初夏





夜中の三時に、戸はゆっくりと開かれた。





「歳、どうだ?」



「寝てやがる」



「二人ともか」



「まあな」



土方歳三はくぐもった声でうなずくようにそう合図地をうった。







扉はゆっくり閉められた。





とん、とん、とん、と重い足取りが階段を降りていく。





「なんで近頃あの二人は一緒に寝てやがんだ?」



「まあ、仲が悪いよりはいいじゃないか」







「………」





「めずらしいな、歳が総司以外の人間を心配するのは」



「…どういう意味だよ」



「二人がびしょぬれで帰って来たときまっさきに風呂に入れと叫んだのは歳だろう」



「怒ってやったんだ」





「…しかし…あの総司があんな顔しているのは初めて見たかも知れんなぁ」



「…勝っちゃん何か知らねえのかよ」



「知っていたら俺もこう慌てはせんよ」







二人はついに押し黙った。







口を割ったのは近藤で。





「まあ…ゆっくり様子を見ようじゃないか」







歳三は眉をしかめるだけだった。





















----続く----

ぶぁああああ〜レ・ミゼラブル(本)泣いた〜〜