仲間も増え、旅を先へと進める一行。
途中、修道院が見えてきたが、奥まで入ろうとすると嫌味な騎士団と一悶着。
ここの騎士団長“マルチェロ”・・・一癖も二癖もありそうである。
嫌な気分を晴らそうと、近くの街の酒場に入る。
奥の席で博打をやっている集団に何気なく近づくと・・・
「テメェ!イカサマしやがったな!許さねぇ!!」
「フッ、ちょっとあからさまにやりすぎたか・・・あんまりにもお馬鹿さんでいいカモだったんでねぇ」
「テ・・・テメェッ!」
不覚にもありがちな喧嘩に巻き込まれるが、何故かヤンガスは嬉しそうである。
「いいねぇ、喧嘩はいつでも心が躍るでゲスよ、兄貴、ここは任せてくださいでゲス」
争いの渦中に踊りこむヤンガスをよそに、ゼシカの手を取る軟派な男、こいつはさっきまでイカサマやってた男ではないか。
「さあお嬢さん、今のうちに」
酒場の裏までつれてこられた一行
「怪我はないかい?お嬢さん」
「ちょっと、いつまで手ぇ握ってんのよ!」
振り払いながらビンタをお見舞いしようとゼシカの右手がうなりをあげる
「おっと、元気なお嬢さんだ。格闘でも嗜んでいそうだね」
笑みを浮かべながら軽くかわされる。
最近、ムチだけでなくヤンガス相手に格闘の手ほどきを受けていたゼシカは戸惑う。
かまわず続ける男
「おっと、自己紹介がまだだったね。俺はククール、そこの修道院で騎士をしている」
「俺に会いたくなったらこの指輪を見せると良い」
拒否する間も与えず、ゼシカの指に指輪をはめ、去っていくククール。
「ねぇフリード!修道院に行きましょう!突っ返してやる、こんなもの」
怒りをあらわにするゼシカ
「・・・やれやれ、また寄り道か」
修道院に引き返すこととなる一行は、これから迎える悲劇をまだ知らずにいた。