厳しい現実



船着場で徒歩に切り替え先を急ぐ一行。
街道を少しそれた途端に・・・・モンスターが現れた。
「よーし、アタシだって闘うんだから・・・・きゃっ!」
いきなり背後から襲われたゼシカ
ヤンガスが寸でのところでモンスターを食い止める。
フリードが叫ぶ
「下がってろって言っただろう!防御に徹してろ!」
「え、でも・・・」
「戦闘の邪魔だっ!」 「・・・っ!」

戦闘終了後、フリードに突っかかるゼシカ
「確かに油断したのは認めるわ・・・でもあれはないでしょう?」
冷静に返すフリード
「油断が即、死に繋がることを刻んでおくんだな・・・そうでなければ背中を預けて闘うことは出来ない」
「確かに魔法は強力だがいつまででも使えるわけじゃない。ここぞという時のために取っておくものだ。魔法は対多数や物理攻撃が効かない敵だけで良い」
言葉につまり、言い返せないゼシカは俯いて涙をこらえるしかなかった・・・考えが甘かったことを認めざるをえない。

そしてそれからの夜、独り立ち木に向かって鞭の練習をするゼシカの姿があった。
寝たふりをしながらフリードにトロデ王が問いかける
「のうフリード、ちと酷すぎやせんかの?・・・あのお嬢ちゃんも悪気はなかろうて」
同じく寝たままの姿でフリードが答える
「気持ちはわかります、兄を殺された辛さも理解しているつもりです」
「でも強くならなければこれからの旅、ゼシカには耐えられませんよ」
それでもトロデ王は心配そうに続ける
「それは解るんじゃが・・・じゃがのう・・・」
「ご心配なさらずとも大丈夫です、陛下」
「魔法に関しては素質に文句のつけようはありません・・・それにあの毎晩の練習で鞭もさまになってきている」
「そして、あの目に宿る強さは本物ですよ・・・さぁ、もうおやすみください」
「・・・むぅ」
王が寝た後も鞭の音は止まない。
((見てなさい、絶対強くなってやる・・・一緒に闘う仲間だって認めさせてやるんだから))
フリードが許せない・・・いや、現実を甘く考えていた自分がもっと許せない。
ゼシカは、今まで飾り程度に持っていた皮の鞭を、初めて真剣に振るい続ける。









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