初夏





「んん…まぶし…」



セイは目を細める。



白いカーテンからは、白々と太陽が光りを送り込んでいた。



あまりのまぶしさに身をよじる。



「あ、やっと起きましたか」



そんな、ほっとしたような声。



そう、ほっとした……



『むがーーーーーー?!?!』



叫び声は、総司の大きな手のひらによって遮られた。



「…そんなこったろうと思いましたよ」



目の前には、布団の中で肩肘をついている、呆れ顔の総司。



「な、ななななんでこんなところに…勝手にヒトの部屋に(ていうか布団に)入らないでくださいよ!!」



「……ええ、貴方がね」



あは、と総司は笑う。



「笑ってごまかすのは止めてくださ……?て…あれ?」



「はい」



総司はいまだ笑顔である。



「………………あ?」



「よく眠れました?」



「え?!あ?!…な、何で…」



セイは、がば!と起き上がって、布団を抱えながらベットから逃げ出した。



総司も起き上がって、ベットに座る。



「お兄さんが恋しいんですか?」



おかしそうにそう言う総司を、あぜんを見つめる。



「わ、私自分で…此処に…?」



そんな馬鹿なとばかりに目を見開いている。



「ええ、え〜っと確か…『祐兄ちゃん一緒に寝て』くださいとかなんとか言ってましたよ」



「…ああ…」



その内容に、セイは観念したように、うなだれた。



総司はいまだやさしい笑顔でセイを見守っていた。



「すみませんでした」



素直にセイはぺこりと頭を下げる。



そんなセイに、総司はよ、と立ち上がると窓に目を向けて、眩しそうに目を細めた。



「ああ…ほんとにまぶしいですね」



いい天気だ、と独りごちて。







セイは、そんなマイペーズな総司を不思議そうに見つめる。



総司はにこ、と笑って





「また、眠れなくなったらいつでもいらっしゃい」



そう、言ってん〜と大きく伸びをした。







朝日が白いカーテンを涼しげに揺らす。

















----続く----

そういえば、長編、書くの初めてですよね?(聞くな)