サザンビークに向かう途中、リーザス村に寄った四人。
ヤンガスとククールはさっさと宿屋に向かうが、ゼシカの家の前で立ち止まるフリードとゼシカ。
「ちゃんと話して来い、家族だろう」
「うん・・・」
意を決して扉を開けるゼシカ
「ゼシカッ!」
母親が飛びついて来る。
「お、お母さん・・・何泣いてるのよ・・・もう帰ってくるなって言ったじゃない」
「馬鹿!子供が心配じゃない親なんてどこにいるもんですか!」
「もう私は・・・お前が無事で帰ってくることだけを今まで・・・ああ、ゼシカ・・・ゼシカッ!」
ゼシカに抱きついて離れようとしない母親を抱きしめ、久しぶりに自宅で一夜を過ごすゼシカだった。
(ゼシカ・・・お母さんと幸せにな)
フリードは独り宿に帰る。
翌朝、ヤンガスとククールと身支度をするフリード。
「良いのか?フリード・・・お前ゼシカのこと・・・」
ククールが問いかける。
「いいのさ・・・やっと平和になって母さんと一緒に暮らせるんだ・・・それがゼシカには一番良いさ」
同時刻、ゼシカの家では
「やっと平和になったし、アタシこれからは母さんと一緒に居るからね」
母親の涙を見てしまったゼシカは、この家で暮らそうと決心しつつあった。
「・・・ゼシカ、お前の気持ちは凄く嬉しいのよ・・・でもね」
「どうしたの?お母さん」
「お前、自分の気持ちに嘘ついてるでしょう・・・お前はそんな子じゃないでしょう?」
「思ったとおりに生きなさい・・・今までそうしてきたように。でも、時々は顔を見せてね。母さんはそれだけで十分だから」
「お母さん・・・ゴメンなさい・・・いってきます!」
村を出ようとする三人に後ろから声が聞こえる。
「フリード!待ってよー!」
「ゼシカ!お前・・・」
「アタシも行くからね。仲間なんでしょう?一緒についてくからねっ!」
再び四人となりサザンピークへ向かう。