることも出来ずに立っていた。

メンバー達の乗った車が行った後、私、MA-ちゃん、ゆっきー、みっきーの4人で新宿駅の地下(だったと思う)で小さな打ち上げをやった。
旅行を回想したり、ドミンゴスのファンになったきっかけを話したり、他にもいろいろ話して、たくさん笑って、ちょっとだけ泣いた。

私が乗る電車の時間が近付いて、打ち上げはおひらきに。「今度は千葉で会おう!」と言って、それぞれが乗る電車のホームに歩いた。
が、私はほんの数分電車に乗り遅れてしまう。MA-ちゃんとみっきーは既にホームに行ってしまっていて、電車に乗り遅れたのに気づいたときに一緒にいたゆっきーが、次の電車の時間まで一緒にいてくれた。
そして、その電車の時間になって、とうとうゆっきーとも別れた。こっからは、ほんとにひとりぼっち。

淋しくていられなくて、すぐにウォークマンのスイッチを入れた。聞こえてくるのは、もちろん一休さんの声。また泣きそうになりながらも、その声に励まされながら電車に乗った。

大宮からは新幹線に乗って1時間ちょっと。はじめは、ビンゴ大会でもらった「あの娘はビタミンC」のプロモキットを見ていたけど、そのうち寝てしまっていた。
いつの間にか郡山に着き、在来線に乗って15分、自分の町に着いた。そして、我が家に。
なんだか、家に着いたらどっと疲れが出てしまい、その日はメールも見ずに寝てしまった。それで、温泉ツアーはおしまい。


とにかく、ここまでレポを読んでくれた人達にはわかってもらえたのではないかと思いますが、すごく楽しかったです。でも、その楽しさゆえに、あとから来る反動というのははかり知れないというのも事実だと思いました。
でも、そんな反動を乗り越えたあと、この日の思い出は私をすごく元気づけてくれたし、前以上にドミンゴスが大好きになった。だから、次にまたこういう旅行があったときも、ぜひ行こうと思ってます。
そしたらまたよろしく。
ファンの皆さん、スタッフの皆さん、
そして、ドミンゴスの皆さん!!


《END》




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