2月21日 土曜日 正体不明の届け物、届く。


 今日は一日中、家にいた。僕が休日をそうやって過ごすのはめずらしい。休日は、どこかに足を運んで、新しい体験をしなければ損をした気になっちゃうから。でも、今日はそうじゃない。家にいることが新しいのだ。新居に引っ越して一週間。ダンボールもほとんどなくなって、部屋がだいぶ落ち着いた。くたくたになった先週末から、ずるずると疲労を引きずって仕事をして、ようやく週末を迎えたのだから、今日はゆっくり新居で過ごしたい気分でもある。新居でゆっくりするのは、今の僕にとって新しい。引越し後、数ヶ月には新居は新居でなくなり、そうなってしまうと「新居で」ゆっくりするという体験はできなくなってしまう。新居が「新居」であるうちに、この貴重な時間を楽しまないといけない。音楽をかけて、本を読んでいたら、部屋のチャイムがなった。ついに正体不明の贈り物が届いたようだった。

 正体不明の贈り物とは何かと言うと、今週の水曜日に会社の同期がくれた、謎の目録のことである。同期入社の有志(田邊氏、松本氏、藤井氏、木瀬氏。まことに感謝!)が開いてくれた、結婚祝パーティは「赤坂離宮」という中華料理店で開かれた。僕らの結婚のために、友達がそうやって食事会を開いてくれるなんて、それだけでとても嬉しいというのに、そのうえ味に定評のある中華の名店「赤坂離宮」での食事とあって、朝から随分と楽しみにしていた。料理も抜群にうまかったし、こうやって仲のいい仲間と平日の夜に食卓を囲むのも久しぶりで、すっかり気持ち良くなってしまった。そして宴もタケナワとなった頃、会の最後にみんなから、この目録をもらったのだった。僕らは「土曜日の午前中に届くから、家にいるように」とだけ言われた。僕と婚約者は、きょとんとしたまま、まったく想像のつかない贈り物の正体に思いをはせること2日を過ごしたのだった。そいつが今、やってきたのだ。部屋のインターホンをとると「お届け物です」と宅配便の人の声がした。

 贈り物は観葉植物だった。僕の背丈くらいはある大きな観葉植物。もみじとシダの中間のような葉の形をした、アジア風の木だった。僕は観葉植物が好きだから、早く欲しいなと思っていたのだけど、物入りでお金がないので、しょぼくれた1000円くらいの「えせ盆栽」でお茶を濁していたところだったので、余計に嬉しかった。広めのリビングに、いただいた観葉樹を置いてみると、生命の香りが漂ってきていい感じだ。まだあまり物がない我が家なので余計にありがたい。ちょっと樹の元気がないので心配しているのだけど「熱帯の樹だから冬はそんなもんらしいよ」と、松本氏が言っていたので、しばらくがんばってもらって、春には元気になったらいいなぁとおもってる。観葉樹を眺めながら、結局、一日中、ほぼ家で過ごしたのであった。

観用樹が加わり、すこし生命の香りがし始めた新居

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