初夏
まだ陽は明るく、ただただ海を照らしていた。
けほっ、と総司がむせた。
呼吸を整えずに、総司はセイを見据えた。
「——は—————」
総司の声は、波の音に流されて消えた。
セイをおぶる総司の足跡は濡れて、道路に跡をつける。
影が、長く長く伸びていた。
セイの悲痛な声が耳に残る。
———————————海と空はつながっているんですーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
波の音が遠ざかる。
自転車は、砂浜で静かに横たわっていた。
----続く----
蚊がいるよ!!でかいよ!!すご!!