一気に喋っていたトロデ王が一息つく。
「フリードって・・・凄い人だったんだねぇ・・・」
ゼシカが感心したように言う。
「あいつのことだったのかよ・・・猛き雷光ってのだけは聞いたことはあるぜ」
ククールも頷く。
「でも、俺は守れなかった・・・陛下も、姫も」
寝たはずのフリードが傍まで来ていた。
「それはしょうがなかろう・・・誰もお前を責めはせんて」
「しかし・・・あの時せめてお傍にいられれば・・・」
「おぬしに用事を頼んで城外に出したのはワシじゃ・・・あまり背負い込むでない」
「それに、ワシもミーティアもこんな姿でもまだ生きておる・・・城の者も時間が止まっておるだけじゃ・・・きっちりドルマゲスにお返しをしてやろうぞ」
ゼシカが横から口を出す
「そうよ、フリード独りで背負わないで・・・アタシだって頑張るから、仲間だっているじゃない」
「俺たちだってヤツには貸しがあるんだぜ?」
ククールも傍に来る。
「兄貴、アッシは兄貴に命助けてもらったんだ、少しでもお力にならせてくださいでゲスよ」
ヤンガスも力の入った目で訴えかける。
ゼシカが続ける
「ドルマゲスを倒すためなら・・・兄さんの仇を討つためならこの命、惜しくないから!」
決意を語るゼシカにフリードが叫ぶ
「そんなことを言うな!命を懸けるなんて言うな!」
「え、あ・・・ゴメンなさい」
たじろぐゼシカ
「あ、いや・・・大声を出してすまん・・・でもな、皆生き残るんだ・・・もちろんドルマゲスは倒す!その上で生き残るんだ・・・死んでしまったら意味がない・・・死んでしまったらな」
なにやら深刻な顔で呟くフリード。
トロデ王が気付く
「フリード、お主記憶が・・・」
「すみません陛下、今はまだお話できるほど正確には・・・でも全てが終わったら必ず」
「う、うむ・・・」
ゼシカがフリードを見つめて話す
「いいよフリード、過去が何でもフリードはフリードだから」
「そうね、皆で生き残らなきゃね・・・全て終わったらアタシも・・・ううん、とにかく今はドルマゲスを倒すのが第一だよね、アタシ頑張るから」
決意を新たに、一行は眠りに就いた。