「そんなことより〜、おなかすきません?」
まぬけなその声に一瞬目が点になる。
「はい?」
「なんかデミグラスソースのオムレツブロッコリーほわほわ和え&にんじんの甘煮添え食べたい気分なんですけど」
ツッコミ所のわからない献立に対する正直な疑問と、この人の神経への疑問が混ざり合って、顔をしかめる。
「ね?」
しかも同意を求めて来た。
ぐ〜、と鳴らしたお腹に手を添えている。
「………そんなにソレが食べたいのなら帰る方法を考えていただけませんか」
目の前の呆れた光景に、瞼を半分まで下げて、テンション下げめで応戦した。
「無理ですよ」
ざざーーーーーーーーーーーーーー………
波の音が、耳に冷たく残った。
「私、この孤島に来てもう三日ですもん」
かにと一緒に海に埋もれてしまえば良かったと、心底、思った。
16歳の、夏。
----続く----
十六歳って…わかっ!!!若いっていいねぇ〜。