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 2001/11/19

 あまりにもリアルでないことばかり書いていても仕方ないので、ここ2,3週間で購入したものを備忘録として書いてしまいます。なんか小出しにしていてもアレですしね。ちなみにほとんどがネットで買ったもので、仙台で買えたのはヴァスティ・ブニヤンだけ。では一気にいきます。


Loudest Whisper 『Children Of Lir』
 クワイアとかホルンとかを入れてクラシカルな雰囲気を漂わせながらも、ときに聴かせるEギターとドラムがプログレチック。クワイアも荘厳というよりはママス & パパスとかスパンキー & アワ・ギャングとかに近いノリ。静かな曲は美しくてとても良いとは思うんですけど、全体的にちょっと捕らえどころがない作品かな。
Agincourt 『Fly Away』
 イサカ(聴いたことナイ)の前身バンドの自主制作盤。これは素晴らしいです。スカスカのドラムとかヨレヨレのヴォーカルとかは80年代以降のアノラックのノリ、さらにアシッド感が加わることで渚にてとかマヘルに近い雰囲気を漂わしています。結構愛聴してますよ。
Heron 『Heron』
 ようやく入手。私はこの作品を聴くために生まれてきたのかもしれないです。ボーナス・トラックを含めほとんどがベスト盤で聴いたことのある曲なのに、こんなにも感動的なのはなぜ?
Tickawinda 『Rosemary Lane』
 トラッドファンには涙ものの再発みたいです。でもトラッド以上でもなく以下でもなく、なんだかちょっと物足りなさが残るかなーと思ったり。そんな大絶賛するほどじゃないと思うんだけど。
Bread, Love And Dreams 『Bread, Love And Dreams』
 えーホントは3rdが聴きたかったんですけど、ジャケに惹かれてとりあえず1stを。ホルンとアコースティック・ギターが絡むサウンドはチューダー・ロッジとかに近い雰囲気なんですが、音がクリアでないからサイケっぽく聞こえたりします。
Wooden Horse 『Ⅱ』
 イギリスの陰影を持ちながらもアメリカの荒土のイメージさせるサウンド。完成度もかなり高く、これは結構永く聴ける作品だと思います。ジャケも素敵。
Water Into Wine Band 『Harvest Time』
 自主制作盤。ギターとピアノを中心に奏でられる美しい曲が中心。抑揚が少ないので感動は薄いですが、Heronが好きなら聴いて損はないと思います。
Twink 『Think Pink』
 聴きたい聴きたいと思いながらも買いたいときに店頭にはなく。そんなこんなでプリティ・シングスのドラマーのソロ作をようやく購入。絵に描いたようなサイケデリックサウンドだけど、ブライアン・ジョーンズとかシド・バレットとかと一緒で、完全にあっち側に行っちゃった作品であることは間違いなし。
Tir Na Nog 『Tir Na Nog』
 サリアンジーなんかと同じで、行儀よいトラッドになるギリギリのところで踏ん張りをみせます。ダルシマーとかタブラとかでの味付けがウマイので、最後まで飽きることなく聴くことができますね。
Lindisfarne 『Anthology』
 えーとコレは完全にハズレでした。トラッド風味のフォーク・ロック。2枚組ですけどディスク2は全然聴いてません。
Keith Cross & Peter Ross 『Bored Civilians』
 よくよく考えてみると、これこそがブリティッシュ・フォークの王道のような気がしてきました。
Vashti Bunyan 『Just Another Diamond Day』
 もはやブリティッシュ・フォークとかそんなカテゴリーでは語りきれない愛おしい作品。















 冷静にみてみると、フォークといえどもトラッドありアシッドありプログレっぽいのありドサイケありでなんかホントにメチャクチャ。でもこんなバカ買いするのは久しぶりだなー。きっと現実逃避してんだよなー。今後はイサカとかジャスト・アザーズとか、あとドイツのHolderlinとかEmtidiとか、最近はそこら辺にも興味ありです。


 2001/11/17

 風邪ひきました。よりによってなんで週末にひくかなぁ…。結局phatのライヴは行かず、家でおとなしくアローツアーを聴きながらネットをダラダラ。

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 「みえざる都市をテーマにしたコンピュレーション・アルバム」というのがリリースされるそうですね。このサイトのデザインを彷彿とさせるジャケット、そして参加メンツには秋田昌美やオノ・ヨーコ、そしてコーネリさんの名前もあったりしてなかなか面白そうな感じ。考えてみれば「都市」って何通りもの対義語が考え得る言葉ですから、この手のテーマとしては最高の題材なんじゃないでしょうか。もっとも試聴した限りではコーネリアス「\120」なんてタイトルそのまんまで「あれっ」て感じでしたが。

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 ビョークの「pagan poetry」のヴィデオクリップを初めて視聴。…うーむ。前の曲のヴィデオクリップもかなり気持ち悪かったですが、今回はそれをさらに上回るような醜悪な内容ですね。もう観てるだけで体中が痒くなってきました。ここまでいくとお世辞でも「美しい」なんて言えないっす。


 未見の方はここでどうぞ(かなり重いですけど)。うーん、でもなんで乳を放りだしているのかなぁ彼女。それが未だに理解できませんの。

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 ここを見てたらアンディ・パートリッジとかピーター・ブレグヴァドに影響されて眼鏡を探し回った10年前の自分を思い出したりしました。今となってはちとハズカシイ。

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 ということで風邪っぴきで生活が荒んでいるため、ニュースサイトみたいな今回の更新。


 2001/11/12

 なんか最近仕事のことしか書いてないような気がしますが、実際の生活もまさにそのまんまでして、自宅と職場の往復を休みなく繰り返す毎日を過ごしております。まぁ好きでやってる仕事ですから、ある程度は我慢ができるからいいんですけどね。でも、「遊ぶために仕事をするんですよ」と言い切ったあの人を少しだけ羨ましく思ったりする今日この頃だったり、仕事の合間に一服しながら「あぁ彼女、いまごろ楽しくやってんのかなぁ」なんて遠い目で思ったり。


 ここ数ヶ月はプライベートで建築を見るとか、それに関する本を読んだりするとか、そういうことをほとんどしなくなってきました。もしかしたら建築に対する純粋な姿勢というものが徐々に減衰してるのかなぁ…。なーんて思いつつも最近は、こんな諦念に対してまったく落ち込まなくむことがなくなってきたことも事実。んーなんだろ、自分の力量と、思想と、理想と、現実と、環境と、そういったもののバランスがだんだんと分かってきたのかもしれないですね。まぁ簡単に言えば「歳をとった」ということなのでしょうけど。


 でもホント、1番の「趣味」を「仕事」としなくてよかったなぁと。私のやっている「仕事」を「趣味」としている人を見ていると特にそう思いますね。(この文章、分かりづらいな。)

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 HMVにてアローツアー 『arrow tour』とV.A. 『SEA OF MEMORY』を購入。ブリティッシュ・フォークばかり聴いている耳に、たまには新譜のシャワーを。あ、あとなんとなく買いそびれていた福間未沙 『フェスタ・マニフェスト』も一緒に購入。


 家に帰って『arrow tour』→『SEA OF MEMORY』→『フェスタ・マニフェスト』という順番で聴いてみたら、これがなんとも気持ちよい。アコースティックギターのアルペジオが心地よく響くアローツアーで十分に体が解れた後、そのままTaisuke Matsuoのエレクトロニカに繋がり、音の海へと潜り込む。そして 『SEA OF MEMORY』が「Blind Moon」のリミックスで静かに幕を閉じると、深遠な世界そのままに『フェスタ・マニフェスト』の宇宙へ。偶然か、あるいは必然か。いずれにしてもこの組み合わせはなんとも絶妙でした。

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 んでもって性懲りもなくブリティッシュ・フォーク。


 #04 The Sallyangie 『Children Of The Sun』(1968)


 ブリティッシュ・フォーク界のアンファンテリブル/サリアンジー。本作はサリー・オールドフィールド20歳/マイク・オールドフィールド15歳の時に録音された姉弟デュオ作。透明感のあるサリーの声とマイクが奏でるギターの音色はこの上なく繊細、しかしともすれば行儀のよいトラッド・フォークになってしまうスレスレのところでみせる完成度の高さにダイヤの原石のような秘めたる輝きが見え隠れしてます。フルートやハープシコードによってドリーミーな色づけがされたと思えば、一方でマイクがギターをかき鳴らす曲があったりと、優しさと怖さを行き来するような不思議な感覚。ジョン・レンボーンが見出したというのもなんとなく頷ける作品です。


 2001/11/09

 

 ウエヲムイテアルコウ


 2001/11/06

 古建築見学ツアーのガイドをやってきました。50〜60歳の方々20名程度を引き連れて。参加された皆さんは古建築に興味を持ってらっしゃる方たちですので、建物を見ているときは真面目に話を聞いているのですが、バスの中ではもう小学生並に大騒ぎ。ケースごと持ってきてた缶ビールを飲みまくったり、歌うわけでもないのにマイクを取り合ったり、他愛もない下ネタで大笑いしたり。あ、あと自家製の漬け物が入ったタッパーが何度も何度も廻ってきたりもしました(スゲー美味かったけど。)。んーやっぱこういうのには若い子って来ないんですかねぇ。まぁそもそも平日にやっている時点でそれは無理な話なんですけど(笑)。


 あーでも紅葉がとても綺麗でしたよ。これだけ冷えれば、あと数日で里まで下りてきそうな気がします。

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 今日のブリティッシュ・フォーク。


 #03 Heron 『The Best Of ...』(1970〜71)


 農場で録音されたという1st・2ndを中心に編集されたベスト盤。私がこの手の音楽にのめり込むきっかけとなった作品が実はコレ。「I will」「Mother nature's sun」などを彷彿とさせるような暖かいメロディーと、ギター/ピアノ/マンドリンが織りなす穏やかなサウンドが魅力。さらに本作に収録される曲々では鳥のさえずり・木々のざわめきまでも聞こえてきて、まるで野外録音の空気がそのままベッドルームに流れてくるようです。インドア・ポップにはない、本当の意味でピュアな輝きを持った音楽だと思います。


 2001/11/01

 コンビニのレジの前に並んだ年賀はがきを見て、「あぁもうそんな時期か…。」なんて少しセンチメンタルになったり。でもよくよく考えれば毎日毎日そんなことを思う瞬間は必ず1回はあるわけで(特にこの歳になるとね)、もはやこんなことでウダウダとしているのもいい加減嫌になってきたりもしました。ひとつひとつの欠片を集めて嘆くなんてことはもうやめて、漠然とでも先のことを考えながら少しでも笑う時間を増やしたい。月のカタチが昨日とは微妙に違うことを気づいたのはそんな心持ちだったからかもしれません。

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 沖縄の「ジミヘン」東北で初ライブ。結構イイ話なのに、品のない見出しですべて台無し。ちなみにライブ日程は2002年1月26日とのことで、彼が仙台空港に降り立った途端に「寒い!帰る!」とか言いだしやしないかと今からちょっと心配だったりします(笑)。まぁともかく、チケットとれたら行ってこようっと。


 ブライアン・イーノが語る「昨今のコンピューター音楽」論。打ち上げられた花火がどんなこだわりで作られているかなんて、下で見ている人が気にすることはほとんどないのではないか。というか、花火を上げる前に花火の説明をしているようで、なんだかなーて感じ。もっとも、近作を聴いてない私がこんなこと言うのもあれなんですけどね。最近のイーノって面白いんですか?

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 今日のブリティッシュ・フォーク。(すでに本筋から逸れぎみ)


 #02 Keith Cross & Peter Ross 『Bored Civilians』(1972)


 チャド&ジェレミーやサジタリアスにも匹敵する純度の高いアコースティックサウンド。そしてブリティッシュポップの王道を行く芳醇なメロディ。かおりんさんの言葉を借りるなら、まさに「グルーヴィー」な作品。特にこのCDで聴くことができるボーナストラック「Can You Believe It」の多幸感といったらもう…。ちなみにどっちかの人はT2というグループにいた人みたいなんですけど…スミマセンよく知らないです。


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