修道院に向かって急ぐ最中に、再度モンスターに遭遇する一行。
フリードが剣を、ヤンガスが鎌を構えて王の前を固める・・・その時
「待って!」
ゼシカが意を決して声をかける
「アタシも闘わせて・・・邪魔にはならないから」
目には強い意志が感じられる。
フリードが振り返って答える
「良いだろう、背後の敵を頼む・・・これを使え!」
ゼシカに投げ渡されたのは「蛇皮の鞭」だった。
「え・・・これ、アタシの・・・それに背後って、背中預けてくれるの?」
敵から目を逸らさずにはいるが、横からヤンガスが声をかける。
「兄貴が作ったんでゲス、トロデ王が直した錬金釜で・・・結構苦労してたでゲス。兄貴も素直じゃないでゲスから」
「毎日あんだけ練習したんでゲス、兄貴も俺も、アンタにゃ背中預けても大丈夫だって思ってんでガスよ、もう」
フリードに目を向けるゼシカ
((気付いてたんだ・・・あーもう!なんか見透かされてるなぁ))
悔しがりながらも悪い気はしないことに、まだゼシカ自身は気付いていないようだ。
「なにしてる!敵が来るぞ!!」
先陣を切って敵に突っ込むフリード、馬車の前で守りを固めるヤンガス。
そしてフリードの背後に、蛇皮の鞭を構えたゼシカがいた。
「さぁ、かかってらっしゃい!アタシのデビュー戦なんだからっ!・・・今日の鞭はちょぉっと痛いわよぉ〜♪」
そこには既に、防御を固めてうずくまっている少女はいなかった。
あるのは見事な連携で闘う三人の仲間の姿があった。