3月20日 土曜日 入籍の日
入籍日を結婚式の日とをずらす場合には、なかなかタイミングをはかりかねる。何かの記念日やゴロのいい日でもあればいいが、あいにく僕らには何かの記念日もあるわけではないし、言ってみればいつだって良かったので、それだったら「桜の咲く頃がいいな」と僕は思っていた。日にちで思い出すのではなく花が咲くことで思い出すほうが、なんだかいいなぁと思ったからだったのだけど、結局、祭日だったら毎年休みになるからということで、春分の日にする事にになった(春分の日って実は毎年ずれるのだけど)。 入籍の日である今日、彼女は仕事に出ていたのだけど、昼過ぎには羽田空港へ帰ってくることになっていた。書類を提出する港区役所は東京タワーの袂にあるから、浜松町から歩いていける。羽田空港からも来やすいので集合を浜松町にして、3時ごろ合流し、あいにくの雨の中、傘を差して港区役所へ向かった。そそくさと歩いていたら、婚約者が「結婚への一歩一歩を踏みしめているんだから、もっとゆっくり歩きなさい」とひとり興奮気味であったので、気持ちスピードを押さえて歩く。港区役所の前についた僕は、婚約者に婚姻届を持たせて記念撮影をした。なんだかくだらないと思うかもしれないけれど、案外20年後くらいに見ると面白い写真になるはずである。決してばかにしてはいけない。
休日の婚姻届は、裏口の警備員に提出するという味気ないものであったが、無事書類は受理された。別にこんな紙切れひとつで何も変わるまいと思っていたが、不思議と微妙に何かが変わったような気がした。その後、僕らは順序がおかしいながら婚約指輪を買って、銀座の資生堂パーラーで食事をした。あらかじめ、レストランに入籍をした旨を伝えてあったので、Happy Weddingのチョコプレートが乗ったケーキが運ばれてきた。入籍の日は、それなりにそれっぽいことでもやってみようという気分だった。そうでもしないと、紙切れひとつで成立してしまう結婚が日常に埋もれ過ぎてしまうような気がしたからである。というわけで今日、僕達は入籍をしました。取り急ぎ、ご報告まで。。
銀座 資生堂パーラーにて入籍祝い。
となりで生意気そうな小学生が2000円くらいするオムライスを、当然のような顔をしながら食べていてしゃくに触った。