Loop / ACIDMAN
ロッキンオンでエレカシと並んでべた褒めだった。エレカシを褒めている人が、褒めているのだから、きっと俺も好きなんだろうなと思って買ってみた。(ちなみにエレカシの新譜「俺の道」はかなりいい)2枚目だというACIDMANのこのアルバム、なるほどかなりかっこいい。
重厚なガレージロック風のギターサウンドでありながら、コード進行はあくまで切ない。そこに乗せられる哀愁漂うメロディのイメージは「涙で溢れた目のまま、力強く町を歩き続けていく」感じ。僕好みの刹那系ボイスは「海」だの「月」だの「光」だの、「生命」だの「宇宙」だの「太陽」だの、そういう類の言葉で描かれた世界を、ささやき、さけび、うたう。
歌詞もメロディもアルバムを通して一貫したイメージを持っていて、悪くいえば歌詞も曲調もワンパターンだともいえるけど、スタイルとして完成しているという見方をすると、僕はとても好感を持てる。3ピースバンドとして新しいタイプではないけど、このタイプのロックならば、いままで聴いたものの中では一番好きかもしれない。ギターの音もなにより、やっぱり3ピースバンドってかっこいいんだよね。それだけで。
どれだけ狙ってるのか分からないけど、一貫した抽象的で叙景的な歌詞は(これ書くために読んでみたんだけど)あんまり意味が分かんなくって、カッコつけてるだけの可能性も否めないのだけど、なんだか、どうしようもなく、抗えもしない、今生きてる世界ってやつを受け入れて、僕らは生きてゆかねばならないんだ、っていう、そういう切ない感情に触れてくる音なんだよね。それが狙いであろうとなかろうと、そういうのを感じさせるだけで、充分すごいじゃない、ってそういう風に思ったわけよ。
結構、似たような曲ばかりだから聴き飽きるかと思ったんだけど、案外聴き飽きないのでここに登場。多分、20代前半とかなんだろうなぁ。ライブとか気持ちよさそうだなぁ。いい声してるなぁ。俺もこんな切ない歌がうたえる声だったらなぁ。くそ〜。