初夏





「…頭…いいんですか?」



いまだ不信げに総司を見上げてセイは疑う。



その言葉に総司はうッ、と喉をつまらせて言葉を失った。



「…頭、悪そうですよね?」



セイはいまだ眉をひそめながら頭を傾げる。



「…そんなハッキリ言わなくても…」



総司はひど〜い、と涙を流す。





そんな総司の落ち込みぶりに、セイは笑った。



「勉強、教えてあげても良いですよ、沖田先生」



そうからかう。





初めて自分の名前を呼んで、楽しそうに笑うセイを、総司はまぶしそうに見つめた。



素直に、かわいいと思う。



昨日から思っていたが、ずいぶんかわいらしい部類に入るのではないだろうかとも思う。



総司は、少し頬を染めて頭をかくと、



「その毛布はいつまで神谷さんに貸しておけばいいんですか?」



と、ごまかすように、セイのにぎりしめる毛布に手をかけた。



「…あ、すみません」



セイは、ぱっと毛布を離す。





そうして、二人おかしそうに顔を見合わせて、笑った。











その時は、まだ気付けずにいた。





その屈託無く、幸せそうに笑う、セイの、暗闇に。









あまりに幸せそうに、笑うものだから。



























----続く----

あーーーーねむーーーい…ですねぇ(同意求めつつ)