◆ プロローグ ◆





「誰か、出張行かないか?」

11月に入り、いくら暖かい日が続くとは言っても、
そろそろ厚めの上着が欲しくなってきた頃。
休憩時間中、モリモリとおやつ喰らっている我々に
ボスが言った。

2月組も4月組も解散し、今では同期ゼロ
姐もO谷氏も職場を去り、
ネタ帳も白紙の状態が続き
めっきり創作意欲が無くなっていた今日この頃。
新天地でネタ獲得!!
いやいや、勉強してこなくては。
「ワタクシが行きましょう!!」
挙手&即答。
「どこに行きたい?」
え、選べるんですか!?
だったら第一候補は決まってます。
「北海道!」
「・・・マジで?」
「マジ。」
富良野の牛乳プリンにロイズのチョコケーキ、
旭川の動物園に流氷、クリオネ、網走刑務所。うっきっき。
「北海道じゃぁ、函館・静内・帯広のどれかかなぁ。」
函館:響きは良いがそこの支社にはセクハラ魔人がいる。却下。
静内:馬。あとは・・・・・?うーん。
帯広:・・・・・草原?
「えーと・・・・静内で。」
「ほんっとーに北海道で良いんだな?」
「良いですよ?」
この時点で、なりの脳内から
まったく消去されている事実がありました。
いぶかしがる上司の表情見ても気がつきません。
賢い読者ちゃん達はお気づきですね。
そう、
冬の北海道には雪が降るんだよ。
車も寒冷地仕様じゃないと駄目なんだよ。
スタッドレスすら持っていないワタクシ。
そのことに気がついたのは大分経ってからでした。
「・・・・あの、ボス。ご相談が。」
「もう静内には連絡入れちゃったから。決定で。」
あう。
「ちなみに出発は?」
2週間後。
「えーと、(なんとなく聞きたくないけど)期間は?」
3ヶ月。
うわー・・・い。


そんなわけで北海道へ行くことになったのです。



流刑日記目次に戻る?

戯言日記topに戻る?