少しは落ち着いたのか、グラッドが話し始めた。
「我が一族が守る遺跡には石碑があってね・・・そこに過去の伝承が書いてあるんだ」
「異空間を行き来できるといわれる神鳥レティス・・・かつて暗黒神の封印にも力を貸したといわれる神鳥なら力になってくれるんじゃないかな」
「残念ながら手がかりは・・・そう、レティシアと呼ばれる大陸に行く手立てさえ見つかれば・・・」
まずその行き方から探さねばならぬようだ。
一行は手がかりを求めてサヴェッラ大聖堂までやってきた。
法皇がいると言われる館への入り口で、見知った顔と出くわす
「あ、兄貴・・・」
ククールが固まる。
「ほほう・・・皆さんとこんなところでお会いするとは・・・残念ながら今の私は忙しい身なれば、これにて失礼しますよ」
ツカツカと通り過ぎるマルチェロ・・・慇懃無礼な態度は変わっていない。
なんと今は法皇の側近にまで成り上がっているらしい。
「向上心というか・・・権力の権化でヤンスねぇ・・・っとぉ」
ヤンガスがククールを気にして口をつぐむ
「いいさ、兄貴は昔から偉くなろうとしてた・・・しかしそれも兄貴なりの考えあってのことさ」
「この身分制度・・・貴族社会をぶち壊すには上まで登るしかないと思ったんだろうな・・・自分が妾の子で虐げられた過去からのコンプレックスだったのかも知れねぇけど」
「それでも、曲がりなりにも兄貴は兄貴なりの平等な世界を作ろうとしてたんだよ・・・昔はな」
ククールは続ける
「でも、いつの間にか・・・権力を得ることそのものに目がいっちまって、どんどん変わって・・・」
フリードが言葉をかける
「そうなったら、お前が正してやらんとな」
「ああ、間違った道を選んじまったら、きっちりカタつけねぇとな・・・身内だからな」
「でも今はレティス探すのが先だな」
聞き込みを続けると、どうやら光の海図というものが存在し、それがあればレティシアまで行けるらしい。
海から続く洞窟の奥で海図を手にし、レティシアまで一行はたどり着いた。
暗黒紳の手先に脅迫されていたレティスを助け出し、空を飛ぶ手段を一行はついに手に入れる。
三角谷で暗黒神の情報と追う術を得て、ついにレオパルドの行き先が法皇の館であると突き止める。
法皇の館の目前に来た時、一足早くレオパルドが窓を破り館に侵入した。