8月9日 土曜日 やがて哀しき外国語
午前中に中国語を2コマ、午後に英語を1コマこなす。中国語教室は2回目だけど、少しずつ分かる言葉が増えてきて楽しい。NOVAの駅前留学というやつで、テレビ電話を使ったマンツーマンの授業。モニターの中にいる中国人と話すのも、予想していたより違和感は無い。むしろ、ヘッドホンとモニター以外、視覚にも聴覚にも邪魔が入らないので集中できるくらいだ。中国語自体はというと、なにしろ0からのスタートをしているので、先生の話していることが100%知らない言葉で構成されているわけで、これを理解しようと全力を尽くす2コマはものすごく疲れる。脳みそがカロリーを消費している感じがする。頭が大回転して、知らない言葉、さっき習った言葉、文章のつながりのニュアンスなど、手がかりを探しまわる。終わった時には、もうくたくたである。でも少しずつ進歩している感じがするので、今日のところはオッケー。しかし、ここで脳の体力を使い果たしてしまい、英語の方はてんで駄目だった。さっぱりヒアリングができない。また耳をならしてゆかねば。
その後に予定されていた野球の試合は、台風のおかげであえなく中止。しょうがないので一度
家に戻って、夕方からの用事に備えた。夕方の用事とは、会社の同期の家の庭で執り行われるバーベキューなのだけど、こいつもまた台風のせいで中止になりそうである。一応、僕が参加者の取りまとめをしているので、主催者と連絡を取り、バーベキューは中止であることを確認。結局、部屋の中で酒でも飲もうということになった。参加者は渋谷に18時に集合である。
ところで、この会場となる家は普通の家ではなく、ある政治家の大豪邸。その昔、内閣総理大臣も務めたその政治家(故人)の記念館が併設されている。渋谷の中心からそう離れていないのに、えらく広大な土地を所有していて、ゆえに大勢をバーベキューに呼ぶことも可能なわけである。室内は室内で、部屋が何個あるのか判らないくらいだし、みんなを集める部屋には立派な暖炉が備え付けてある。誰がどう見ても立派な暖炉。ここに15名ほど来る予定なのだけど、その3倍は人が入っても大丈夫そうな部屋なのです。この家の住人は僕の勤める会社の同期なのだけど、本当にいろんな人がいるもんです。
結局、15名ほどのパーティーはそこそこ盛り上がった。僕は一人でウイスキーを飲み過ぎて、いつの間にかふかふかのカーペットの上で眠っていたようだった。目を覚ますと深夜の2時くらいで、参加者のほとんどはいなくなっていた。車で来ている人に送ってもらって、家に戻ろうと思ったら、女性陣から許しがもらえず、とある女性の家に連行される。そしてなだれ込む。男は僕だけだったし、眠かったので大人しく、部屋のはしっこの方で横になった。横では女3名が、今日のパーティーで気になった男の話をしていた。男の僕がいることを無視して進められている女子同士の話の内容はなかなか腹黒く、勝手な想像ながら女子校の先生が抱きそうな種類の嫌悪感のようなものを覚えた。女というのは感覚的でかつ決断力に乏しく、そしてなにより計算高い生き物であると言うことが、その会話からは感じ取られた。ただ、その人たちがそういう人なだけかもしれない。僕はそんな話が耳に入ってきていながら、ほぼ狸寝入りを決め込んでいるうちに、朝の7時くらいになった。そろそろ帰りたいとわめき出した子たちに叩き起こされ、僕は歩いて家に帰る。長い一日だった。僕の企画した飲み会で数件のほれたはれたも生まれたようで、まあ良かったのではないでしょうか。みなさん、お幸せに。朝7時半の空は、雲ひとつなく、不健康な僕の体と裏腹にまぶしすぎて、ちょっとふらふらした。