8月3日 日曜日  伊豆からの道


 伊豆の二日目。わがままな女たちもいなくなり、朝のキャンプ場で気兼ねなく朝食をとる。今日の天気もすこぶる良い。このキャンプ場は、小学生の時に行った林間学校を思い出す。夏らしくて、緑の匂い、森の匂いがムンと匂ってくる。なかなか良い。今日も昨日と同じ弓ヶ浜に行く予定だったが、キャンプ場のおばちゃんに別のところを薦められたので、そちらに行くことにした。そのおばちゃんは、「1」はなしかけると「10」になって返ってくる人で、僕らがいる間も終始、何かを喋りつづけていた。アドバイスや文句や嫌みや親切心など、あらゆることを頭に浮かんでくる順番に口に出さなくては気が済まないようだった。そのおばちゃん曰く、弓ヶ浜は「あんなの田舎者の行く海だよ!!」とのこと。ここ伊豆もかなりの田舎だと思うし、俺たちよりおばさんの方が100倍田舎者だと思うが、言葉のアヤだろうから、余計なことをいうのはやめた。そして、言わずもがな僕たちは田舎者ではないので、お勧めの「大浜」へ向かう。

 そのおばちゃんお勧めの「大浜」というビーチ。ここはとても良かった。昨日の弓ヶ浜では「伊豆ってこんなもんなんだ。」と思っていたのだけど、ここはそんな風には思わなかった。岩山があって、その下には磯がある。砂は白くって奇麗で、水だって弓ヶ浜の数倍奇麗である。やはり、こういうのは地元の人のいうことを聞くのが一番良いに決まっている。しかも、なんだかしらないけれど外国人が異様に多く、へたするとギリシアかスペインかにでもいる気にさえなってくる。きっと、英語のガイドブックにこのビーチが載っているのだろうと思う。

 そんなビーチで、一日中なにをしたかというと、腐るほどあるビールをひたすら飲み続け、あとは日光浴である。もう、ただそれだけ。飲んで、話して、焼いて、飲んで、飲んで。飲んだ勢いで調子に乗ってガイジンの女の人に話しかけて仲良くなった。下田のトップレスバーでダンサーをやっているルーマニア人だった。なにがどうなると、ルーマニア人が静岡の下田でトップレスダンサーをやることになるのか解らないので聴いてみたら、当たり前だけどそういうブローカーの人がいるのだそうだ。給料を聞いたら、ものすごい安い金で働かされていたのだけど、それでもルーマニアで働くよりも、ずっといい収入になるらしい。本当にいろんな世界や人生があるものです。17時には帰り支度をして、東京に向かうも高速道路の大渋滞で、結局東京に着いたのは深夜の0時半。とにかく、東京で休みの日にどこかに車で遊びに行こうなどと考えるならば、そういうひどい目に遭う覚悟は決めておかねばならない。

箱庭みたいでした。

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