7月4日 日曜日 暮らしにデザインを


 ようやく結婚関係の行事も終わって、落ち着いた週末がやってきた。結婚式も終えて、払うお金もおおよそ払ってしまったので、ようやくいろんなものを安心して買い物できる。ということで、今日はお台場で家のものをお買い物。といっても、買ったのはスプーンとフォーク。それと、調理道具を少々。最近、そういうキッチン周りの雑貨屋さんを回っていると、必ず「柳宗理コーナー」があることに気付く。柳宗理とはプロダクトデザインの先駆者で、彼のプロダクトはちょっと前まではちゃんとしたインテリアショップにだけ置いてある感じだったのが、今となっては完全に市民権を得てしまったのか、どのショップにも必ず置いてある様子であった。あまりに一般化し過ぎていて、今にもスーパーマーケットででも売り出されそうな勢いがある。最初はそれを見て「なんだかなぁ」と思ったのだが、でもそうやって、ちゃんとデザインされたものが大衆化してゆくことは、いいことなのかもしれないと思い直す。新しいものは出てきても出てきても、次々と消えてゆく。音楽だってそうだ。しかしながら、そのなかで本当に優れていて、かつ普遍的な価値を認められたものだけが、スタンダードとなってきたのだ。柳宗理のデザインは、キティちゃん(節操のない裾野広げによるレベルの低い大衆化)やルイヴィトン(ブランド側は悪くないが、買う側の多くに哲学がない大衆化=くそダサイ格好なのにバッグだけがルイヴィトンのやつ)と違って、もうちょっと、自然に生活にしみ入ってきている感じがするんだよね。それは、柳宗理のスプーンやフォークが精々数百円で、値段も大衆的だからかもしれない。僕は家にスプーンとフォークを買って帰って、家の食器棚にそれをおさめてみた。そうすると、お店で見るよりだいぶ普通のものに見える。これって良くあるよね。お店の統一感あるインテリアのなかで見たらかっこ良かったのに、素敵だったのに、自分の部屋に置いてみると「案外普通じゃん」てこと。これ、つまり、自分の部屋の総合コーディネートができていないわけです。まあ、そんなことどうでもいいやんか、と思うかもしれませんが、そこはあきらめずにやって行きたい一線なんですよね。暮らしにデザインを。デザインは知恵の一個上の概念だと思うから。

箱も大事ね

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