リプルアーチに戻り、ハワードにグランスピネルを渡すと同時にゼシカが現れる。
「お、お前達時間を稼げ!ワシは今から結界を張る準備をする」
三人はゼシカと対峙する。
「どうするでゲス?兄貴」
「ゼシカに攻撃するのか?」
二人が問いかける
「いや、しばらく様子を見よう」
フリードは防御を固める。
「ふぅん、かかってこないんだ・・・じゃ、こっちから行くわよ?」
これでもかと強力な魔法を連発するゼシカ。
「あの杖のせいか、魔力増幅してねぇか?」
必死で交わしながらククールが文句を言う。
ゼシカが杖でフリードに攻撃を加える・・・が、フリードの眼前で杖が止まる
「フ・・・フリード・・・止めて・・・私を・・・倒して・・・」
ゼシカの目からは涙がこぼれている。
自分の中に侵入しようとする何かと必死で戦っているようだ。
「くっ・・・俺にはどうすることも出来ないのかっ!」
歯を食いしばるフリード
「出来たぞ!ほりゃあ〜!」
そこにハワードが完成した結界を発動する。
「ウァァァ・・・ッ!」
ゼシカの動きが止まる
「ホレ今じゃ!止めをさせ!」
「何言ってるでゲス!ゼシカを助けるんじゃないでゲスか?!」
ヤンガスがハワードに食って掛かる
「あんな強力な呪いはこの結界でも完全に解くのは無理じゃ、はよう止めをさせ!」
ハワードは容赦ない言葉を浴びせる。
「フリード!どうすんだよっ!」
ククールが叫ぶ
「く・・・っ!」
今にも結界を打ち破ろうとするゼシカの肩をフリードが掴む
「ゼシカ!負けるんじゃない!お前はそんなに弱かったか?そんなこと無いだろう!」
「俺が背中を預けると・・・命を預けると決めた仲間だぞ!」
フリードが叫び続ける
「それに・・・それに俺は・・・お前を死なせたくない・・・失いたくないんだっ!」
ゼシカの頬を涙が伝う
「フリード・・・フリード!」
ゼシカの体を光が包み、持っていた杖が手から離れる。
がっくりと気を失うゼシカ。
一方、杖はハワードの愛犬レオパルドの前に転がる。
引き寄せられるように杖に近づくレオパルド。
咥えた瞬間、跳ねるようにその場を飛び去る。
「またじゃ、また逃げられた!」
トロデ王が悔しがる
「それより嬢ちゃんは?!」
ヤンガスがフリードに聞く
「とりあえず気を失っているだけのようだ・・・」
一行はそのまま宿に戻りゼシカを看病することにした。