おかしなふたり 連載31〜40

第31回(2002.10.2.)
「な・・・」
 何を言い出すんだ?
 次の瞬間に起こった変化に歩(あゆみ)は声を失った。
 プリントTシャツに長ズボンというごくありふれたその部屋着が、見る見るうちに紺色に染まっていくでは無いか!
「うわわわわわわっ!」
「きゃー!」
 悲鳴とは裏腹に嬉しそうにしか見えない聡(さとり)の表情。
 青く染まったその生地に白いラインが走っていく。
 大きく胸元が開き、その大きな襟が背中に四角く垂れ下がる。
 そして・・・ズボンが跡形も無く融解し、プリーツが広がったスカートとなって床に広がる。
 仕上げとばかりに真っ赤なスカーフがしゅるりと胸元で結ばれ、それは完成した。
「な、何だぁ?何なんだぁ?」
 もう半べそをかいている兄・・・いや、今は“姉”か・・・歩(あゆみ)。
「これって・・・セーラー服・・・」
 お揃いのセーラー服に身を包んだ少女2人が床に座り込んでお互いに見詰め合っていた。
イラスト:東条さかな さま


「やっぱり・・・やっぱりそうだわ・・・」
 妹はうんうん頷きながら納得している。
「あたしが思った通りにお兄ちゃんが変身してる・・・」
 そ、そんなぁ。そんな馬鹿な!
 混乱した。
「それじゃあ例えば・・・髪が伸びろーとか思ったりすれば」
「うわあああっ!」
 見る見るうちに髪がぐんぐんぐんっ!と伸びて背中の真中くらいまで伸びてしまう。
「わ、わああああああっ!」
 頭を押さえつけ、頭髪の成長を止めようと必死の抵抗をするセーラー服姿の歩(あゆみ)だったが、それは徒労だった。


第32回(2002.10.3.)

「凄い凄いすごーい!」
 無邪気に喜んでいる聡(さとり)。
「あ・・・あ・・・」
 目の前に広げた手の中に流れ落ちる黒髪。
 そして視界に入るこのセーラー服・・・。
 恥ずかしさで顔から火が出そうだった。
 これでも健康的な男子高校生である。これまでセーラー服なんて恥ずかしい格好をしたことなんて一度もなかったのだ。それが・・・こんな格好に・・・。
 床に座り込んだ拍子にスカートが広がり、素足が直接床に触れているのがなんともはがゆい。
 そして何よりも・・・。
 何と言うことだろうか、歩(あゆみ)は性転換して女の子になってしまったのだ!
 そ、そんなあぁ・・・。
 でも、視界の下方に入り込んでくるセーラー服の膨らみは、それが確かにそこにあることを裏付けていた。何よりその膨らみ自身に感じる確かな感触・・・
 そして・・・
 目の前ではしゃいでいる同じ格好の妹を尻目に白魚の様なその手をスカートの壁の上から下腹部に押し付ける。
 な、無い・・・。
 男性の象徴部分に何も感じなかった。
 しかしそれはわざわざ触る前から分かっていたことではあった。何しろ自分自身、そこに何もある様に思えなかったのである!
「きゃー!素敵ー!きゃー!」
 いきなり聡(さとり)が抱きついてきた。
「むぎゃっ!」
 フイを衝かれて妙な声が出てしまう歩(あゆみ)。
 瞬間的にその“柔らかさ”を感じた。


第33回(2002.10.4.)
 元々コミュニケーション盛んな妹ではあった。
 しかし流石に「手を握る」くらいがせいぜいで、同級生の女の子相手にしているように胸を密着させて抱きついたり・・・は実の兄に対してはやっていなかった。
 だが・・・図らずして“女同士”となってしまった安心感からか、思いっきり抱きついてきたのだ!
 むぎゅう。
 ほどよく成長した妹の乳房が兄の身体に密着する。
「わあっ!」
 床に座り込んでいた歩(あゆみ)はバランスを崩して後ろに倒れそうになってしまう。
 や、柔らかい・・・。
 今さらながら年頃の女の子の身体を身を持って知った歩(あゆみ)であった。
 ば、馬鹿な!実の妹に対して一体何を・・・
 しかし、その気持ちよさはそれだけでは無かった。
 それは、自分の身体のそれもあったのだ。
 柔らかいおっぱい同士がむぎゅりとつぶしあって・・・
「・・・?!?!?!」
 頭がくらくらした。
 喚きながら妹を引き剥がそうとしたその時、
「・・・!・・・?」
 妹のほうからそれは行われた。
 ふいにぐいっ!と両手の肩から肘の間あたりを持って身体を引き剥がしたのだ。
「おにいちゃん・・・ブラしてないでしょ」
 ボン!
 と、顔が爆発するかと思った。
「な・・・な・・・」
 急に女の子にされて、セーラー服を着せられているだけでもう一杯一杯なのにこの妹は一体何を言い出すのか。
 こちとら健康な男子校生である。どうして妹の部屋にくるくらいでブラジャーなんぞしなきゃいかんのか!


第34回(2002.10.5.)
「し、してるわけねーだろ!」
 無理して大き目の声を出す歩(あゆみ)。その声は頭の中で乱反射して妙な甲高さを持っていた。
 ま、まさか・・・声まで女に・・・。
「そりゃヘンだわ。女の子は下着ちゃんと着ないと」
 思考のポイントがズレている。そんなことを心配している場合じゃないだろ!
「お、お前なあ・・・」
 言いたいことは山の様にあったのだが、逆にありすぎて言葉にして出てこない。
「これがおかしいとか思わないのかよ!?」
 自分の身体・・・セーラー服に押し込められた変わり果てた女の身体を指しながら訴える歩(あゆみ)。
「うん。おかしいと思うよ。やっぱブラくらいしないと」
「いや、だからさあ!」
 こともなげに引出しを開けて自らの下着を物色している聡(さとり)。
「えーと、どれにしようかな〜と」
 にこにこ顔でルンルン気分の妹。何だか等身大の着せ替え人形を手に入れた気分らしい。
 ま、まさか・・・ここ数日の謎の現象はこいつが原因なのでは?
 歩(あゆみ)の脳裏に疑惑が浮かんできた。
 あまりに馬鹿馬鹿しくも現実離れしている仮定だった。思うだけで他人を性転換させ、あまつさえその服装まで女性の物に変えてしまう能力なんて馬鹿げている。
 しかし・・・現実にこうして自分は性転換&女装させられてしまっている。否定しても仕方が無いではないか。
「お、お前ってさ・・・」
 慣れない声にめげずに話し掛ける歩(あゆみ)。
「な〜にぃ?」
 下着の物色を止めない聡(さとり)。
「ひょっとして普段からこういうこと考えてた?」
「“こーゆーこと”って?」
 笑顔で小首をかしげる妹。た、確かに可愛いかも知れない。下級生には男女問わずファンがいたりするという噂も聞いたことがあるが、あながち嘘でもないかも。
「だからその・・・“こーゆー”・・・ことさ」
 明確に言葉に出来ない歩(あゆみ)。
「うん。そりゃもう」
 まるで「ケーキは好きか?」とか聞かれたみたいにあっけらかんと答える。でも、それも無理の無いことかも知れない。普通、思っただけで相手がその姿にあなってしまうなんてマトモな思考回路をしていれば思うはずも無いのだから。
 つまり、今まで悩まされていた謎の部分的性転換現象はこの妹が勝手に思い込んだことが影響を及ぼしていたのか・・・。
 そしてそれが今夜、はっきりと自覚される事になったという訳である。でも・・・
 この一瞬の間に歩(あゆみ)の思考回路は目まぐるしく回転を続けていた。


第35回(2002.10.6.)
 これって、一体どうなっちゃうんだ?
 自分の身体を見下ろしながら呆然とする歩(あゆみ)。
 こんな女の身体になっちゃって・・・明日もあさっても学校あるんだぞ。着る物だって女物なんて全く持ってないし・・・
 大体親にどうやって説明すればいいんだ!?
 てゆーか女になっちゃったってことは女として生きていかなきゃいけないってことじゃないか!嫌だーっ!
「じゃあ・・・これにしようか」
 そういってセーラー服にショートカットの妹、聡(さとり)が取り出したのは純白に可愛らしいフリルのあしらってあるブラジャーだった。
 スカートを翻しながらぶわっ!と立ち上がる“女子高生”歩(あゆみ)。
「い、嫌だ・・・そんなのつけないぞ。つける位なら死んでやる・・・」
 固い決意を表した・・・積りだったがこの可愛らしい声でどこまで伝わっているやら・・・
「どうしてよ?・・・結構高かったのに」
「そーゆー問題ぢゃねー!」
 まだ聡(さとり)はきょとん、としている。妹のセーラー服姿は見慣れたものではなかった。中学時代は私服だったのだ。だが、この“男心の分からない”鈍感ぶりには感動すら覚える。
「お前なあ!男がブラジャーをつけられる屈辱が分からんのか!」
 と、殊勝にも少し考えるそぶりを見せるではないか。
「うーん・・・」
 ブラジャーを手にしたままのセーラー服娘は少し考えている。
 そしてにっこりして、
「わかんないや」
 と、答える。
「あたし女の子だし」
「いや・・・だからさあ・・・」
「いーじゃない!折角女の子になったんだし・・・あたしがお兄ちゃんの立場だったら喜んでするよ!」
 そんな前提があるか!もう怒った!
「お、お前なんかなあ!お前なんか・・・男になっちまえ!」


第36回(2002.10.7.)
 しばらく時が止まった。
 ・・・様に感じられた。
 自分でも意外だった。
 そんなありえない話を口走るなんて・・・。
 でも、こちらが男でありながら女にされるという屈辱を味合わされているのだ。それなら・・・一体どれ位の精神的ダメージを与えられるのか分からないが・・・生まれつきの女であるはずの妹は、男になってしまえばちょっとはショックを受けるのでは・・・?
 そんなことを考えたとは到底思えない。
 が、現実にその言葉は口をついて出ていた。
「あ、なるほど」
 ぽん、とブラジャーを持った手を打つセーラー服姿の聡(さとり)。
「それもいーかもね」
 ふ、深い考えとか無いのかこの天然ボケの妹は・・・。
 だが、安易な合意を表明した妹に、一瞬だが兄の頭の中に男性化する妹のビジョンが浮かんだ。
「・・・?」
 信じられなかった。
 目の前で綺麗なプリーツ(襞)の入ったそのスカートが脚にまとわり付く様に変形を始めたのだ!
「あ・・・あ・・・」
 兄妹は殆ど同じ声を出していた。
 変形は止まらず、スカートの時点ではありえなかった前チャックや、ポケットの四角。そしてベルトなどが形作られていく・・・。
 変化はそれに留まらず、白いラインの入ったその上着の襟の下から真紅のスカーフが姿を消していた。
 替わりに首回りにそそり立つかの様な襟カラーが出現する。
「・・・あ・・・あ・・・」
 柔らかかったそのセーラー服の素材は硬質の漆黒に変わって行く。それは正真正銘の「学ラン」であった。
「これって・・・学生服?」
 きょとんとして聡(さとり)が言う。
 大きさがあまり合っておらず、襟カラーに顔が埋まりそうな風情は、女性アイドルがコマーシャルで学ランを着せられた状態を彷彿とさせた。
 固い素材に阻まれているものの、その胸の膨らみも確認出来る。
 間違いなく先ほどまでのセーラー服が学ランになってしまったのだ。


第37回(2002.10.8.)
「これって・・・アレだよね・・・お兄ちゃんが・・・」
 そこまで言った時だった。
「・・・ん・・・はぁっ!」
 聡(さとり)が悩ましい声を上げる。
「ど、どうしたんだ!?」
 けなげなセーラー服姿の兄は妹を心配して声を掛ける。
「か、身体・・・が・・・」
「身体?」
 その胸が空気を抜いた風船の様にしぼんでいくのには歩(あゆみ)は気が付かなかった。
 だが、次の変化にははっきりと気がついた。
 むくむくむくっ!とその身長が伸びていったのである。
「わわわわわっ!」
 見ている歩(あゆみ)の方が驚いている。
「あ・・・あたし・・・」
 目の前に手をかざす聡(さとり)。
 学生服の黒い筒から突き出されたその手のひらが、これまでのものにくらべて少しだけ逞しくなる。
 その丸っこかった体形は、全体が四角い男性的なものになる・・・比較問題ではあるが。
「男の子・・・に?」
 その声は、純粋な男にしてみれば少々高めだったのかも知れないが、少なくともこれまでのものに比べればずっと低かった。
 よく見るとその「ショートカット」というのが相応しかった髪も、適度な長さに刈り込まれている。「スポーツ狩り」や「角刈り」とも違うが、間違いなく「男の子」の髪型であった。
 少し前までセーラー服姿の女子高生だった聡(さとり)は、今や学ランに見を包んだ男子校生となってしまった!
「あ・・・」
 セーラー服にセミロングの髪をなびかせた兄・歩(あゆみ)の脳内は大混乱であった。
 こ、これは・・・自分が・・・やった・・・のか?
 そう考えるしか仕方が無かった。「男になれ!」と言い、そして聡(さとり)が男になっているところを想像したらこうなっていたのだ。聡(さとり)がこちらを同様に女にしている以上、反対の現象が起こった、と考えるのが自然だろう。
「入れ替わっちゃったね?」
 笑顔で言う学ランにコスプレした男子校生・聡(さとり)。
 一応“女言葉”なのだが、それを不自然に感じさせない「可愛らしさ」があった。その笑顔は、さながら見ている側が“とろけてしまいそう”な魅力をたたえている。
 一瞬だけ見るとあたかも美少女が男装しているかにも見える。これまで女性が男に対して「可愛い!」と褒め言葉の様に使っているのを不自然に思っていたのだが、それが似合う人間もいるのだな、と実感せざるを得ない。


第38回(2002.10.9.)
「あの・・・」
 セーラー服姿の美少女になった兄と、学ランに身を包んだ美少年になった妹の内、最初に口を開いたのは妹・・・見かけは“弟”・・・の方だった。
 手からは先ほどのブラジャーが流石に床に落ちていた。
「あたしたちってさ」
 歩(あゆみ)はもう気が動転していた。
 この部屋には全身が映るほどの大きな鏡が無いので、自分自身の姿はよりも、目の前の学生服姿に変わってしまった妹の方がショックだった。
「お互いを変身させられるってこと・・・だよね?」
 そうなのか?・・・いや、間違い無い。そうなのだろう。
「それって例えば・・・」
 めげないというか何と言うか・・・妹は男になってしまった自らの運命をまるで気にしていないかの様にあれこれ口に出しながら思索を巡らせている。
「自分に対しても出来るのかな?」
「・・・」
 よくこんな時に客観的な思考が出来るものだ。歩(あゆみ)は明日からの生活のことを考えると暗澹たる気分にしかならなかった。
 ひょ、ひょっとして普段着とか制服とか妹のお下がりを着せられるのか?・・・兄に対して“お下がり”というのもおかしいんだけど、そうとしか言えない。
 目を閉じている聡(さとり)。
 だが客観的にはそれは学生服姿の少年なのだ。目の前で見ている歩(あゆみ)にしてからがちょっと信じられない。そのにじみでる愛嬌と可愛らしさは間違いなく我が妹の雰囲気なのだが、それにしても生物学的には正反対で、しかもそのスタイルが効いている。
「・・・・・・んー、やっぱり無理みたい」


第39回(2002.10.10.)
 ?何が“無理”なんだ?
「ほら!お兄ちゃんもやってみなよ!」
「って・・・何・・・を?」
 ガクガクと震えそうなほど恐かったのだけど、自分の客観的な姿を同時に思い込み、複雑な気持ちで胸がきゅうきゅう締め付けられっ放しだっりして・・・。
「だからあ、お兄ちゃんをお姉ちゃんに出来る訳でしょ?だったらお姉ちゃんをお兄ちゃんに変身できるかも知れないじゃん」
 あっ!
「・・・!」
 青天の霹靂だった。
 そうだ、こんなに簡単に変身し、変身させられるのなら元に戻るのも簡単なんじゃないのか?
 歩(あゆみ)は自分の元の姿を必死に想像した。
 そうだ!この頼りないスカートの感触も、・・・肩が凝りそうな胸の感覚も・・・みんな元に戻っちゃえ!
「・・・?」
 何も変わらなかった。
 まるでそれが当たり前であるかの様に、歩(あゆみ)はセーラー服姿の女子高生のままだった。
 スカートの中の脚をすりすりする。
 ・・・ちなみにこれはスカートを履かされた時の歩(あゆみ)のクセになるのだった・・・。
「んー」
 ぽりぽり頭を掻いている聡(さとり)。
 こういう“飾らない”仕草は女の時から全くそのまんまだったが、やはり少年の姿では一種独特の感慨がある・・・。
 こ、こいつ・・・可愛いなあ・・・。
 身内で無かったらちょっとファンになってしまいそうだ。
「やっぱお互い、相手に対してじゃないと駄目みたいだね」
 だから何故そんな台詞をにっこり笑いながら言えるのか。
「・・・でもさあ、例えば」
「・・・例えば?」
「お互いを男の子と女の子に出来る訳じゃん」
 こくり、と頷く歩(あゆみ)。その仕草もまた犯罪的に可愛らしいことに本人は気がついていない・・・。
「まあ・・・そう・・・なのかな」
「だったらさあ・・・人間以外の変身とかありなのかな?」


第40回(2002.10.11.)
「・・・え?」
 もう歩(あゆみ)の頭の中は真っ白を通り越して透明になっていた。
「それじゃあねえ・・・手始めにお姉ちゃん・・・じゃなくてお兄ちゃんを猫とかにしてみようかな」
 もうテレビか映画でも観ているみたいだった。
「や、止めろよ!」
 声が・・・この声が嫌いだ。
「う〜ん!」
 うなっている聡(さとり)。
「や、やめ・・・止めてええっ!」
 絶叫する歩(あゆみ)。ばふっ!とスカートを広げながらその場にしゃがみこんでしまう。
 ・・・。
「・・・?」
「うーん、やっぱりそんなのは無理か・・・」
「お、驚かすなよ!」
 半べそで訴えるセーラー服美少女。
「そうねえ・・・他には・・・」
 どうやらこの好奇心旺盛な妹は、「どうやったらこの危機的状況から脱出出来るか?」などという発想は全く無く、「どこまでのことが出来るのか?」を限界まで探ろうとしているらしい。
「服・・・は、変えられた訳だよね」
 腕組みして考え込んでいる学生服。
「服って何でもありなのかな?」
「へ?」
 もう歩(あゆみ)の方は一杯一杯だった。お化け屋敷で先に男性の方が参ってしまう現象があると言うが、その状態に近いのだろうか。
「セーラー服はあたしが元々着てたんだからいーとしても」
 いや、よくないと思うが・・・。
「学生服ってどこから沸いてきたの?」
「はあ・・・」
「あたしの予想なんだけどぉ・・・」
 イヤーな予感が歩(あゆみ)のセーラー服の内側を駆け上った。