落海





洞窟を見渡すが、何も見えない。



電気が無いって、こんなに暗いものなのだと改めて感心する。









火。



火をつけて、何か食べるのかな。



そう思って手探りで探す。



やっとたどりついた先で、焚き木を一本つかむ。









火は、どうやってつけるんだっけ?





聞いてなかった。











ため息が思わず出た。







食べ物もどこにあるのかさっぱりわからない。



ただわかるのは、まだ明るいうちに見た寝床。







そこで寝ればいいのだけは、わかった。







空腹を諦めて、セイは寝床の上で身を丸めると、暗闇に落ちるように、眠った。

































暗闇の向こうで、声が聞こえてくる。







——————————————————…やっぱり…———————————————





誰の声だろう。



おにいちゃんかな。





おにいちゃんの声は、安心するんだよね。









————————————食べてと言ったはずですけどねぇ…ーーーーーーーーーーーーーーーーー









何をだろう?









おにいちゃん。





プリンが食べたいな。























だって、おにいちゃんはプリンが好きでしょう。







だから、セイも、プリンが好き。





































----続く----

そろそろ短編書きたいなぁ〜。