落海





日差しの匂いがする。





そう思って起きたのは初めてだった。





日差しの匂いって、何?と自分に質問してみたが、わからないので、諦めた。











あれ。







いつのまに葉っぱの中にもぐりこんだんだろう。





確かに、葉っぱの上で体を丸めたのは覚えているのに、今は、葉っぱの下にいた。



ちょっと重いくらい。















くぅ〜〜…





あ。





そういえば食べてない。





だるげに、葉の中から体を起こして、目を見開いた。











目の前には、暖かに煙をふいている、焚き木。





その上に、何で作られたのかわからない、スープ。







指を入れてみる。





「あちっ」





あわてて指を離す。



思った異常に暑かった。









眉をしかめて指を舐める。





塩の味がした。













そうしてやっと、気付いた。









洞窟の外の壁に、ひっそりと体を預けて、海を眺めているその人に。

















海の匂いと、日差しの匂いが、鼻をつく。











日差しの匂いは、あるいはあの人からきたのかもしれないと、何故か、そう思った。



























----続く----

さぶい!!!雪が降る!!(イヤまだはやい)